昨年、マレーシアのレゴランドに行った時のことです。
レゴランド内には、レゴを作って遊べる場があるのですが、世界中の子どもたちが作るレゴが、むちゃくちゃ個性に溢れており、その作品を見ているだけでも楽しかったのです。
「同じパーツを使って、ここまで違うのか?」
と、世界中から遊びに来た子どもたちの作品を見て感じました。
こうした個性はどうしたら、うまく伸ばせるのか?という点に興味を持ったのですが、臨床心理学者でもあった河合隼雄先生の『子どもと学校』に面白いことが書いてありました。
個性は「教える」と消える!?親が大切にしたい「待つ」姿勢
13,121 View子どもは個性のかたまり。一人として同じ子どもはいませんよね。でも、大人になる過程で、いつの間にか個性が消えて、同じような大人になっている。こんなことを思ったことはありませんか?子どもの個性を伸ばしたいと考える親御さんにこそ、参考になる話です。
「教える」ことで、子どもの個性が「消える」!?
<「教育」ということは、これまではどうしても、教育する側の視点から発言されることが多かったので、何をいかに教えるかに重点がおかれがちで、「育つ」はおろか、「育てる」ことの方さえ、軽視される傾向が強かったのではなかろうか。>
”教”と”育”の二つの漢字で表される教育ですが、親は、子どもに何かを”教える”ということを重視しますよね。逆に、”育つ力を待つ”という発想はないかもしれないと言うのです。
そして、子どもの個性は、「教える」ことで消えてしまう可能性があると言うのです。
また、臨床心理学の現場と教育の共通課題を以下のように捉えています。
<われわれは「教える」ことを焦るよりも、根本的には「育つ」のを待つ方がはるかに効果的であることを知らされたのであった。そして、それは単に効果的であるということをこえて、教育全般に対しても、「育つ」ことの重要性をもっと認識すべきであるという反省につながってきたのである。>
「教える」ことよりも、「育つ」を待つ方が効果的
これは、親の子どもに対するスタンスや、会社の部下に対するスタンスとも似ているなあ、と思ったのです。
現代の教育は「自ら育つ力」を台無しにしている!?
民間の学習塾として絶大な人気を誇る「花まる学習会」。
つい”花まるメソッド”だけに目がいきがちです。
しかし、以前、代表の高濱先生の話を聞いた時に感じたのは、「花まる学習会」の一番の根っこは、「自ら育つ力」を、どう伸ばすか? というところを徹底的に追及しているということです。
”花まる”の教育に子ども達が夢中になるのも、この点をおさえているからだと思います。
一方、親は良かれと思って、子どもの先回りをしたり、時に過保護になったり、一生懸命教え過ぎちゃったりするんですよね…。
”花まる学習会”の高濱さんの著書には、これは、特に優等生タイプのママに多いと書いてありましたが、落ちこぼれのパパ(はい、私です!)でも気持ち的にはそうなります。
親が子の育ちを"待てない"ことで、結果的に子どもの「自ら育つ力」を台無しにしてしまい、個性を失わせてしまうのかもしれないと思いました。
親の我慢が一番大事!?
実は世界を見渡すと、すでに多くの国で、こうした自ら育つ力を伸ばすことに力を入れている気がします。こうしたことを、アメリカやヨーロッパはもちろん、マレーシアやシンガポールなどの学校を周って感じました。
英語、多様性なども大事でしょうが、「個性を活かした、自ら育つ力」を伸ばす教育。
これがあるので、海外の子どもは伸び伸びしており、その個性を活かして世界でも活躍できるのではないか、と感じました。
我が家の長男くんは、なかなか友達と遊べないというシャイボーイなので、親としてはずっとやきもきしていましたが、幼稚園年長さんも後半になり、最近は色々な友達と遊べるようにもなってきた気がします。
子どもにやきもき心配する前に、”育つのを待てる大人”になれていない自分を心配せよ…という感じでしょうか(汗)
うちは、親子で”育ち”には時間がかかるようです。
子どもの個性を育むためには、親が”待つ”ことが大事なんですね。
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