幼児期の子ども同士のトラブルは、仲のいい子同士で起こることがしばしばです。
いつも泣かされているのに、一緒に遊んでいる。いつも泣かしているのに、そばにいてくれないとさびしい。そんなことが多々あります。子ども同士のトラブルの多くは、その子が大好きという証でもあります。
子どものトラブルの後、親に言ってほしくない一言とは
84,464 View幼稚園や保育所などでの集団生活が始まると、子ども同士でのトラブルというものは必ず発生します。大げさに受け止めないでください。その多くは成長過程で必要なことなのです。ケガをさせた、ケガをさせられた、そんな時に親が言ってはいけない一言とは・・・
子ども同士のトラブルは、大好きの証し
なぜトラブルになってしまうのか?
大好き同士なのに、なぜトラブルになってしまうのでしょうか。
原因は、コミュニケーションの未発達さに起因してきます。もっと小さな赤ちゃんの時、お母さんや身近な大人の気を引きたくて、小さな手でたたいたりします。また、反応が面白くて、わざと困らせるようなことをします。そんな経験はありませんか。
赤ちゃんが上手く自分の感情を相手に伝えることができずにしてしまうことです。幼児期とは、赤ちゃんから少年少女に成長していく過程です。コミュニケーションについても、いろいろと勉強をしている最中なのです。
つい手を出してしまう、つい意地悪をしてしまう子は、このコミュニケーション能力が未発達な状態といえます。
トラブルの時に親が言ってはいけない言葉とは・・・
とはいえ、自分の子どもが誰かから意地悪をされてたり、ケガをさせられたら、また反対に自分の子が誰かにケガをさせてしまったら、意地悪をしていたなら、どちらの場合でも親ならば心配でたまらなくなるのは当たり前です。
つい、こんなことを言ってしまっていませんか?
「○○ちゃんと遊んではいけません」
これは、絶対に言ってはいけない言葉です。しかも、将来に影響が出てくる可能性がある「悪魔の時限爆弾」でもあります。
悪魔の時限爆弾のからくり
どうして、「○○ちゃんと遊んではいけません」という一言が、将来に禍根を残す「悪魔の時限爆弾」なのでしょうか。
先に行ったように、意地悪されている子、意地悪している子どちらもお互いが大好きで一緒に遊びたいと思っています。それなのに、そのアプローチの仕方が未熟なために、トラブルになってしまうのです。意地悪をされている子は、なにも悪くありません。意地悪をしている子も、悪いことをしているという意識がありません。
それなのに、「遊びたい相手と遊んではいけない」と、絶対的な権力を持っている親から言われてしまい、遊ぶことができなくなってしまいます。どちらも、悪いことをしていると思っていないのにです。
一時的にお互いのコミュニケーションを断絶してしまえば、その場のトラブルはおさまります。ですが、納得できずに遊べなくなった子どもはどうでしょうか、なぜ、遊べなくなったと思うでしょうか。その答えを「意地悪されたことを親に言ってしまったから」とならないとは限りません。「意地悪をしたのがばれたから」とならないとは限りません。
現在の高学年児のいじめの時に、被害者のほうはSOSを出すことができず、加害者のほうには罪の意識がない、もしかしたら、幼児期の対応において「悪魔の時限爆弾」が仕掛けられたのかも知れません。
子ども同士のトラブルにはどう対処したらいいのでしょうか?
意地悪をされた子には、徹底して「あなたは何も悪くない」ことを教えてあげましょう。
意地悪をされる子には、そもそも何の問題もありません。原因は、意地悪をする子にあります。決して劣等感を抱かせてはいけません。くりかえしくりかえし、何度でも「あなたは悪くない」ことを教えてあげてください。
意地悪をしてしまう子には、それがいけないことだと、教えてください。
意地悪を繰り返すたびに根気強く、「そんなことをするのは、赤ちゃんが大人をたたくのと同じことだ」と教えてください。そして「もうあなたは、赤ちゃんじゃないのだから、友だちをたたいたり、意地悪をすることはおかしい」のだと、教えてあげてください。
親として大切なポイントは?
子ども同士のトラブルが起こった時、親が感情的にならないことが大切です。焦る気持ちはわかります。他の人の目が気になるのもわかります。もしかすると、我が子ながら、憎らしいと思ってしまうかもしれません。
それでも、子どものために自分を捨てることができるのが親だとするならば、子どものために、自分の感情は抑えてください。
子どもは、くりかえし間違えるものです。そうして、いろいろなことを学び、成長していきます。何度も同じ間違いを繰り返した分だけ、根強く、その子の心の中に刻まれていくものだと思って、根気よく間違いを正してあげてください。
きっと子どもたちは「成長」という形で、それに報いてくれることと思います。
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