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公開 2015年10月23日  

「私は子育てに向かないのかもしれません。1人になりたいです。」こんな母親は自分勝手なの?

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先日、yahoo知恵袋で話題になっているこんな投稿を見つけました。それは「私は子育てに向かないのかもしれません。1人になりたいです。こんな私は自分勝手でしょうか」というあるお母さんからの投稿。「母親なんだから一緒にいて当たり前」そんな意見もありますが、「1人になりたい」という気持ちは本当に自分勝手なことなのでしょうか。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28144083536

「ひとりになりたい」母親は自分勝手なの?

先日、あるひとつのyahoo知恵袋の投稿が目にとまりました。その投稿は、あるお母さんが自身が抱える悩みを打ち明けたもの。それはこんな一言から始まります。

私は子育てに向かないのかもしれません。1人になりたいです。

この一言から目が離せなくなり、気付くと夢中でそのまま続きを読み進めていました。お母さんの言葉は続きます。

平日は保育園に預け、朝は5時過ぎに起きて夜は子供が眠る22時頃には自分も寝てしまうという生活の繰り返しです。コーヒーを飲んで一息つく時間くらいはあります。ですが、、気持ちが休まる時間を持てずにいます。


子どもはすごく可愛いのですが、最近、とても、とても、苛々します。マンションの4階までの階段を「足が痛くて昇れない」と言う。衣服の着脱も自分で出来るのにやらない(風邪をひいちゃうからと私がやってしまう)、朝の寝起きがとても悪くて不機嫌。パパが何か手伝おうとしても「ママがいいの!パパはあっち行って!」など。口も達者になり、的を得たことを言ってくるので、余計にカチンとしてしまうこともあります。

甘えているのは愛情がもっと証拠だと思いますし、良い親になってあげたいと本当に思うのですが、とても冷たい思い(実際に顔に現れていると思います)で子供を見てしまうこともしょっちゅうです。冷たい台詞を吐いてしまうこともあります。その時の子供の表情を思い出すと悲しくなります。こんな親では、子供がかわいそうだと思うのですが、止まりません。

ここまで感じたのは、ああ、私と本当に同じだなということ。

一緒にいて、ずっと笑顔でいてあげるのが一番。そんなふうに思っているにも関わらず、子どもと一緒にいるとイライラしてしまって。自分の時間はもうとれないの?全部子どものためになんでもやってあげなきゃいけないの?

そんな解消できないもやもやを抱えていました。

でも、そんなもやもやを抱えていること自体が「母親失格」かもしれない…

「母親なんだからそばにいてあげるのが当たり前でしょ」
「一人になりたいなんて甘えだ」
「覚悟して生んだんじゃなかったの」


自分自身に問いかけて、行き場のない気持ちを抱える日々が続きました。

きっと同じような気持ちを抱えてどうしたらよいか分からなくなっているお母さん、多いのではないでしょうか。

そんな気持ちを抱えていたとき、私はある言葉に出会いとても救われたのを覚えています。今日はそんな一言を伝えることで、悩んで自分を責めているお母さんの気持ちが少しでも軽くなればと思います。

けっして自分勝手でも、わがままでもありません。

こんな風に悩むお母さんたちに

「けっして自分勝手でも、わがままでもありません。」

そんな言葉をかけるのは、大学教授として心理学研究を行う大日向 雅美先生。

大日向先生は、NHKエデュケーショナルのすくすく子育てという番組のなかで同じように「1人になりたい」と悩み自分を追いつめてしまう母親たちにこんな声をかけます。

「私は子育てに向かないのかもしれません。1人になりたいです。」こんな母親は自分勝手なの?の画像1
出典:NHKエデュケーショナルすくすく子育て[放送日]2015/09/19

女性は、「女性」「母親」「妻」「社会人」というさまざまな面を持っています

この部分を見て、私は本当に救われたと感じました。

この言葉を聞くまで、私は「母親」以外の自分は許せないものだと必死に自分のなかに押し込めてきた気がします。

でも、今考えると1人になりたいという欲求は「母親」以外の自分からの無意識のヘルプだったのではないかと思うのです。

「母親」以外の人格があることが自然であって、それは自分勝手でも、わがままでもない

そんなふうに優しく伝えてくれた先生の言葉が身に染みて思わず、涙してしまいました。

そして、さらに大日向先生の言葉は続きます。

子どもは母親1人だけでは育ちません。子どもを愛するためにこそ、みんなで力を合わせて育児をすることが大切です。
パパも育児に協力することで、「子どもの成長の実感」や「子どものかわいらしさ」のような、「育児の喜び」を得ることができます。
「育児の喜び」という素晴らしい体験をパパに知ってもらう機会を作るためにも、社会全体にみんなで育児をすることの大切さを訴えていくことも必要だと思います。

「自分のために」1人になるのではなく、「子どもをさらに愛するために」、そして「育児の喜びをパパや他の人にも知ってもらうために」子どもから離れる時間をつくるという考え方は、目からうろこでした。

「1人になりたいなんて、甘えだ。母親失格だ」

そう思い込んでいる以前までの私のような人にこそ、届けたい言葉だとそう思います。

ママだって人間だ!

そして…なぜ母親がこんなに追い詰められてしまうのかを考えたときに、周囲の人が親となった女性に「母親」であることを求めすぎているからなのではないか、そんなふうに思います。

これをうまく表現してくれているのが、マンガ家であり母親の赤裸々な育児の日々を綴っている田房永子さん。

田房さんは「ママだって人間」(河出書房新社)という本の中の「ママと夫と子どもの関係」というお話しのなかで、こんなエピソードを紹介しています。

子育てに夫との関係性にももやもやとしたものを抱えていた田房さんは、ある日前の職場の同窓会に参加します。

そこで田房さんは、元同僚の男性たちが口々に次のような言葉を発するのを耳にします。

「やっぱ子どもにとっては母親が一番だよな」
「子どもが奥さんから離れてくれなくてさ」
「俺の奥さん、子ども大好きだから。」

ここまで聞いた田房さんは、激しく違和感を覚えます。

彼らの話す「俺の奥さん」があまりにも都合がいい女だからだ

まるで「母性」だけが絶えず湧き出しているような女

見たくない部分にフタをしてないことにされている感じ

大日向先生の言葉にもあったように、「母親」にも「母親」以外の部分があることが本来自然なはず。

しかし、そんな他の人格を無意識に否定する…あなたはそんな旦那さんになってませんか。そんな周囲の人になっていませんか。

あなたは、奥さんや周りのお母さんの「母親」以外の部分を認めてあげられていますか。

ママだからっていつも赤ちゃんを抱っこしたがってるなんて思わないで

ママだって人間だよ

ぜひ、社会全体で「母親」以外の人格を認めてあげられるようになって苦しむ女性が減りますように。そのためにも、「母親」以外の人間みんなで子育てをサポートする体制をしっかりとつくっていかなくてはいけないなと思います。

そんなみんなが幸せな社会にいつかなりますように。

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