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公開 2015年12月08日  

「パパがサンタさんなの?」キワどい質問をされたらどうする?

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もうすぐクリスマス。サンタクロースになるパパやママも多いのではないでしょうか。しかし子どもが成長すると共に、サンタクロースには正体がバレてしまう危機が訪れます。そんな時、どうやって乗り越えますか。娘が0歳の時に何げなく始めたこの行事がこんなに大変なミッションになるとは。我が家の10年にわたるサンタクロース問題と、そこから見えてきた着地点をお伝えします。


皆さんの家に、サンタクロースは来ますか?

我が家にはサンタクロースがやってきます。もちろん正体は母親であるこのわたしです。
とは言っても、わざわざ赤い服を着たりヒゲを生やしたりはしません。娘が寝ている間にこっそり枕元にプレゼントを置いておく。それだけのことです。

そんな簡単なお仕事ですから、始めるのはとても簡単なことでした。
つかまり立ちを始めたばかりの0歳の娘の枕元に、ファーストシューズを置いたのです。

あの時は、まさか10年後にこんな大変なミッションになっているとは夢にも思いませんでした。

何がそんなに大変なミッションなのかというと、
サンタクロースの正体が親だとバレてはいけないこと。
これに尽きます。

皆さんは、子どもに「サンタクロースはパパなの?(ママなの?)」
と聞かれたら、何と答えますか?

そんな時、正直に答えるか、嘘をつくか。
よかれと思って始めたことですが、嘘をつくと罪悪感が生まれます。
子どもはどんどん賢くなりますから、バレないようにするためには、それなりの努力も伴います。でも、正直に話すと子どもの夢を壊してしまうかも知れません。

それでは子どもの成長と共にどんな危機が訪れるか。
我が家で起きたサンタクロース問題の数々を紹介しますね。

1)サンタクロースに手紙やお菓子を用意するようになる。

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子どもは3~4歳になると、おままごとをしたり、弟妹をかわいがったり、人とのコミュニケーションを覚え、人にやさしくできるようになってきます。
そしてそのやさしさは当然、サンタクロースにも向いていきます。サンタさんは寒いだろうな。プレゼントを持ってきてくれてありがとう。子どもは寒い夜にみんなの家を回っているサンタさんを労おうと、お手紙を書いたり、温かい飲み物やお菓子を差し入れようとするのです。

もちろんそんな姿を見て、とてもかわいいと思いましたし、思わず写真に撮ってSNSに投稿したりもしました。でも夜になって子どもが眠ると、ふと困るのです。

この手紙は回収した方がいいのかな?返事は書くべきなのかな?
このお菓子は食べた方がいいのかな?残しておくべきなのかな?

食べても残しても罪悪感を覚えるような、正解のない難問です。

ちなみにわたしは、手紙だけ回収して、お菓子には手をつけませんでした。
一応、「サンタさんは忙しいから食べる暇はないんだね。でもお手紙はもらってくれてよかった」という解釈です。

手紙がなくなっていたことで、娘はサンタさんの存在をより強固に信じることとなりました。

2)娘がパソコンを見ている時に、WEB広告でサンタからのプレゼントが出る。

最近のインターネットは賢くて、1度調べたものをピンポイントで広告に出してきます。
これは割と盲点だと思うので、皆さんに気をつけていただきたいところです。

娘がわたしのパソコンで動画を見ていた時、サンタクロースにもらったはずのプレゼントが広告として現れたのです。
「あれ?サンタさんがくれたものをママも調べたの?」

冷や汗ものです。その場は何とか苦しい言い訳で逃げましたが、娘の心には疑いの火が灯ったことでしょう。

これはクリスマス前でも後でも厳しいです。

広告が出ないように何とかできないものか、履歴を消したりサービス元のサイトで設定を変えたり、いろいろと手を尽くしてみましたが、減ることはあっても完全に無くすことはできませんでした。

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3)テレビドラマで父親がサンタに扮する場面が出てくる。

子ども番組だけを見ているうちはいいのです。子ども番組は子どもの夢を守ってくれます。でも、小学生くらいになると、だんだん子どもも一緒にドラマやバラエティを見る機会が増えてきます。そうすると季節も関係なく、突然サンタクロースに扮する父親が出てくることがあるのです。

