私には年子の姉が1人います。私は昔、姉に何か言われると「本当は私はこう思っているのに」と思いながらも、姉の意見に従っていました。悔しいと思いながらも、姉に従うのがその場をうまくやり過ごせる方法だと知っていたので、いつも黙って姉の言うことを聞いていたのです。
その結果、私は「自分が本当は何を求めているのか」分からなくなってしまいました。私のように、自分が本当に感じている気持ちや物事が分からない人は多いです。これを子育てに例えてみると、このような感じです。
一般的な「賢くてかっこよくて、素敵なお母さん」になろうとすると、○○をしなければならない、△をやめましょうなどと言われます。その中に本当はしたくないこともあるのに、情報を鵜呑みにして周りに言われるままやろうとします。しかし、思った通りにはいかなくて、結果として自分を責めてしまったり、相手を責めてしまったりしてしまいます。
この状況は、本当に自分がやりたい子育てなのでしょうか?答えはNoだと思うのです。
では、本当に自分が望んでいることとは何でしょうか?
「自分らしい子育て」って、結局どういうこと?
5,508 View最近よく聞く「自分を大切にする子育て」というフレーズ。しかし、自分を大切にすると言われても、ピンと来ない人も多いと思います。実際に「自分を大切にする」とはどういうことなのか、「自分らしい子育て」とは何なのか?カウンセラーである私の観点からまとめてみました。
「自分が本当に望んでいること」は何か
「一般的に良い行動」ではなく、「本当は◯◯と思っている」という自分の声を聞いてあげて
例えば、「テレビを見せない子育て」というものがあります。
子供は次に挙げるようなことをしていないそうです.
・運動技能の練習
・目と手の協調の練習
・質問すること
・探索すること
・自発性を発揮すること
・挑戦されること
・問題を解決すること
・分析的に考えること
・想像力を使うこと
・コミュニケーションの練習
・創造的・建設的であること
テレビを見ている子供は身体を動かしません.そして,テレビの画面から与えられる感覚的刺激の質は貧しいものです
子供は本来体験できる以上の喜怒哀楽に心を掻き乱されています.子供が刺激の強い虚像に翻弄されて,泣ける間はまだしも,やがてそれに慣れきってしまうのは恐ろしいことです
これは、テレビを見せることで子どもの心や運動能力などに影響が出てしまうという内容です。それを避けるために、テレビを子どもに見せないようにするという子育て方法です。
これを聞いて、多くのパパママが「よし、テレビを見せないぞ!」と頑張ろうとしたことでしょう。しかし、今のパパママはテレビが家にある生活が当たり前です。テレビがない生活だと、とても苦しい気持ちになってしまう人も少なからずいたことでしょう。子どもが2歳頃になったら、教育番組だけ…などと言いながら、子どもがギャン泣きするため、ずるずると見せるようになってしまった…という家庭も少なくないと思います。
心の中では「これくらいいいんじゃないかな」などと思ってはいませんか?テレビの便利さを知っているがために、なかなかやめることなんてできないよな~と、心の奥底では思っているのではありませんか?
