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公開 2015年12月28日  

早寝より深寝!?夜更かし娘にも効果的な寝かしつけ法

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夜になると元気になる子を寝かせるため、10年間取り組んできた毎日の「寝かせるコツ」と、それによって得られたご褒美をお伝えします。ベビーマッサージ講師だから知っている「撫でるポイント」もありますよ。


夜更かしするのは大晦日だけですか?

子どもの頃、普段は「早く寝なさい」と言われるのに、大晦日だけは「起きていていいよ」と言われたことはありませんか?

子どもながらに大晦日は、夜更かしをしても怒られない特別な日でした。

親になった今、つい同じことを我が子に言ってしまうのは、きっとそれだけ自分にとって良い思い出なのでしょう。あのワクワク感を娘にも感じさせてあげたい。そんな気持ちで娘に「大晦日は0時まで起きていていいよ」と言っています。

でも実はうちの娘、夜更かしするのが大晦日だけではないんです。言うなれば、毎日が大晦日。うちの娘は赤ちゃんの頃からなかなか寝ない子でした。そして10歳になった今もなかなか寝ません。夕方は少し疲れて眠そうにするときもありますが、夕食を終えた頃には復活して、夜9時を過ぎた頃には歌って踊る毎日です。

先日、母子手帳を読み返してみたら、1歳6ヶ月のページと3歳のページに夜更かしについての悩みが綴ってあって、ああやっぱりその頃から変わらないんだと思わず笑ってしまいました。娘は10歳ですので、かれこれ10年近くも娘の「早寝早起き問題」に取り組み続けてきたことになります。

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寝ない子を寝かせてきた5つのコツ。

おかげさまで、どうすれば眠くなる(はず)かについて、とっても詳しくなりました。

実際に娘に試して有効だったこともいくつかありますので、ここでご紹介しますね。

1)部屋をできるだけ暗くして、明かりは間接照明に
これは寝る部屋だけでなく、寝る前のトイレや洗面所も同じです。寝る直前に歯磨きをするとき、蛍光灯がまぶしいと目が覚めてしまうので、寝る前の照明はできるだけ気遣いを。

2)お風呂は寝る3時間前に
寝る直前にお風呂に入るご家庭も多いと思うのですが、熱いお風呂に入ると目が覚めてしまいます。体温と眠りは自律神経の働きで密接に関係しています。できればぬるめのお湯に長く入って芯から温まると、3時間後くらいにゆるやかに体温が下がり、眠くなってきます。

3)入眠儀式を大切にする
「これをやると寝る」という習慣をつけることです。小さな赤ちゃんの場合は授乳そのものが入眠儀式となっている場合も多く「おっぱい飲みながらでないと寝ない」という悩みはよく聞かれます。なのでそれを「絵本を読む」「お気に入りの人形と寝る」「決まった音楽をかける」など、毎日できることに習慣付けます。

我が家の場合はこれまで「ベビーマッサージをする」「寝る前のおまじないを言う」「ママが子どもの頃の話をする」などのパターンがありました。

4)優しく撫でる
ぽんぽんたたいて寝かしつけるのも良いですが、撫でて寝かしつけるのも優しい気持ちになれるのでおすすめです。特におすすめは、おでこと背中。眉間から髪の生え際あたりを優しく撫でたり、背中を上から下に向かって手のひら全体で撫でてみてください。

早く寝てほしくて焦る気持ちが手に現れてしまうと、動きが速くなりがちなので、できるだけゆっくり優しく動かすのがポイントです。

5)「脳みそを騙すんだよ」と言い聞かせる
これは成長して話が理解できるようになってから使っている技ですが、大人にも使えます。「悲しいときでも口角を上げて笑っていると、脳が今は楽しいときだと判断する」という話を聞いたことがありませんか?それと同じように、眠くないときでも目を閉じて静かに黙って深呼吸を繰り返していると、脳が「今は寝る時間だ」と判断して眠くなってくるのです。

我が家では娘と「どちらが先に脳を騙して眠くなるかゲーム!」と言って、とにかく目を閉じ、絶対にしゃべってはいけないようにします。そして余計なことは考えず、いかに自分の脳に寝る時間だと判断させるかに集中する。そうすると本当にあっという間に眠ってしまうのです。自分で自分にかける催眠術のようですね。

と、いろいろやってきました。どれも効果的でオススメです。しかしこれだけやっても、うちの子にはなかなか寝る習慣がつきませんでした。どんなにコツがあろうとも「毎晩何かをしないと寝ない」という状況はなかなかに大変なものです。できれば勝手に寝る子になってほしいと、この10年ずっと願ってきました。

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どうして早く寝かせないといけないの?

