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公開 2015年11月03日  

子どもの声は騒音か?保育園が建てられないケースも…騒音問題を解決するためには

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「子どもの声がうるさい!」と近隣から苦情が出て園庭で子どもを遊ばせることができない、窓を閉め切って保育、建設はされたが開園は断念せざるを得ない保育園があります。騒音問題を解決することはできないのでしょうか?


世の中には犬好き、犬嫌いの人がいます。そして子ども好きの人や子どもが嫌いな人もいます。

子どもが苦手な人にとっては“子どもの奇声”は騒音以外のなにものでもなかったりします。「犬の泣き声がうるさい」と苦情を言うのと同じで、家の近くに保育園、幼稚園があると「子どもの声がうるさい」とクレームを訴える人もいます。

そこで起こった保育園設置問題、今日は『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が語りたいと思います。

騒音へのクレームで、保育園が開園できない!?

少子化問題に歯止めが利かない中、少しでも子育てしやすい国を作ろうと保育園の建設ラッシュです。

でも、折角入れ物である保育施設を作っても「子どもの声がうるさい」という近隣住民の猛反対で開園が延期されたり、部屋を閉め切ったまま、園庭で子どもを遊ばせることができない保育園まで出てきています。

東京都でもめていること

東京都の環境確保条例では工場、建設現場、拡声器、深夜営業に対して騒音の規制があります。

実はこの条例は“何人に対しても適応される”とされています。こうなると“人の声も騒音に含まれる”わけです。こうして建設が中断されたり、まともな保育ができない園が出てきてしまっているのです。

これに対して、「子どもの声を騒音の一つとして制限をかけるのはいかがなものか」「声を出すことに制限をかけると子どもの心身の発達に悪影響を及ぼすのではないか」の反対意見も出て、両者の考えが対立しもめているのです。

そこに住んでいる人の感じ方

子どもが成人し老夫婦で静かに暮らしている人、独身の人、不妊治療中の人、深夜の居酒屋や警備員の仕事をしていて日中は寝ている昼夜逆転の生活をしている人も住んでいます。

子どもが苦手だとわかっている人は、幼稚園、保育園、学校が近くにない場所を選んで住むこともできます。けれども、持ち家で先祖代々そこに住んでいたり、賃貸であっても諸事情があって住居を構えている人にとっては、後から保育園が建設されたからといって、そうそう簡単には引っ越しすることは出来ません。
そこで、毎日、毎日、100人近くの子どもが園庭で声を出し走り、鼓笛隊の練習をする状況が続いたら耐えられなくなる人の気持ちも分かります。

中には自分の子どももかつてその地域の園でお世話になったのにも関わらず、子どもが大きくなっていると「昔、うちの子もお世話になり近隣には協力してもらった」とは思えず、うるさく感じてしまう人もいるようです。

「子どもだから仕方ない」でなく、園や保護者の態度を振り返ってみると・・・

さまざまな状況の人が暮らしている街の中で、公道である道路で送迎時に大声で喋る保護者たち。音楽会や運動会など特別な行事でもないのに園庭で拡声器を使って話す保育士。これでは家にいる近隣住民にとっては辛いものがあります。

子どもの遊び声を規制するには一定の限界もあるかと思いますが、園や保護者が周りの状況を考えて、より節度ある行動に気をつけることも大切でしょう。

色眼鏡で見られてしまう、一部の"マナー違反"な人

街中にいると、こんな親を見かけることも少なくありません。

・ファミレスで子どもが奇声を発して走り回っても知らんぷり
・子どもだけでフリードリンクーコーナーやサラダバーに行かせ、その辺を汚しても注意しない
・他のお客がいるレストラン。「トイレに連れて行くのが面倒だ」とボックス席で平気でオムツ替えをする。

こんな風に「子どもなんだから大目に見てよ、仕方がないでしょ」といった態度で、"マナー違反"をしている親もいます。

こんな光景をみて「最近の若い親は非常識」「今どきの子どもは」と悪いレッテルを貼られてしまうこともあるでしょう。そうなると、声を出してもよい公園や園庭の音さえも許せなくなる人も出てきてしまいます。

「保育園の子どもの声も騒音だから、規制の対象にせよ」といった考えの人は、もしかしたら、レストランでの態度と園庭での遊びの中の声を一緒くたにして「子どもでも人に迷惑をかける行為は躾として教えなくてはならない。近隣住人への配慮を考え園庭で声を出すべきではない」となっているのかもしれません。

けれども「園庭で騒いではいけない」と言うのはおかしな躾のように思います。園庭で走れない、声を出せないのは子どもの健全な心身の発達のために良くない影響を与えかねませんし、「遊んでいるとき、声を出さないで」というのも難しいことでしょう。

騒音問題はデリケート

騒音問題では、お互いの歩み寄りが大切です。条例を決めることも大事ですがそこは人間関係です。ピアノの音、マンションの上の階から聞こえる子どもの足音、人間関係が出来ていないと僅かな音でも気になり神経を逆なでされるものです。

ファミレスでのマナーだけではなく、普段、道で会った時、「おはようございます」と挨拶する、餅つきの時はついた餅を周りのお宅に配るなど、日頃からの関わりによって、子どもが騒いでいても受け取る気持ちは随分と変わってきます。気遣い、思いやりが、問題解決につながるかもしれません。

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