そんな中、もし「うちはこれだけは見せるようにする」と決めることができたら、どんなに良いでしょう。しかしそれができないというのは、一般的に良いとされている子育て方法と、自分が本当に感じていることが食い違っている証拠です。本当に子どものためを思って、無理してでもやろうと思っているパパママはそれでも良いのですが、やはり少し苦しいのではないでしょうか。
また、パパママの苦しさを子どもは敏感に感じとります。情緒不安定になったり、パパママの代わりに体調を崩してしまったり、パパママの抑えている気持ちを代わりに発散しようとして、暴力的になったりする場合もあるんですよ。もしパパママが「自分たちが本当にやりたいようにできていない」ことで子どもに影響が出ているとしたら、それこそ本末転倒ですよね。
だからこそ、自分が本当に感じている気持ち、例で言えば「これくらいいいんじゃないの?」と思っているその気持ちをきちんと見つめ直し、実際にその行動を自分のためにしてあげることが大事です。
子育てでは「やらない」を選べることが重要
ここで大事なのは、「できない」と悩むのではなく、「やらない」という選択をするということです。
「できない」という言葉は、「本当はやりたいけど」という考えのもとに成り立っています。ここで「できない」と言ってしまうと、結局「やりたいのに」という気持ちがあるために、心の奥底での苦しい感じは変わりません。「本当はやりたいんだけどさ、家が◯◯だからできないんだよね」なんて言い訳をしている人は、何かと理由をつけることで、自分の本当の気持ちややりたいことを見ないようにしているのかもしれません。
一方、「やらない」という行動を選ぶ場合には、次の選択をすることができるようになります。「◯◯しないから△△をする」という具合ですね。だからこそ、「できない」ではなく「やらない」を選択をすると、「自分で」決めてもらいたいのです。
私の場合、夜間の授乳をやめることを、我が子の10ヶ月検診ですすめられました。夜間に何度も授乳していると、昼間の生活に影響が出てくることもあったからです。しかし私の中では、昼間の授乳と夜間の授乳、どちらもやめたくなかったのです。子どものためにというより、自分自身がまだおっぱいをやめたくなかった。あげていたかった。寂しい。と思っていたからです。
だからこそ、ここできっぱりと「断乳できないんです」ではなく、「断乳しません」とはっきりと自分に言い切りました。自分がやりたいという気持ちを優先したかったからです。
ルールに踊らされないで!大事なのは最終的にどんな結果を望むのかということ
では、あなたにとって「自分がやりたい子育て」とは、本当はどんなものなのでしょうか?
・いつもにこにこしている子育て
・子どもへの言葉がけがしっかりできる子育て
・怒らない子育て
・子どもをしっかりした人に育てる
・優しい人に育てる
人によって様々あると思います。
その理想の子育てをするために、◯◯しなさいとか、△△はしてはだめというルールのようなものがあるのです。しかし、そのルールのようなものに縛られて、結局は自分が本当にやりたい子育てに辿りつけないパパママが、とても多いのです。
テレビを見せない子育ての例の通り、自分を苦しめてしまった結果子どもにもあたって…では意味がない、ということがよく分かると思います。結局、最終的には「子どもが幸せな将来を歩んでほしい」という願いを持つ人が、最も多いのではないでしょうか?
皆さんには、自分が理想とする子育ての結果からみて、今の状態は自分と子どもにとって本当に必要か?このままでいいのか?という振り返りをしながら、今の行動を決めるようにしてほしいと思います。
子育てとは、何が正解で何が間違っているのか分からない
「子育てに正解はない」とはよく言ったものです。一番わかりやすい例で言えば、息子3人を東大に入学させたという佐藤亮子さんのお話があります。
私はここまで「勉強させる」ことに母親が力を入れること、自体にすごく驚きました。その情熱は素晴らしいものだと思うし、母親としてその信念を貫けることもすごいな、と関心しました。
しかしこの方法は、視点を変えればこのようになります。
多くの人が批判をし、様々なことを言っています。
上記の2つを比べると、ある面から見れば素晴らしいことであるが、ある面から見れば批判を受けるようなことである、ということになります。どちらも正解で、どちらも間違っているということですね。
皆さんには、「正解か、間違っているか」で子育ての方法を決めるのではなく、「自分らしい子育てをする」ためにはどんなことをしたらいいのか?を考えてもらいたいのです。どんな子育てをしても、批判を受けるまたは賞賛を受けるのならば、「本当にしたい自分らしい子育ての方法」を探ってほしいと思います。
まとめ
いかがでしたか?「自分を大切にする子育て」とは、一般的に良いとされている子育てに対して自分が本当はどう感じているのか?を明確にし、自分が本当にしたいことをすることです。まずは一般論の子育てを振り返ることから始まる、と私は思います。そうして振り返ることで、自分らしい子育てに少しづつ近づいていくでしょう。
子育てには正解がなく、間違いもないものです。自分だけの子育て方法があっていいのです。子育て中の皆さんには、育児書に頼りきらず、自分で様々なことを選んでいけるようになってもらいたいと思っています。
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