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公開 2015年12月25日  

他人の不幸は蜜の味?マイナス思考も自分の一部と考えてみよう

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“シャーデンフロイデ”という言葉をご存知ですか?ドイツ語です。なんともお洒落な言葉ですが、その意味は辞書を引くとこう出てきます。”他人の不幸を見聞きした時に生じる喜び、嬉しさといった感情”。あなたの心にはこれがありますか?全くないですか?

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174007055

“シャーデンフロイデ”という言葉を知っていますか?

「シャーデンフロイデ」
日本語にはこれにドンピシャと当たる言葉は存在しませんが、和訳すると“他人の不幸は蜜の味”がこれに近いのではないでしょうか。

この感情は、大なり小なり誰にでもあると思います。特に日本は個性を重んじるというよりは、“右に倣え”“出る杭は打たれる”の社会ですから、諸外国より強いとも言われています。

“自分が幸福感に満ち満ちていると他人の幸せをしみじみと一緒に喜べたりするが、自分が不幸だと思っていると、そうは一緒になって喜べない”

そんな心の状態でしょう。

実は 人間には元々、相手が不幸になると自分が嬉しくなる働きがあり、脳の線条体という部位がその働きをしているらしいのです。やっかいな部位ですね。

元々、人にはこれが備わっているのに、羨ましいと感じなかったり、人に妬みの感情をあまり持ったりしない人は、きっとお母さんが「皆はできているのにどうしてあなただけできないの!」と兄弟姉妹や友だちと比較することなく、“子どものあるがまま”を受け入れ、上手に子育てしたのだと思います。

人間は“色白な子、色黒な子“”顔立ちが美形な子、そうでもない子“”小柄な子、大柄な子”“アレルギー体質の子、健康な子”など生まれつきの遺伝的な違いもあり、また育った環境により差も出ます。

これに対して妬みの感情が少ない方が、人生を幸せに生きることができますよね。

ママ友による「音羽殺人事件」

こんな事件もありました。

1999年11月22日、東京都文京区音羽地区の幼稚園で同じ園児の母親が、ママ友の子どもの下の子をトイレで殺害した事件。

当時加害者の動機は「お受験戦争に巻き込まれて、我が子が不合格になったこと」とされていましたが、そうではありませんでした。

夫の収入、職業や地位、子どもの学校でしか評価されない自分に孤独感を感じていた加害者は人付き合いが苦手で地味なタイプ、自分と比較して華やかな母親に妬んだ心の闇が起こした事件でした。

では、“私”の感情はどうか?

あなたの心の中にはシャーデンフロイがありますか?

私はあります。母から周りのお友だちと比較されて育ったのでその傾向は強い方だと思います。

●友人に彼氏ができると
自分に彼氏ができなかった数年間。
友人に彼ができると「良かったね、今度会わせて」と言いながらすごく悲しかったです。


●友人が結婚すると
同級生の結婚式。特に5月は結婚ラッシュで毎週土曜日、結婚式に招待されてご祝儀を2~3万包んでいく状態でした。
締めて、2万×4回=8万円!

当時の給料は正社員でも手取り13万くらいだったので(30年前は皆さんそんな感じでした)、友だちが結婚するとドンドン自分が貧乏になりました。
友だちは養ってくれる相手が現われて心も生活も豊かになるのに、自分は独り身で寂しくわびしく貧しくなる・・・焦燥感に駆られて惨めな気持ちになりました。
「おめでとう、よかったね」と笑顔で祝福の言葉が自動的に口からは出てきますが、実は心中穏やかではありませんでした。


●妊活仲間の妊娠
さて、そんな私にもようやくパートナーが見つかりました。ところが周りの子どもが出産ラッシュなのに自分は妊娠しません。そして、不妊治療外来に通い始めました。病院でお互い励まし合う仲間ができ少し精神的に楽になったのも束の間、妊活仲間の誰かが妊娠すると他人の妊娠を喜べない自分がそこにはいました。