そもそも、どうしてこんなに何年もわたしは夜更かしと戦ってきたのでしょう。どうして早寝早起きさせないといけないのでしょう。

なぜかというと、それが常識だったからです。子どもは早く寝ないと健康に害があるから。脳の発達や、体の成長に影響するから。自分が子どもの頃から何十年にもわたって「寝る子は育つ」「早寝早起きが健康のもと」と言われ続けてきました。

そうです。子どもの健康を思ってのことでした。子どもが健やかに成長するためには、早寝早起きをさせなければいけない。そこには親の責任がある。そう信じて、10年もがんばり続けてきました。

でも、ふと我が子を見ると、こんなに寝ない子なのに、とっても元気で体も大きいのです。

決して背が高いとはお世辞にも言えない両親から産まれた割に、身長はクラスの女子では1番高いし、大きな病気もしません。勉強も今のところ人並みにはできるので困ったことはありません。勉強以外の賢さも、親のわたしより口が達者で言い負かされることもしょっちゅうです。

どうやら脳の発達も体の成長も問題なし。「寝る子は育つ」ならぬ「寝なくても育っちゃった」です。10年経ってみて、これには心底ホッとしています。

寝る時間よりも大切なことは・・・

こんなに健康ならばもう無理して早く寝かせなくてもいいだろうか、と思い始めていたこの頃ですが、とある説を耳にしました。それは「何時に寝るかよりも、寝た直後にどれだけ熟睡しているかが大切」というものです。

成長ホルモンが、眠りの深いときに多く分泌されることは知っていましたが、その中でも特に「寝た直後の熟睡」が大切だというのです。

この説を聞いたとき、ようやくうちの娘の成長に納得できた気がしました。

「寝ない子」だとばかり思ってきましたが、実は「一度寝たら朝まで起きない子」でもあったのです。夜はなかなか寝ませんが、一度寝たら朝まで必ずぐっすりです。もしかしたら、だからこんなに大きく育っているのかも知れません。

そう思ったら、一気にこれまでの苦労が報われます。これまでわたしたちが毎日取り組んできた、早く寝るための工夫は、「早寝」ではなく「熟睡」や「安眠」に役立ってきたのではないでしょうか。

できるだけ真っ暗な部屋で、静かにして、寝る前のお話をして、おでこを撫でながら、一緒に横になってきた毎日。それによって、うちの娘は「安心してぐっすり眠る」ことができていたのではないでしょうか。

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思い通りにいかない育児のご褒美。

育児って不思議です。自分の信念があるはずなのに、他人の意見でころころ変わるし、常識にも振り回されます。これでいいのだと思っていても、みんなと違うと不安だったり、思い通りにいかないと心配も増えます。

わたしの場合もそうでした。

「早寝早起きが良い」という常識に振り回され、夜になると元気になる子を何とか寝かせようと格闘する日々を10年も繰り返し、ようやく「早く寝なくても健康だし大丈夫」と思えた矢先に、「寝る時間よりも、寝た直後の熟睡が大切だ」という情報に、またある意味では振り回され、今度はホッと安心しています。

でもきっと、悩んだり、迷ったり、振り回されたりする日々も含めて、大切な育児なのでしょうね。10年経ってようやくどれも無駄じゃなかったと思えます。

正解がないからこそ、この「ベストを尽くした感」こそが自分の育児に満足を与えてくれるのではないでしょうか。何をやったって、うまくいくことも、いかないこともある。だったらそのときに「やるだけやった」と思えること。

そうしたら、思っていたゴールとは違う場所に着くかも知れないけれど、それなりのご褒美はもらえるのではないでしょうか。

「早く寝るためにがんばってきて、早く寝るようにはならなかったけれど、熟睡はできたし、元気に大きく育った」

わたしはこれで充分です。

そしてきっと今夜も「早く寝ようね」と娘に言います。
皆さんの育児も、思い通りにいかなくても、きっとご褒美がありますように。

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