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公開 2015年12月31日  

ひどい生理痛や不妊症の原因にも…「子宮内膜症」ってどんな病気?症状やメカニズムを知っておこう

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ひどい生理痛や性交・排便痛といった症状を引き起こす「子宮内膜症」。近年、この病気を持った女性が増加傾向にあります。子宮内膜症は、悪化すると妊娠機能にも影響を及ぼし、不妊症の原因にもなります。しっかりとした知識を持って対応することが重要です。


子宮内膜症ってどんな病気?

「子宮内膜症」とは、一言でいうと、子宮内膜が本来あるべき場所以外に存在する病気です。

まずは子宮や卵巣の機能について、あらためて確認していきましょう。

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子宮は、妊娠成立と維持をするための臓器です。そして子宮内膜は、妊娠成立の際の赤ちゃんのベッドにあたる部分です。

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この赤ちゃんのベッド、つまり子宮内膜は毎月新しく作り直され、その時に古い子宮内膜が子宮外に排出されます。この現象が「月経」、すなわち生理なのです。

女性にとって煩わしいと思われがちな生理ですが、実は、毎月赤ちゃんを迎えるために引き起こされる大切な仕組みなのです。
生理が起こる際は、子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンが作られ、子宮の筋肉に作用して子宮収縮が起こります。この子宮収縮時の痛みこそが、生理痛というわけです。

そしてこの子宮内膜が、子宮外に存在する病気が「子宮内膜症」です。

子宮内膜症の好発部位と病変タイプ

子宮内膜症の好発部位は、おもに子宮付近です。

ここで子宮と周辺臓器について確認しましょう。

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子宮の前側には膀胱、後ろ側には直腸が存在します。子宮は腹膜に覆われています。

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子宮内膜症の好発部位としてまず挙げられるのは、子宮の隣の「卵巣」と「子宮の筋肉内」です。病変が卵巣に存在する場合を「子宮内膜症性嚢胞」と呼び、子宮筋層内に存在する場合を「子宮腺筋症」と呼びます。
これらのタイプは超音波検査で診断可能です。

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次の好発部位としては、子宮まわりの「腹膜」が挙げられます。

子宮内膜症の原因は未だに分かっていない事が多いのですが、一説には月経血(古い子宮内膜)が卵管を逆流することにより、お腹に漏れて子宮内膜細胞が腹膜に定着してしまうからでは…と言われています。そう考えると、直腸や膀胱の腹膜に子宮内膜症が好発するのも納得です。
ただしこの病変タイプは、超音波検査では見つけにくいです。

子宮内膜症による症状

では、子宮内膜症はどのような症状を引き起こすのでしょうか?
子宮内膜症の原因と好発部位が分かると、各症状がなぜ起こるのかが理解しやすくなります。

1:強い生理痛

生理痛は、子宮内膜から産生されるプロスタグランジンによって引き起こされる子宮収縮によって起こります。

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通常の生理時は上記のようなイメージです。
ところが子宮内膜症になると、本来の子宮内膜以外からもプロスタグランジンが産生されてしまう、という現象が起こります。

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この結果、子宮の筋肉はプロスタグランジンの総攻撃を受けることになり、子宮収縮も強くなってしまうというわけです。これが、生理痛が必要以上にひどくなる原因です。

2:性交・排便痛

プロスタグランジンは炎症を引き起こすホルモンでもあります。風邪をひいた時をイメージすると理解しやすいのですが、発熱・痛み・腫れなどが、ここでいう炎症の諸症状です。
子宮内膜症になると、この炎症が腹膜内で引き起こされます。そして病気が悪化していくと、炎症がおさまった後に粘膜が癒着する、という現象が繰り返されることになり、結果として直腸・膀胱と子宮がくっついてしまいます。

3:不妊症

子宮内膜症になると、上記のような炎症が子宮や卵管にも影響を及ぼし、妊娠に悪影響を与えるといわれています。
さらに、卵管周囲の癒着が進行すると卵管の通過障害が起こり、不妊症につながってしまいます。

まとめ

子宮内膜症は、実は女性にとって一般的な疾患です。しかしこの病気は、子宮や周辺臓器はもちろん妊娠機能にも悪影響を及ぼしてしまいます。子宮内膜症と診断された場合は、妊娠計画についてもよく考えていく必要があります。

ひどい生理痛があるなど日常生活の中で気になる症状がある方は、医療機関で受診されることをおすすめします。そうでない方も、安易な自己判断をしないために、しっかりと知識を持っておきましょう。

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