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公開 2015年11月26日  

妊娠中、お腹が張ったら安静にしなきゃだめ?助産師が教える2つの判断ポイント

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妊婦さんは、おなかが張ったら安静にしないといけない、そういう思い込みがありませんか?妊娠37週になったら、いつ生まれても大丈夫。むしろおなかが張るのは良いことです。おなかが張っても積極的に動きましょう!


おなかが張る=切迫早産ではありません

妊娠中におなかが張るのは、心配です。張りが強くなったり、痛みや出血を伴ったり、定期的に張ったりするようであれば、切迫早産の可能性もないとは言えません。

しかし、少し動きすぎた時に張りっぽい感じがする、赤ちゃんの胎動が強い時に張りっぽい感じがする、身体が冷えた時に張りっぽい感じがする、これらはすべて、身体からのサインです。

ちょっと無理しすぎていないか、身体を冷やしていないか、赤ちゃんがママの身体を心配しているのです。少し休むことで改善するような張りは、危険サインではなく注意サイン。まずは最近の生活を見直してみてください。

赤ちゃんが産まれるためには、「張り」が必要

普段「張り」と言いますが、「張り」というのは「子宮収縮」のことです。子宮の筋肉が硬くなるのが「張り」です。肘を曲げて力を入れると、腕に力こぶができますよね。力を入れていない時には柔らかいけれど、力を入れると硬くなる。それが子宮で言う「張り」です。

ですから、触ると硬い感じがありますし、前にせり出して感じられることもあります。おなかが張ることによって、子宮の空間が狭くなります。赤ちゃんは外に押し出されようとします。子宮の出口は子宮口しかありませんので、張りが来る度に子宮口に向かって赤ちゃんは押され、その圧で少しずつ子宮口が広がっていくのです。

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前駆陣痛は早い人だと36週頃から感じることも

赤ちゃんが産まれるための子宮の収縮、早い人だと36週頃から感じることもあるでしょう。厳密には36週6日までは早産、37週0日から正期産と言います。ですから、できれば37週に入ってからのお産が望ましいことは言うまでもありません。かといって、36週だから張っても安静に、というほどではないのです。この兼ね合い、難しいですよね。

前駆陣痛と本陣痛の大きな違いは「張りの強さ」「張りの頻度」で考えます。

●「張りの強さ」
少し「あいたたた…」となるくらい、動いていたら立ち止まってしまうけど、会話できるくらいの30秒以内の子宮収縮であれば、強いとは言えません。本格的な陣痛になってくると、会話していても「ちょっと待って」となってきます。

●「張りの頻度」
陣痛というのは、1時間で6回以上の子宮収縮が基本です。10分毎の収縮ですね。それよりも頻度が少なければ前駆陣痛だと考えてください。しかし、前駆陣痛であっても、2~3分毎に感じることもあるんです。助産師であっても、本陣痛と見分けがつきにくいものもあります。その場合には、「定期的に張っているか」がひとつのポイントです。1時間くらい収縮の様子を感じて、2~3分の時もあれば10分以上空くときもある、という場合には前駆陣痛の可能性が高いです。

正期産に入ったら、前駆陣痛も楽しんで!

正期産が近づくにつれて、子宮収縮の頻度が高まってくるでしょう。ママも赤ちゃんも、出産に向けての準備が始まるのです。昼間に動いている時に頻繁に収縮する方もいれば、夜寝ているときに収縮で目覚めて、このまま陣痛になるのかなぁ…眠れないなぁ…朝になっちゃった…弱くなっちゃった、ということを繰り返す方もいらっしゃいます。

どちらも前駆陣痛。長く続くと疲れが溜まってしまう可能性があります。気持ちの上でも、今日こそ陣痛になるのかな?やっぱりならないのか…と少し落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

赤ちゃんにとっては、産まれるってとっても勇気のいること。準備に時間がかかってしまう子もいるでしょう。ママ自身が「あなたのタイミングまで待ってるから、いつでもいいよ~」と心の余裕を持って前駆陣痛の収縮も、ひとつひとつ乗り越えていってくださいね。

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