3分で分かる!子どもの「よい行動」を増やす応用行動分析入門
41,682 View子どもが言うことを聞いてくれなくてイライラする!そんな風に感じているパパとママのみなさん。子どもの「よい行動」を増やすための簡単な法則のヒントとなる「応用行動分析」って知ってますか?子育てに簡単に取り入れられる法則を手軽に知りたい方のために3分で分かるようにまとめました。
子どもの「よい行動」を増やすヒントとなる応用行動分析を3分で分かるようにまとめました
今日は、3分で分かる!子どもの「よい行動」を増やす応用行動分析入門と題して10枚のスライドを作成しました。
1.どんな人に読んでほしいか
まず、このスライドを読んでほしい人はこんなあなたです。
当てはまる方は次のスライドにすすみましょう。
2.スライドの概要
そんな方のために、このスライドは以下のような情報を載せております。
つまりこれは子どもが言うことを聞いてくれないけれど、もう子どもを怒りたくない!と感じている人に、「応用行動分析」という考え方を伝えていくスライドになります。
当てはまる、かつ興味があるというあなたは次のスライドに進みましょう。
3.応用行動分析とは何か
こちらのスライドで説明していく応用行動分析による働きかけは、簡単にいうと
落ち着きがない子だ、言うことを聞かない子だ、といった
その子のパーソナリティーに着目するのではなく、
落ち着くためにはどういう環境が必要か、言うことを聞いてくれるためにはどういう環境が必要かといった
周囲の環境を整えることでその子が適切な行動をとれるようにする
ことを第一に考えます。
そして、そんな応用行動分析は子どもの行動を「ABC」という観点にそって捉えます。
これは簡単に言えば、
なんらかの働きかけ(刺激)を受けて、子どもは行動し、その行動によって引き起こされた周囲の反応によってその行動の良しあしを判断している、ということになります。
少し難しいので具体的に見てみましょう。
例えば、あなたのお子さんが「朝の準備ができない」としましょう。
そんなとき、適応行動分析ではABCに基づいて以下のようにそのお子さんの状態をとらえます。
これを見ると、何をやっていいか分からないのに母親に怒られる(先行刺激)→ふてくされる(行動)→すると母親が代わりに準備をやってくれる(後続刺激)という流れが子どもの中でできることが分かりますね。
すると、子どもは「ああ、ふてくされていると母親が準備を代わりにやってくれるんだな」と理解してしまうことになります。
一方、朝の準備ができるときの子どものABCはどのようになっているのでしょうか。
ここでは子どもの中で、やるべきことがリストとして見える形になっている(先行刺激)→準備ができる(行動)→褒められる(後続刺激)というサイクルが出来上がり、結果として怒らずとも子どもが準備ができるようになっていることが分かります。
ここまでくれば、子どものマイナスをプラスに変える簡単な法則が分かっていただけるかと思います。
それは、つまり
よい行動を促すための、A先行刺激とC後続刺激を増やすということになるのです。
4.よい行動を増やす先行刺激のコツ
では、よい行動を増やすための先行刺激とはいったいどんなものなのでしょうか。山本淳一・池田聡子著「できるをのばす行動と学習の支援(日本標準出版)」では、以下のような項目があげられています。
視覚刺激
例えば、大人は「これと、これと、これ、やっておいてね」というように聴覚情報で子どもに語りかけがちです。しかし、大人だっていくつもの指示を一度に言われれば混乱しますし、覚えられないですよね。
そんなときには、分かりやすく目で見えるよう紙などに書きだす「視覚刺激」を利用することがおすすめです。
明確な刺激
大人にとっては当たり前なことでも、子どもにとっては当たり前ではないということはよくあります。例えば、
「ちゃんと準備してよ!」とついつい注意してしまいがちですが、お子さんにしっかりと「ちゃんと」の中身伝わってますか?
「朝ごはんを食べて、歯みがきをして、かばんを持ってきて、靴を履いて準備をしてね」
というように、曖昧な刺激ではなく、明確な刺激を心がけましょう。
ポジティブな刺激
また、よくやってしまいがちなこととして、遊んでいる子どもに対して
「遊んでいないで準備しなさい!」とネガティブに指示を出してしまうことがあります。
でもこうした指示では「遊んでいてはいけない」ということは伝わっても、「代わりに何をすればいいのか」という重要な情報が伝わっていません。
「今の時間はしっかり朝ごはんを食べてね」
と明確でポジティブな刺激を意識しましょう。
5.よい行動を増やす後続刺激のコツ
次に、山本淳一・池田聡子著「できるをのばす行動と学習の支援(日本標準出版)」であげられている良い行動を増やすための後続刺激について見ていきましょう。
言葉でほめる
悪いところを注意するより、できたら褒める、できたら褒めるを繰り返すことで、その行動が自然ととれるようになっていきます。
好きな活動を許可する
また、「準備が終わったらテレビを見てもいいよ」というようにやり終わったあとに好きなことをする時間をつくってあげるのもひとつの方法です。
自己評価が得られる工夫をする
言われたことがしっかりとできたかどうかを自分でチェックするというように、自分で「できた!」という感覚をもてるタイミングを作ってあげることも重要です。学習でいえば、自分で採点をする、というようなことがこれにあたります。
達成感を与える
やり終わったらシールを貼る、というように達成感を可視化するのもひとつの手です。
こうした先行刺激や後続刺激をうまく活用して、怒らずにスムーズに子どもに言うことを聞いてもらうことに成功しているケースはたくさんあります。ぜひ参考にしてみてください。
5.その「良い」「悪い」を考え直してみよう
いかがでしたでしょうか。子どもの良い行動を増やすための適応行動分析の簡単な法則について分かっていただけましたか?
最後に、とても重要なことをお伝えしておきたいと思います。それは…
ということです。
大人は無意識のうちに、「子どもにこうしてほしい」ということを「良い」と判断し、それに反している子どもの行動を「悪い」と判断してしまいがちです。
でももしかすると、それは大人の事情を子どもに押しつけているだけかもしれません。
「こうしてほしい」
そんな気持ちがあるのは分かりますが、一度ゆっくりと「なぜそれをしなければならないのか」ということについて考えてみてほしいと思います。もしかすると今まで「悪い」と思っていた子どもの行動、本当は直す必要がないのかもしれないですよ。
ぜひこの考え方を使って、親も子どもも楽しい子育てのカタチが生まれますように。
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