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公開 2015年11月30日  

子育ては「学ぶ」時代!?ペアレント・トレーニング講座とは

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最近、多くの場所で「ペアレント・トレーニング」という言葉を聞くようになってきました。子育てやしつけのしかたが分からないという親向けに、核となるひとつの考え方を提示しながら、自分なりの子育ての方法について考えるプログラムをペアレント・トレーニングと呼ぶそうです。今日はそんなペアレント・トレーニングの中からいくつかを紹介したいと思います。


ペアレント・トレーニングとは?

何であっても初めてのことをするときには、誰かに教えてもらわないとうまくできないのは当たり前。

でも、子育てやしつけだけは別物です。
それぞれの親子・家族の数だけ形があり、これが「正しい」という明確な子育て・しつけの形は存在していません。

でも、だからこそどうやって子育て・しつけをしたらよいかが分からず、悩んでしまう親御さんも多いと思います。

また、単にしつけの仕方が分からないという方から、子どもを叩いてしまう・傷つける言葉をかけてしまうがどうしたらよいか分からない、というように親御さんによってその悩みの種類や度合いは多岐にわたると思います。

そんな様々な悩みを抱える人たちのために、最近多くの場所で行われるようになってきているのが、ペアレント・トレーニングです。

ペアレント・トレーニングとは、核となる考え方を提示しながら、それをもとに自分なりの子育ての方法について考えるプログラムのことを指します。

最近は様々なプログラムがありますが、今日はその中のいくつかのペアレントトレーニングを、その内容やどういった人を対象にしているのかということが分かるようにご紹介したいと思います。

コモンセンス・ペアレンティング

まず、最初にご紹介するのがコモンセンス・ペアレンティングトレーニングです。

アメリカのボーイズタウンが作りだしたこのプログラムは、子育てには「愛情」だけでなく「スキル」の両方が必要であるという考え方のもと、親に必要な育児スキルのトレーニングを行っています。

私も一度講座を受けたことがありますが、

・効果的な褒め方
・問題行動を行ってしまう子どもにどのように接する?

といった内容を、実際の事例に基づいて参加者同士がロールプレイングを行いながら学んでいきます。

ロールプレイングを行った後は、実際に家庭で実践を行いその様子を再度グループでシェアします。これによって、ただ「子育ての方法を教わる」だけでなく、学んだことをどのように自分の子育てに取り込んでいくのかを参加者一人ひとりが考え直すことができます。

6歳までの児童を対象にした「ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®幼児版」と、6歳~の「ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング® (CSP)」の2つがあります。

ノーバディーズ・パーフェクト

「完璧な親などいない」という日本語名をもつこちらのプログラムは、カナダで生まれたプログラムで、0歳から5歳までの子どもを持つ親を対象にしたプログラムです。

参加者がそれぞれに抱えている悩みや関心のあることをグループで出し合って話し合いながら、必要に応じてテキストを参照して、自分にあった子育ての仕方を学ぶものです。

このプログラムの特徴は、プログラムのタイトルにもなっているように、

子育ての正しい方法を親に教えるというものではないということです。そのため、親が自分の長所に気づき、健康で幸福な子どもを育てるための前向きな方法を見出せるよう手助けすることに主眼がおかれています。

つまり、具体的なしつけの方法を教えるということよりも、「参加者が自分自身の価値観と向き合い、子育てをはじめ生活の様々な局面にそれがどのように影響しているのかを知る機会」を得ることができるという点がこのプログラムの特徴といえるでしょう。

MY TREEペアレンツ・プログラム

コモンセンス・ペアレンティングや、ノーバディーズ・パーフェクトといったプログラムに比べ、「子どもを虐待してしまう親、頻繁に体罰を加えてしまう」というように深刻な状態にある親向けのプログラムとして、MY TREEペアレンツ・プログラムがあります。

カリフォルニア大学主任研究員をつとめ、児童・女性への暴力防止専門職の養成に携わってきた森田ゆりさんが、2001年に開発し、児童相談所、児童養護施設、NPO団体等で実践されているプログラムです。

このプログラムの特徴は、

「子どもを虐待する親への回復支援プログラム」であるということです

そのために単に「虐待ではない適切な養育方法」を身につけるトレーニングにとどまらず、親自身の経験を紐解きその人自身が「親である前に一人の人間として尊重される体験を得ること」が重要視されています。

グループでの活動となっているので、子どもを殴ってしまう、子どもに対する自分の感情をコントロールできないという方にとっては同じような状況にある親のみなさんと情報交換をする場にもなっています。

ポジティブ・ディシプリン

ポジティブ・ディシプリンとは、セーブ・ザ・チルドレンが、カナダ・マニトバ大学家族社会学科ジョン・デュラント教授(臨床心理学博士)とともに考案した、しつけ・子育ての効果的な手法です。

このプログラムの面白いと感じる点は、子育ての「長期的なゴール」を決めるという点です。そのゴール設定から逆算して日々の生活で子どもへの接し方を考えていくということです。

これによって、子どもにどう育ってほしいのかという自分の子育て観をクリアにしながら、それに沿った関わりをしていくので、自分にとっても納得感がある子育てができるというメリットがあります。

また、ポジティブディシプリンでは、子どもの発達状況なども一緒に学ぶことができ、「子どもの主体性をはぐくむ」ということも重要視されています。

子どもに自分で意思決定をしていくことができる力をつけてもらいたいと考えている方にとっては、おすすめのプログラムになると思います。

どのペアレント・トレーニングも完璧ではない

どのペアレントトレーニングも完璧ではありません。大切なのは、「子育ての一つの方法を学ぶ」という視点からプログラムを捉え、これが絶対であると捉えすぎないということだと思います。

しかし自分と子どもにあったカタチを見つけるためには、様々な子育て・しつけのしかたを学ぶことも重要です。

ぜひ自分にあったペアレント・トレーニングを探して受講してみてください。

全国様々な場所で開催されているため、記事の中に具体的な場所を記載することができませんでしたが、上記の団体HPに書いてある連絡先に問い合わせをすることで、お近くで開催されているトレーニングに参加できると思います。

悩んでいるときに「1つの子育ての方法」として参考にしたり、
苦しい時ににほかの人と情報交換をしながら話しをすることができるペアレント・トレーニング、ぜひ興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか。

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