子育ては労働です。それを楽しめるかどうかは、取り組む人の捉え方次第です。新鮮と感じるかルーティンと感じるか。子育て自体は、大変さもありながら、スイスイさんのいうような面白さもあります。私自身、子どもに何度も笑顔にさせてもらいました。
また、スイスイさんのおっしゃるように、最初は不慣れでも回数を重ねていくうちに上手になることもあります。子育てについて、大変かどうかというのは個人の感覚に起因すると思いますし、視点の切り替えで楽しむ方が建設的だというスイスイさんの意見に私も同意です。
一方で、その子育てという労働が母親にばかり偏ってしまうという社会的な構造があります。男性の育児取得率は数パーセントですし、日本における女性の年齢階級別労働力率をグラフで表したときに描かれるM字型の曲線(M字カーブ、出産・育児期にあたる30歳代で就業率が落ち込み、子育てが一段落した後に再就職する人が多いことを反映している)を見ても、女性が育児を担っていると言えます。
その結果、母親は子育て以外の自分の希望を叶える時間が減少します。これが第二の大変さです。それは母親の「子育て以外の時間がない」大変さです。
自分の希望=子育てであれば、社会的な構造と自分の希望が合致していますが、もしも産後の女性が子育て以外のことをしたいと考えたらどうでしょうか? 自分のやりたいことのために、夫や保育園、両親が育児を担えば問題は解決ですが、現在の日本で彼らの援助が手に入らない母親も少なくありません。
「ママリアル楽しいんですけど現象」もいいけど、やっぱり私はママが大変です!
3,381 ViewConobieでも紹介されているコラム『【みんなが言いづらいと思うから】ママのママによるママのためのママ神格化現象がおこってますよね【私がいうね!】』。ママの大変さを過剰にあおったブランディングに対する批判ですが、私にはママにはママだけの大変さが、それでも、存在していると考えます。だからこそ、ママである女性が自分を評価することを推奨したいと思っています。
まず大変さを切り分けよう
私にとって育児は楽しくてじゃまなもの。
スイスイさんは、育児は楽しいものだから楽しめばよい、という解決方法を示されていますが、少なくとも私にとって、「育児」は基本的には楽しめることですが、「育児だけをすること」は、苦痛です。
私は人から評価され、自分に価値があると認められ、場合によっては金銭を手に入れたいと考えていますが、雇用されることでそれを実現している私には、「育児だけをすること」は大きな障害になります。(職場へ決められた時間に行くことが必要になるからです。)
それに、仕事のあと、友人と仕事のことや身の回りで起こったあれこれを話す時間がほしいと思うこともあります。
育児は誰がするべきか
また、一週間に数回でも、食べこぼしのないきれいなままのテーブルで食事を終えられれば、ホッとします。反対に言えば、毎日毎食、子どもの食べこぼしの処理をすることは、苦痛なのです。例えそれが「今しか見られない子どもの姿」であったとしても、です。
食べこぼしのないテーブルで食事をしたいなら、私は子どもなど産むべきではなかったのでしょうか?
私はそうは考えていません。育児以外の生活時間を持ちたい人間であっても子どもを持っても良いと思います。私の息子は夫の子どもでもあり、祖父母の孫でもあり、保育士の方が大事にしてくださる子どもの一人でもあるからです。彼のケアを私一人で全てできなくても、大きな問題ではないのです。
スイスイさんは、「育児が大変」というネガティブキャンペーンが子どもを産みたい人や育てたい人が減る原因になるのではと言っていますが、「育児は一人でやらなければいけない」という状況の方が、「育児そのもの」の大変さよりも、実は重大な問題となっているのではないかと私は思っています。
少なくとも私は、ほぼ自分一人で育児を担っていた二年間よりも、夫と保育園と多数で子育てを分担するような形が取れている今の方が、気持ちが楽になりましたし、二人目や三人目の子どもがいてもよいという気持ちになれます。
やっぱり子育てしながら生きるのは大変です。
子育てを楽しむこと、子どもの愛しい面を認識することは、子どもも自分も幸せになる非常に素敵な姿勢だと思います。でも、今の日本(私の暮らす東京)では、子育ての大半を一手に引き受ける母親が多く、それによって育児そのものの楽しさを味わえていない母親もいるのかもしれない、というのが私の意見です。
コラムの書き手のスイスイさんは、
”冷静に自分自身で考えたら本当はすべてが大変な状況ばかりではないと自覚しているのに、世の中の「ママって大変」という空気感に押されて飲まれて、世の中の影響受けすぎて「私って本当に大変」と思い込み大変大変大変ということで頭がいっぱいになって実際大変大変大変という思考や言動の"クセ"がついてしまっているママ】 に対してのみ”
ママだけ特別扱いしない方がよい、という意見です。
そんなママたちは、もしかしたらスイスイさんのアドバイスで元気になるのかもしれません。でも私は、そんな思考の癖がついてしまっているママであってもやっぱり、母親をしている全ての女性は、相対的に「大変なのに」頑張っている、と言っていいと思っています。
(もちろん、父親もです。もしかしたら、私は実際に『実際大変大変大変という思考や言動の"クセ"がついてしまっているママ』に出会ったことがないのかもしれません。)
育児そのものがどんなに楽しいことであっても、生きるためには原則稼いでいかなければなりませんし、そのためには育児から離れる時間が必要になります。そして、今の日本(東京)では、育児から離れるということが少し難しいように思います。そして一日の時間は有限で、子どもは親の都合に合わせて動きません。だから、母親(父親)は大変です。
頑張らずに楽しい気持ちだけで子どもと向き合えたら最高ですが、なかなかそうもいかない日があると思います。育児を楽しめない日もあると思います。
そんなときはやっぱり、「大変なのに頑張っている!」そう自分を褒めればいいと思います。そして、子どもとの時間が楽しくないと感じる自分を責めずに肯定すればいいとも思います。
1
追い詰められたママのイライラは、子どもに向かう。それを救ってくれたパパの言葉
とげとげ。
2
赤ちゃんの肌にいいの?悪いの?冬至の「ゆず湯」の秘密
離乳食・幼児食アドバイザー 園田奈緒
3
産後のウラミは根深くて…10年経っても忘れられない夫の言葉
コノビー名作集
4
「勝ち負け」へのこだわりがエグい…癇癪を笑顔にかえる画期的アイデア
いそめし ちかこ
息子をめぐるバトル勃発!?「だれがすきなの?」への返答が、流石すぎ♡
コノビー名作集
やば…言いすぎた!?娘の夏休みの宿題との関わり方を考えました
コノビー名作集
夫よ、ごめん…!夕食の味噌汁がつい「濃いめ」になっちゃうワケ
コノビー名作集
家事の最中にしゃべり続ける息子。ママに話しかけているかと思いきや、実は!
コノビー名作集
思わずキュン…♡レストランで夫の対応に”惚れ直した”出来事
多喜ゆい
「ワーママの大変さ」を、パパが実感したのはこんな瞬間
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
子が夫に質問「ママのこと大好き?」聞き耳をたてていたら、嘘でしょ…?
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
座ったまま「ママ、お箸は~?」と聞く息子に、パパがひとこと。
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』