先日、"Go Team Kate"というブログに、素敵な文章が載せられていたので紹介します。
ある日シャネルさんは娘のケイトちゃんと一緒に飛行機に乗りました。
ケイトちゃんは自閉症で、飛行機ではいつも騒いでしまいます。
「今回も人に迷惑をかけてしまうのかな…」
と心配していたお母さん。
心配するお母さんをよそに、
娘のケイトちゃんは
隣に座った男性を「パパ」と呼びます。
シャネルさんはブログで、この「パパ」に手紙を書きました。
少し長い文章ですが、ぜひ読んでいただきたいと思います。
「機内16Cにいたあなたへ」自閉症の娘の隣にいた男性に感謝の手紙
290,569 View自閉症のケイトちゃんは、飛行機にのると毎回大騒ぎしてしまいます。そんなケイトちゃんとお母さんが飛行機に乗ったある日、ケイトちゃんの隣にある男性が座りました。ケイトちゃんは男性のことを「パパ」と呼びます。母のシャネルさんが翌日、その「パパ」へ書いた手紙の内容とは?
自閉症のケイトちゃんと飛行機に乗ったお母さん
16Cに座っていた「パパ」へ
「パパ」へ
私はあなたの名前を知りません。
けれど、先週のフライト中、ケイトがあなたのことをずっと「パパ」と呼んでいたのに、あなたは彼女を一度も正すことはありませんでしたね。おそらく、彼女があなたの事を本当のお父さんと間違えたのではなくて、ケイトは大好きな人を「パパ」と呼ぶことを理解してくれていたのでしょう。
私は、ケイトを真ん中の席には座らせたくありませんでした。
でも、窓際に座らせると大好きなブラインドで遊んでしまうし、だったら真ん中の席の方が人の迷惑にならないだろうと思って。私は座ったあと、ケイトの隣に誰が座るか、ずっとドキドキしていました。
バスケ部のチームが通ると、もしあの巨人がケイトの隣に座ったらどうなるのかと考えてしまいました。まあ、ケイトはきっと好きだっただろうけど。
優しそうなおばあちゃんが通るたび、隣に座って欲しいと願いましたが、残念ながらみんな通りすぎていってしまいました。
そして、もしかしたら空席になるかもしれないという希望が見えた次の瞬間、ブリーフケースを持ったあなたが隣に座ったの。
私の頭の中には、ケイトがあなたの大切な書類に水をこぼす姿がよぎりました。
あなたが座った瞬間、彼女はあなたの腕をさすり始めましたね。あなたのジャケットが柔らかかったから、彼女はとても気に入ったんだと思います。それでもあなたは笑顔で対応してくれたから、ケイトはあなたに「やあパパ!これは私のママだよ。」と私を紹介したの。
そこからあなたはもう、彼女のモノになったんです。
普通の人なら、体制を直すふりでもをして、彼女を追い払っていたかもしれない。
普通の人なら、彼女を無視して私に「この子をどうにかしてくれ」と目で訴えてくるかもしれない。
でもあなたは、そんなことは全くしなかった。
そうではなく、あなたはケイトと会話を始め、彼女のおもちゃについて色々質問をしてくれましたね。
ケイトはあなたの質問には答えられなかったけど、彼女はあなたと目線が離せなくなるほど、あなたに夢中になっていたわ。私は気を遣って何度かケイトをこちらに引き寄せようとしたけれど、あなたは「気にしないでいい」と言ってくれましたね。
ケイト(あなたのiPadを見て)
「これはパパのパソコン??」
あなた
「そうだよ、見てみたいかい?」
ケイト
「私に???」(彼女はもらえると思った)
私
「それはあなたのじゃないでしょ、ケイト」
ケイト
「パパのパソコンいいね!」
あなた(ケイトもiPadを持っているのを見て)
「ケイトのパソコンも好きだよ。かわいいケースだね!」
ケイト
「悪者役やる???」(ケイトが悪者役をゆずることはほとんどない。あなたはすごいよ)
あなた
「おお!いいねえ!」
こんなやりとりがかなり続いたけれど、あなたは一度もイヤな顔はしませんでしたね。
ケイトがアナとエルサの人形で遊んでいる時、少しだけ休憩の時間があったくらい。ケイトはお人形で遊ぼうとは言わなかったけど、きっとそう言われていたら、あなたは遊んでくれたでしょう。
飛行機が到着する10分前、ケイトはもう限界。
シートベルトを外すように叫び、「飛行機が閉まってる!飛行機が閉まってる!」と泣き叫びながら飛行機のドアを開けるように言っていたわね。
そんな時もあなたは、すぐケイトのおもちゃをとって落ち着かせようとしてくれた。
彼女はもうその時点では取り返しのつかない状況になっていたけれど、あなたがケイトのためにそうしてくれたことに、私はとっても感動したの。
ちなみに、飛行機を降りてハグをしたら、彼女はすぐに泣き止んだわ。
私たちに先降りさせてくれてありがとう。
・・・本当に、ケイトの友達になってくれてありがとう。
あなたのおかげで、出かけるたびに頭をさげて言うセリフを、今回は言わなくて済みました。あなたのおかげで、ケイトにとっては、今までで一番楽しいフライトになったわ。
書類をすべてカバンの中に閉まって、ケイトと遊んでくれて、本当にありがとう。
子育ては一人ぼっちじゃない
私たちも子育てをしていると、子どもが電車の中で騒いでしまったり、周りの人に迷惑をかけることがたくさんありますよね。
そんな時、この「パパ」のように、誰かが子どもに優しく接してくれた経験がある方も多いと思います。子育て中にこういった優しさに触れると、本当に感動しますよね。
私も子どもで困った時に知らない人が助けてくれると、子育ての孤独感から解放され、心が暖まります。
世の中にはこの「パパ」ような人がたくさんいると思うと、とても幸せな気持ちになります。
どうかこのような方が一人でも多くなり、子育てを社会で支えるような世の中が実現していけばいいなと思います。
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