NICUには様々な状況で赤ちゃんは入院します。
その中で、ママと赤ちゃんが近くにいないことや、まだ小さくて呼吸と嚥下(飲み込み)が上手にできなかったり、呼吸が苦しかったり、具合が良くなかったりすると、おっぱいを吸って飲むということができません。
小さく生まれた赤ちゃんや、外の環境にまだ慣れていない赤ちゃんは、消化器官の発達が未熟だったり消化する力が弱かったりするため、始めのうちは主に点滴で成長に必要な栄養を与えます。
その後、週数や赤ちゃんの状態によりますが、医師の許可が出次第、鼻から口まで「胃管」と呼ばれる管を通して母乳を与えます。
母乳は最も消化に優れているだけでなく、免疫成分や良質なタンパク質が含まれています。さらに消化器官を使うことは大切であるため、直接お口で飲めないあかちゃんの体にとっても母乳は大切なのです。
NICUの赤ちゃんから「いつも大切に想ってくれてありがとう」~搾乳を頑張っているママたちへ~
28,217 ViewNICUで赤ちゃんとママの様子を見ていると、赤ちゃんからママにたくさんのメッセージを送っているのがわかります。NICUのスタッフは、まだ言葉を話せない赤ちゃんたちの代わりに、そのメッセージをママへ伝えます。今回はNICUの赤ちゃんママがいつもしてくれている搾乳のお話です。
NICUで搾乳をママにお願いする理由とは?!
一生懸命搾乳してくれているママの気持ち
ママにも、「母乳が赤ちゃんにとって大切」という説明をするので、ママたちはなんとか母乳を出そうと頑張ってくれます。
でも、赤ちゃんと離ればなれになってしまったことのショックや、母乳の分泌を促してくれるあかちゃんの姿や声を見たり聞いたりすることができないことが原因で、母乳が出にくくなることが多々あります。
また、帝王切開の場合だと母乳の分泌までに3~5日かかることがほとんどです。
「赤ちゃんに、何かしてあげたい」という一心でアザができるまで頑張って搾乳してくれているママも少なくありません。
(もちろん、あざができるほど強く刺激するのは、逆におっぱいを痛めてしまうので、効果的に搾乳する方法を、助産師さんやNICUのスタッフに聞いてくださいね。)
ママの体調が第一だから、自分が回復することを考えるのも大切だよと伝えますが、
「赤ちゃんがいれば、ママはみんなおっぱいあげるのだから、こんなの当たり前です。」
「赤ちゃんがおうちにいない分、他のママより休めていると思うので・・・。」
「私にはこれしかできないから・・・。」
とおっしゃるママがたくさんいらっしゃいます。
でも、私は、そんなこと全然ないと思っています。
面会をするために病院にだけでも大変なのに、赤ちゃんがそばにいない中、ひとりでおっぱいを絞ることが、どんなに切なく寂しいと感じるか、私には想像もつきません。
「夜中に搾乳していると、涙出てきちゃうんです。あかちゃんどうしてるかな、大丈夫かな、会いたいなあ、ごめんねって。」
毎日、こういった感情を抱きながら、赤ちゃんと離れているだけで、身を切られる思いをしていることでしょう。だからこそ、搾乳してくれた母乳の1滴1滴にママの愛が詰まっていると思っています。
搾乳した母乳を受け取る時は、必ず赤ちゃんの代わりに「ママ、ありがとうございます。」と声をかけます。そして「頑張りましたね」の言葉も添えるようにしています。
その言葉に「私たちスタッフは、病院にいない時のママの努力もわかっていますよ」という気持ちを込めています。
そして赤ちゃんに与える時は、「ママのおっぱいだよ、ママ頑張ってくれたんだよ。うれしいね、おいしいね。」と声をかけます。
赤ちゃんは、匂いで反応し、そして身体でも反応しています。
もちろん、母乳だけではありません。
ここまで母乳のお話をしてきましたが、なかなか母乳が出にくかったり、体調の都合などであげたくても母乳があげられなかったりするママもいます。もちろん、正期産で出産された方にも、同じようにお悩みの方はたくさんいます。
「全然母乳出ないんです。わたし、ママ失格ですよね。旦那さんにも、なんで?とか言われちゃって…。」
「母乳があげられないからといって、ママ失格」なのか…決して、そんなことはありません。
ママたちは「何もしてあげられない」と悲嘆されますが、ママの存在こそが一番大切なのです。
ママがいてくれる。離れた場所にいても、思ってくれている。そして優しい気持ちで触れたり抱いたりしてくれる。これが一番大切なことであり、赤ちゃんたちはちゃーーーーーんと、分かっています。
「ママ、いつも大切に想ってくれてありがとう」
今日は、NICUの赤ちゃんからママへのありがとうの一つをお伝えしました。
NICUに入院しているあかちゃんもママも頑張っています。とても容易ではないことを毎日されていると思います。パパもママへ感謝と労いの言葉を伝えていただけたらと思います。
ママがすこしでも気持ちが和らぐよう、周囲の人にはあたたかく見守っていただけるといいなと思います。
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