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公開 2015年10月31日  

なぜ少年の異物混入事件は起きたのか?大人が忘れがちな子どもの気持ちとは・・

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少し前になりますが、少年の異物混入事件が立て続けに起きてニュースになりました。なぜあのような事件は起きるのでしょうか。少し考えてみたいと思います。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272002502

マクドナルドのハンバーガーに人の歯や鉄片が入っていた事件、菓子パンに針を入れたりと少し前に「異物混入事件」が頻繁にニュースで流れていました。

その中で起こった「つまようじ事件」を例に、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者・立石美津子が語りたいと思います。

つまようじの異物混入事件とは?

先日、スナック菓子につまようじを入れた19歳の少年が逮捕されました。驚いたことに、この少年は自らが爪楊枝をスナック菓子に入れる様子を動画撮影し、ネット配信していたのです。この後、一円玉や髪の毛を入れたり、万引きする様子を撮影して配信する模倣犯も現れました。

あえて「逮捕してちょうだい~僕はこんなにいけないことしているんですよ~」と披露する行為、「なぜだろう」って思いますよね。でも、これは他人事では済まされません。同じようなことをしている子どもがいるのです。

叱られてもいいから注目して欲しい幼児

こんなことをする子どもがいます。
・友達の筆箱を隠す
・机の上の道具を床に落とす
・小さい子を苛める

物事の善悪をしつけることをしないで出来ていないのならば、「それはやってはいけないこと」と教えていけば済みます。けれども「やってはならないこと」とわかっていて、わざと人の嫌がることをしている場合、問題の根は深いです。

「自分は何をやっても親から褒めたり認められたりしない。だったら悪い行動をして親からの注目、関心を引こう」と思って行動しているからです。

2つの例でお話ししましょう。

お迎えの時間になってもパパママがお迎えにこない恐怖

両親が開業医をしている子どもがいました。その子のお母さんとお父さんは仕事がとても忙しい状態で、いつもお迎えに間に合わず、遅れてお迎えにやってきます。朝、「6時30分にはお迎えに行くからね」と子どもに伝えているのにも関わらず、「遅れます」という電話も来ないまま、30分以上遅れてお迎えにやってくることもありました。

大人にとってはたった15分でも、子どもにとっては半日くらいに感じられる長い長い時間です。

子どもは「ママは永遠に迎えにこないかもしれない」と思い始めます。お友達がママと帰っていく様子を見て不安はピークに達します。保育士が気をそらそうと絵本を読んでも気もそぞろです。

保育士は「6時30分になったら迎えに来る」とカバンにお着替えなど必要な物を入れ、コートを着せて園の玄関で準備万端で待っています。でも、いつまでもお迎えに来ないので、保育士自身も早く帰りたかったり、明日の準備の仕事をしたかったりで、無神経に子どもの前で「ママまだかしら、遅いね」と呟いてしまいます。それを聞いてますますその子は不安になってしまうでしょう。

どうしてみんなと同じように出来ないの?

勉強も運動もパッとしない。そんな我が子に不満を持ってしまうこともあるかもしれません。

「どうしてみんなと同じように出来ないの!」「どうして○○ちゃんのように出来ないの!」とまるでオリンピック選手と競争させているかのように子どもを責め立ててしまいます。すると、子どもは、常に他人と比較されて育つことになります。

子どもはだんだんと「頑張っても優秀な他の子どもに追いつけそうない」と感じ始めます。「自分は人間として劣っている」とまで思いつめるようになりました。

そこでその子は「頑張ってもなかなか芽が出ない。いい事をしても更に良い子が沢山いるから親や先生に褒められない。だったら、最高に悪いことをして目立ってしまえ。先生の気を引いて先生を独り占めしよう。ついでにお友達の注目も浴びられるからラッキーだ」とつぶやきます。

「先生なんか死ね」とか「クソババア」と言ったり、友達の筆箱にゴミや虫を入れたり、学校でもありとあらゆるいたずらをします。先生は、他の子に関わるのを中断して「なんでそんなことするの」と躍起になります。でも、心の奥で子どもは喜んでいた・・・そんなケースもあるのです。

犯罪を犯した少年の心理

つまようじ事件の19歳の少年は、「みなさん、元気ですか。店の商品にいたずらしてみた2(ツー)でございます。」「どこに逃亡中か考え中です。」と投稿していました。私にはこの少年が寂しい心を埋めようとしてやっているように思えてなりません。

なぜ、その子はそんな行為をすることになったのか。
もちろん、すべてが親の責任によるものとは言い切れませんし、さまざまな背景要因があることでしょう。その心の闇を解決しないと同じような事件が繰り返されてしまうかもしれません。

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