今日は、以前私が指導をしていた生徒さんに関するエピソードをご紹介します。
好奇心が旺盛で、何でも積極的に取り組める〇〇くん。
小学校準備として、文字の練習をご家庭で始められてから、
各段に読める文字が増えており、お母さまも安心しているご様子でした。
そこで、「〇〇くん、もうすぐ小学校だね!」と声をかけたところ
「うん、でもね、せんせい、
ぼくはずっと幼稚園のままがいい。いきたくないな、小学校。
ママのいうことぜんぜん出来ないんだもん。
小学生はみんなできるんだって…」
と一言。
確実に成長しているはずなのに
お子さま本人は「自分はできないんだ」と感じていた、
出来ることが増えても「自己肯定感」が下がっていたのです。
読める文字も、書ける数字も増えていたのに…。
なぜでしょう?
その小学校準備、子どもの自己肯定感をさげているかも?年長さんの親が知っておきたいこと
4,300 View小学校準備って一体…平仮名?数字?生活リズム?今日は、幼児教室であるエピソードをご紹介しながら小学校準備における大切な心構えをみなさんにお届けしたいと思います。
小学校入学前、できることは増えていたのに…
小学校準備の目的は?
そもそも、小学校準備を始めようと決めた時の、目的や親御さまの「願い」は何でしょうか。
・安心してスタートできるよう、いまからできる準備をしてあげたい
・小学校で楽しく過ごせるよう、基本的なルールに慣れる機会を作ってあげたい
・勉強が始まって辛くないように、今のうちに出来ることを増やしてあげたい
この願いも、小学校準備をする事そのものも、全く悪いことではありません。
ですが、このお子さまの場合、
本来の願いにあったはずの、「安心感」も「楽しみ!」という気持ちも、お子さまから消えてしまう結果になっていました。
一体どうすればよいのでしょうか?
小学校準備で本当に大切な事とは
私たち大人がついつい忘れがちなこと。それは
小学校準備とはそもそも、背伸びをしている内容だということです。
幼稚園の年長も終わらないうちに小学校の5月6月に取り組む文字や数を始め、
1年生の1年間をかけて身につける集団ルールを年長の半ばで取り組み始めているのです。
焦らなくても大丈夫ですし、いま全部ができていなくて当たり前です。
一方で、自己肯定感とは長い目で見た時にとても重要な要素で
・新しいものにチャレンジする気持ち
・何度も取り組める粘り強さ
・将来自分らしい選択をできること
と、色々な場面で関わってくると言われています。
小学校という大きなチャレンジに向けて今一番大事にするべきは
「これからも挑戦できる!」という、自己肯定感の芽を摘まないことではないでしょうか。
自己肯定感を育むことを念頭において
小学校準備の目的。
それは、完璧を目指したり、出来ないことを減らすことよりも、
仕度の練習や文字に触れることを通して
「できた!ぼくはできる!」という瞬間を大切に、自己肯定感を積み上げていくこと
と念頭に置きながら
「眠くても今日もがんばれたね!お母さん嬉しいよ!」
「今日も一生懸命できたね!文字も1つ覚えたし、すごいね!」
と、今この瞬間の小さな一歩を大事に、進んでいけると良いのかなと思っています。
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