最近ですと、国民的大ヒットだった「あまちゃん」でも、月9ドラマ「デート」でもありました。作り手側からしたら、サンタクロースのネタは子どもも一緒に楽しめてほっこり心温まるエピソードに思えるのかも知れません。けれど、こちらからしたら死活問題です。

いきなりのネタばらしですよ。クリスマスでも何でもない時期に心構えもないのに突然すぎます。

「え?どういうこと?」って、子どもたちは固まりますし、親だって固まります。どうにか何事もなく次の場面に行って流れてくれないかなあ、見なかったことにできないかなあって思いますけれど、それはそれで気まずいです。うちの場合は濃厚なラブシーンよりずっとずっと気まずい空気になります。

4)園や学校で友だちから噂を聞いてくる。

うちの場合はひとりっ子ですが、園や学校には当然、お兄ちゃんお姉ちゃんがいる子もいます。それにご家庭の事情や方針で、最初からサンタクロースが来ない家ももちろんあります。そうすると割と低年齢のうちから「本当はサンタクロースなんていないんだよ」とか「サンタクロースはお父さんなんだよ。知らないの?」みたいな情報が入ってきます。

子どもによって反応にも個性がありますが、うちの場合は何日か胸の奥に留めておいて、ある時、意を決して尋ねるタイプのようです。
すぐ聞く子もいれば、聞けない子もいるでしょう。親の言うことと友だちの言うことが違う時、白黒つけるのか。グレーのまま過ごすのか。

これはサンタにしてみればミッション崩壊の危機です。
「サンタクロースはパパ(ママ)なの?」という根源的な質問に直結します。

我が家では「違うよ」の一言で断固として乗り切りましたが、だいぶ無理があったかも知れません。どう答えて乗り切るかは、その子の年齢や個性、場面によって様々でしょう。

救いは子どもの成長にある。

でもこのサンタクロースの危機。
大きく見れば、子どもの心が育つチャンスです。

「嬉しい」「楽しい」というシンプルな感情で生きていた子どもが、だんだん「葛藤する」「疑う」などの複雑な感情を獲得していく時期なのですよね。

サンタ問題の救いは、やはり子どもの成長にあると思うのです。

子どもたちにはだんだん「察する」という能力が身についてきます。
察することができるとどうなるか。
疑いを持っても、事実を知っても、その奥にある思いやりを同時に察することができる。
言わない方が良いことを判断できるようになる。

そしてそこには真実がある。

サンタクロースは、赤い服に白いヒゲのおじいさんではなく、
とっても身近にいる人だったということ。

親は、サンタクロースのふりをしていたのではなく、
親こそが、あなただけのサンタクロースだったということ。

察することができるからこそ、
真実を受け入れ、クリスマスの夢は守られる。
これこそが大人への成長ですよね。

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「サンタクロースはパパなの?(ママなの?)」という難問の解決法は、いかに「疑う」時期を乗り越え、「察する」時期を迎えるかにかかっています。

小学4年生の娘がいる我が家では、まさに過渡期です。
実は2年前、最も怪しんでいた年に奇跡が起きてしまって。「サンタにしか言わない」と娘が決して誰にも教えなかったはずのものが、一か八かで置いたプレゼントで大正解。枕元に届いてしまったのです。この時は我ながらびっくりしました。母親の起こした奇跡です。おかげで娘は、やっぱりサンタはいる!と信じて今に至ります。

ただ、「察する」能力が身についてきた気配もあります。
だって、去年まではあんなに何度も聞かれた質問「サンタクロースはママなの?」を、今年はまだ1度も聞いていないのです。もしかすると全てを承知で、母親が決してそれを口にしないことも理解して、むしろそれを口にすることでプレゼントが減ってしまうことを恐れるくらいに成長してしまったのかも知れません。

それはそれでホッとするような、寂しいような。

サンタクロースはいるのです。

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お子さんが小さい時、何気無く始めてしまった「枕元にプレゼントを置く」という行事。
「サンタさんが持ってきてくれたよ」という一言から、数年間は秘密を守るミッションが発生し、それを守るための危機が何度も訪れることでしょう。

でもそれは、サンタクロースがいないのに嘘をついているのではなく、
わたしたちは、あの日からサンタクロースとなったのです。

守るべき秘密は、サンタがいないことではなく、サンタが自分だということ。

今年も幾多の危機を乗り越えて、子どもが成長し、察してくれるその時まで、どうか任務を遂行できますように。
皆さんの成功を祈ります。

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