このように、次々にシャーロンフロイデが登場しました。

何かを手に入れても、それに満足しないで自分になくて他人が持っているものを羨ましがり、欲しがります。
まったくキリがありません。きっと死ぬ時も「私はあれができなかった、これを手にすることができなかった」と思って天国に行くのかもしれません。

「マイナス思考も自分の一面」と考える

脳には“他人を羨んだり、妬んだりする”機能が備わっているので、自分を責めることはありません。決して心が健康なこととは言えませんが、人間が持つ自然の感情なのです。とても人間らしいのではないでしょうか。

「彼氏ができない、結婚できない、妊娠できない」と自らをおとしめ責めてしまうと、「私って価値がない人間だ」とまで思い詰めてしまい、さらに惨めな気持ちになってしまいます。

また、晴れてママになれたらなれたで、また形を変えて「我が子が、他の子どものようにできない」ことを悩み、「自分がしっかりいいママをしていないからだ」と自らに対してダメ出しをしてしまいます。そうなると、子どもにも過度な要求をしてしまい子どももしんどいです。

これでは毎日、楽しくありません。誠に損なことだと思います。
だから、割り切って「私ってない物ねだりしてばかりいる人間だけどそれも私」と開き直った方がいいのかもしれません。

よく“プラス思考”“前向きに”の言葉がもてはやされますが、これに囚われるとそれができないとまた凹んでしまいます。人には様々な気質や性格があるのですから「マイナス思考するのも私の一面」と受け入れた方が心が楽になりますよ。

幸せは「相対評価」が生むもの?

幸せとは絶対的なものではなく相対的なもの、つまり他人との比較で感じるものだと茂木健一郎さんが著書で書いていらっしゃいました。

周りがみんな結婚、出産していると独身であることを“負け犬”と感じますが、彼氏がいる人、結婚している人、子どもがいる人が天然記念物級に珍しかったらこのような感情は起こらないと思います。

周りとの比較により生きているようなところがあるので、うらやむ心が生まれるのが人間なのです。

テストの点数が自分が70点で周りの友達がみんな100点だったら「自分はできが悪い」と感じ、周りが50点だったら「自分はみんなより優れている」と思います。でも、70点はとれたことを満足できる方が幸せですよね。

そんな考え方ができるようになるためには、幼児期からどんな言葉を我が子にかけたらよいのでしょうか。

「自分と他人を比較しない」大人に育てるための親からの対応は

できれば、他人と自分を比較をしない大人に育てたいです。
これを増幅させてしまうのが親の言葉が次です。

「どうして○○ちゃんみたいにできないの?!」
「みんなやっていることなのよ」
「お姉ちゃんが3歳のころはお箸を持てていたのに、どうしてあなたは持てないの!」
「なぜ平均点以下なの?努力不足ね!」


どうでしょう?無意識に言ってしまっている言葉も、中にはあるかもしれません。
こんな言葉をずっと言われ続けたら、“シャーデンフロイデ”満載になってしまいます。

私は、母から同じマンションの9階に住むできのよい“ひろみちゃん”と常に比べられて「ひろみちゃんは読書をするのに、どうして美津子は本を読まないの!」とか「ひろみちゃんは好き嫌いしないで何でも食べるのに、なんであんたは偏食なの!」と比較されて怒られていました。

だから人よりもこの感情が強くなっているのかもしれません。

子育ては絶対評価しよう

通知表には絶対評価と相対評価の方法があります。

相対評価・・・ABC評価の場合、その割合が最初から決められています。
全体から見てどの位置にあるかが“相対評価”、90点とれたとしても大勢の子が100点だったら低い評価になります。

絶対評価・・・例えば、90点以上はAと決められています。
他のほとんどの子どもが100点を取っていても90点以上とれば、低い評価にはなりません。

この評価の内容を見ても、違いは明らか。
子育ては“その子そのものを見る”絶対評価が良いです。

あなたを悩ませている“シャーンフロイデ”を我が子もたくさん抱えてしまわないように育てましょう。
それには前置きに“他人”の事例を入れることを、できるだけ控えるようにした方がよいですね。

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