私が初めて、民間の病児保育を利用したのは、雑誌のインタビューの日でした。
その日は独立後、初めての大手雑誌のインタビューがあり、同時に写真撮影も予定されていました。普段の仕事においては「私じゃないといけないこと」は、ほぼないと思っているのですが、このときのインタビューは、またとないチャンスだと思い「私がインタビューを受けなきゃ!」と思っていました。
もちろん、息子の生死に関わるような病気やケガであれば、話は別です。このときは、一見、普通の発熱。すでに4歳になっていた息子は、普段めったに熱を出すこともなく、その日も予兆はありませんでした。
どうしてものときの救世主!民間病児保育を使ってみた
5,072 View大きな仕事、大事な会議、立てないほどの体調不良。たとえ子どもが産まれて親になったとしても、人生において「大切な局面」はやってきます。そんな時の強い味方になるのが、病児保育。今日はその病児保育について、我が家の利用していた方法をご紹介します。
今日は絶対穴を開けられない!
朝に発熱が発覚、夕方から保育
息子の発熱が発覚したのは、早朝。当時、夫は単身赴任で海外にいたため、一緒にいてもらうことはできません。
通常は区の病児保育を予約するのですが、当日は厳しく、また仮に取れたとしても、18時まで。その日の撮影は16時からだったので、お迎えが間に合いません。そこで、土日や祝日でも、当日予約でもOKという、民間の病児保育H社を利用しました。
その会社自体は、以前からネット上で「東京 病児保育 祝日 休日」といったキーワードで検索をして見つけていました。朝6時半くらいに、始業時間になるのを待って電話をかけました。
当日予約にもかかわらず、お昼すぎにシッターさん到着
その会社さんのサービスは、当日予約、休日夜間対応を謳うだけあって、すばらしいものでした。あっという間にシッターさんを手配し、お昼すぎには我が家にシッターさんが到着。玄関に現れたのは、とても品の良い素敵なお母さん、という感じのシッターさんでした。
実は、シッターさんが到着した頃には、息子の発熱は治まっていました。その会社は、通常のシッティングも行っており、病児のほうが少し割増料金があるので、来られたシッターさんは、「病児対応で本当にいいんですか?」とおっしゃるくらいに、息子は元気になっていました。
引き継ぎをして、私は安心して家を出ることが出来ました。
新しい出会いを楽しむ息子
撮影とインタビューを終えて帰宅すると、息子は楽しそうにシッターさんと遊んでいました。そしてなんと、4歳にして足し算を覚えていました!シッターさんが、遊びのやり取りの中でさり気なく教えてくれたようでした。
シッターさんのお名前を呼んで、「○○ちゃんまた会おうね」とニコニコ手を振って別れた息子。留守宅での初めてのシッティングでしたが、本当に良くしていただきました。
私自身は、いくら仕事とはいえ、撮影だからということでミーハーな気持ちもあったので、子どもの病気に寄り添えなかった自分を、ちょっとせめて帰宅したのですが、当の息子は、本気で新しい出会いを楽しんでいました。
民間病児保育で3つのセーフティネット
実は、私は独立前、育休後に会社に復職する時から、3つのセーフティネットを敷いていました。
1.区の病児保育
1つ目は、区の病児保育です。私がかつて住んでいた区は、病児保育がとても進んでいました。自宅から自転車で行ける距離に、一日6人の病児を受け入れてくれる施設が2つありました。総合病院に併設の施設は、給食付き。個人クリニックの施設は、朝早くからの診察受け入れで、会社に遅刻せず出社出来ました。
もちろん、病気になった当日では予約が取れなかったり、翌日の予約も受付開始からすぐに予約が埋まってしまったり。でもそのデメリットを踏まえても余りある安さは魅力的でした。今でも息子は「熱が出たら、あの2階のとこ行く(病児保育の施設)」といいます。
2.訪問型の病児保育
2つ目は、自宅に来てくださる訪問型の病児保育。テレビドラマのモデルにもなった、老舗のNPO団体Fさんです。こちらは、毎月の会費を払う代わりに、初回は無料。シッターさんもとても丁寧で手厚いと評判です。さらに、前日までの予約であれば、100%利用できるというシステムに安心感があり、息子が1歳になってすぐに契約をしました。
ただ契約後、団体Fさんは1度も利用しませんでした。というのも、前述した区の病児保育があったことや、夫との交代勤務で乗り切れてしまったこと、また、息子が3歳半で私が起業したので、よほどのことがなければ子どもを看病出来ないという状況が無かったからです。とはいえ、団体Fさんはとても評判が良いので、1回くらい使ってみたらよかったな、と今は思っています。
3.民間病児保育H社
そして3つ目が、この民間病児保育H社。夜間、休日、そして当日の依頼でもOKという働くお母さんの強い味方です。もちろん、お値段は上記2社よりは多少張りましたが、お母さんにだって「どうしても無理」という日はあるもの。働くお母さんだけでなく、専業主婦の方でも、体調等によって利用できるのが、民間病児保育のメリットでもあります。
もちろん、パートナーであるパパや、おじいちゃん、おばあちゃんが頼れるときは、それでいいと思います。ただ、我が家のように夫が単身赴任中だったり、祖父母は遠方にいたりする場合もあるので、そういう方にとっては、病児保育がとっても頼りになると思います。
病児保育は事前登録がオススメ!
病児保育は、基本的に事前登録をすることをオススメします。区など、公共の施設では登録から申請、利用許可が出るまで、数週間かかることも。民間の事業者でも、たくさんの書類や子どもの写真などを登録しないといけないところもあります。
あと、意外と面倒なのは、最寄り駅から自宅までの地図を書くことです。これを急な発熱時、嘔吐時に書くというのは、至難の業だと思います。登録だけでしたら、無料、もしくはビジターとしての登録を受け付けてくれるところもありますから、まずは自宅から行ける、自宅に来てもらえる病児保育を平常時からリサーチしておくことが大切です。
我が家の病児保育の利用指針
病児保育は、子育ての永遠のテーマでもあると思います。熱の時に不安になって、「お仕事行かないで」という子どもが多いのも事実。病児保育を利用するのかしないのか、利用するのであればどのようなときか。この辺りは各御家庭の判断、基準かなと思います。
参考になるかどうかはわかりませんが、我が家の4つの指針をご紹介します。
●仕事のスケジュール上、どうしても休めないという日は、あらかじめ夫婦で共有。お互いダメな場合は親戚にもヘルプを依頼しておく
●突発的な病気やケガの発生初日は基本夫婦どちらかが対応、2日目からは基本病児保育に依頼
●子どもが、また行きたい、また会いたい、と言うような施設やシッターさんに依頼する
●入院、生死に関わる、といった重篤な場合は改めて考える
子どもが病気のときに、一緒にいてあげられないなんてかわいそうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、かわいそうかどうかは、子ども本人が決めることなのかな、と思っています。少なくとも我が家の息子は、保育園と同じくらい、病児保育のサポートシステムが好きでした。
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