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公開 2015年11月19日  

発達障害?それとも個性?アスペルガー症候群の息子に「なんだか違う」と決定的に感じた時

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こだわりが強い…もしかして発達障害?それとも個性?と、我が子を心配しているお父さんお母さんへ。私がアスぺルガー症候群の息子に「この子はなんだか違う」と違和感を抱いた、最初の出来事をご紹介します。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272000473

育てにくい赤ちゃんだった息子

現在小学5年生の息子が、我が家に誕生したのは2004年。泣いてばかりで全然寝ない、ちょっとした音にも敏感に反応する、そんな神経質な赤ちゃんでした。

人見知りも強く、私以外の人にちょっとでも抱かれると、全身を振り絞るようにして激しく泣きました。そして一度泣きはじめると、どんなにあやしてもなかなか泣き止みませんでした。うちの子って、いわゆる「育てにくい子」なんだろうなぁ…と思いました。それでもミルクはよく飲みましたし、笑顔もかわいらしい我が家のアイドルでした。

「この子はとても神経質で心配したけど、個性の範囲内なのだろう。」ハイハイ、つかまり立ち、歩きはじめ…と順調に発達し、おしゃべりも上手だったため、私の心配はしだいに薄れていきました。

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こだわり?それともイヤイヤ期?

2歳になると、息子は様々なことにこだわり始めました。

お気に入りのオレンジ色のベストを着せないと大泣き。どこへ行くにも赤ちゃん用のアヒルの枕を持って歩く。大好きな工事現場の前を通るときは、しばらく立ち止まって見学しないと気が済まない、などなど。自分だけでなく、私のストールにまでお気に入りがあり、私にそれをいつも着けるよう強く求めてきました。

そんな息子のこだわりに戸惑う私に、周囲の人は言いました。「2歳児は大変ね。イヤイヤ期が過ぎて3歳になれば楽になるわよ」と。そうか。2歳って、どこの子も大変なんだ…。

私は息子が3歳になる日を、楽しみに待ちました。確かに、息子がこの時点でこだわっていた内容は、私にも理解できるものでした。お気に入りの服や持ち物にこだわる子どもの話は、今までも聞いたことがあります。私の妹にも、小さい時から何年も手放せない、お気に入りの毛布がありました。アンパンマンが好きな子、車が好きな子など、息子のお友達にもいろいろこだわりがありました。

だから、息子のこだわりは「個性」の範囲内なのだと、私は疑っていませんでした。

今までのこだわりと違う…突然感じた違和感

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ところが、3歳の誕生日が近づいたある日、決定的に「この子、違う」と思える出来事が起こりました。

その日私は、息子を自転車の後ろに乗せて、公園に来ていました。2時間以上遊んでも楽しくてなかなか帰ろうとしない息子。私はイライラして、「本当にもう帰るよ!」と怒りながら言いました。すると、息子は私に約束しました。「さいごに、お山にのぼったら帰る。」

公園の中にある大きな芝山にのぼり始めた息子。それを見て、私は考えました。「自転車を移動して、山から下りてきた息子をそこで乗せてしまおう。そしてそのまま帰ろう」山からごきげんで下りてきた息子は、遊具のところにあったはずの自転車が、自分の目の前にあるのを見て叫びました。「違うー!」そして「うわー!!」と泣き出しました。

私は息子が突然泣いたことに驚きました。息子は泣きじゃくりながら「自転車はここじゃない!自転車はここじゃない!」と叫び続けます。どうして自転車を移動させたのがそんなに嫌なのか、私にはまったく理解不可能でした。

もういいや!と息子を抱いて、無理やり自転車に乗せようとしたけれど、あばれまくって乗せられず。私はしぶしぶ自転車を押して、遊具のところに戻りました。すると息子はウソのように泣きやんで、すぐに自転車に乗ったのです。

「本当に、自転車の位置が原因で泣いていたんだ…。」私は愕然としました。腑に落ちない思いがぐるぐる渦巻きました。まるで、息子が自分とは別の生き物のように感じられました。

発達障害でも、個性でも。子どもの将来を豊かにすることはできる!

その後、3歳児健診でこの出来事を相談したところ、息子は検査を受け、「アスぺルガー症候群」と診断されました。

息子があの日、なぜあんなに自転車の位置にこだわったのか、今はわかります。アスぺルガー症候群の人にはイメージ障害があり、予測外のことが起こると、極端に混乱してしまうことがあるのです。息子にとって自転車の位置が変わったことは、パニックに陥るのに十分な、予測不可能な出来事だったのでしょう。

もしあなたのお子さんが、もともと子どもが興味を抱きやすいことだけでなく、いつもどおりの買い物の道順や、いつも見ている通りの料理の手順などにもこだわるようなら、イメージ障害があるためかもしれません。息子は幼児期から支援を受け、今は毎日元気に学校へ通っています。息子の友達は、息子の風変わりなところを個性以上のものとは捉えていないようです。

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障害か個性かは、二者択一の問題ではないと、私は今考えています。支援を受けるほどではないけれど、その個性が生きづらさにつながっていく子どももいます。そんな子には、発達障害の子どもに接する方法と同じやり方が、とても有効なことがあります。特別な療育を受けなくても、親が接し方を少し変えるだけで、その子を安定した生活に導いてあげることができるのです。

発達障害でも個性でも、親が子どもの特性を知り、発達障害の知識を持ち、相談できる専門家を作ることで、子どもの将来を豊かなものにできるという点は同じなのです。

「うちの子のこだわりは個性?いや、もしかして障害なのかな?」迷っているのなら、まず知ることから始めてみましょう。そして、相談してみましょう。あなたのその行動が、我が子にとってマイナスになることは、決してないのですから。

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