自民党の宮崎謙介衆議院議員は今年、同じ自民党の衆議院議員である金子恵美さんと結婚し、来年2月に子どもが生まれる予定です。子どもが生まれたら、1〜2か月程度の育児休暇を取りたいと表明したことがニュースになっています。
私が「国会を休んで育児」を応援したい理由
2,477 View衆議院議員の宮崎謙介さん(自民党)が、育児休暇(育児休業)取得を宣言したことが話題になっています。「国会を休んで育児!?」と否定的な意見もあるようですが、筆者はぜひ応援したいと考えています。
日本では、子どもを持つ労働者は男女とも育休を取る権利があります。でも議員はその対象外で、今のところ国会議員の育休制度はありません。
そのため、宮崎議員は本会議のたびに欠席届を出し、実質的な休みを取る予定だそう。
父親の育休は家庭にもたらすメリットが大きい
個人的な話ですが、筆者が出産したときに会社員の夫が1ヶ月の育休を取りました。
こちらの記事で男性が育休を取るメリットとして以下の5つが挙げられていますが、本当にその通り。夫が今も家事・育児に積極的で子どもととっても仲良しなのは、あのとき育休をとって家族3人で過ごす時間をたっぷり取ったことが大きいと感じています。
1.家族の絆が深まる
2.パパが育児に対し主体的になる
3.家事分担がスムーズにできるようになる
4.仕事が効率的にできるようになる
5.2人目やママの社会復帰の後押しになる
責任放棄、税金泥棒…、否定的な意見も
このような家庭におけるメリットに加え、宮崎議員の場合は世の中に与える影響も大きいでしょう。
安倍内閣のメンバーからも応援する声が上がっているようですが、世間では「国民の代表たる議員が国会を休むのはいかがなものか」、「税金泥棒だ!」といった否定的な意見も巻き起こっています。
筆者は、「国会議員は一般の労働者とは違うのだから、育児より仕事を優先すべき」という論理は有害だと思います。そんなことを言ったら、育児中のパパママや、これから子どもをほしいと考えている女性は議員になることができません。
宮崎議員のブログを読むと、夫婦共に国会議員という責任の重い仕事への責任があるからこそ、出産・育児を妻任せにせず夫婦で取り組むことを決めたということが分かります。
所謂、共働き世帯であり、さらにお互いが本当に重たい責任を負い、極めて多忙な毎日を送っています。同じ国会議員だからよくわかるのですが、土日もなければ24時間電話がかかってくる仕事であり、情報収集にも常に時間を費やします。
そんな中で妻が出産・育児をするとなると本当に大変です。国会の開会中であるため、万が一のことを考えると、親元の新潟で出産・育児をするわけにはいかず、東京で産み育てなければなりません。
そこで私は産後一カ月は妻を助け、子供を育てるために育児休暇をとる決意をしました。
(中略)
出生率向上には男性の育児参加が不可欠であり、一億総活躍社会の実現には女性の社会参加が必須です。男性の育児参加が遅々として進まず、育児を女性に押し付ける風習と対峙し、若手の国会議員だからこそ、妻が国会議員だからこそ、私はこの重たい一歩を踏み出さねばならないのだと思いました。誰かが勇気を持って踏み出さねばならないのです。
「男性の子育参加に向けて」より
子育てしやすい世の中を作っていくには、むしろ子育て世代の代表として活動できる議員が必要です。宮崎議員には、ぜひ子育ての実体験を議員としての活動に活かしてもらいたいです。
様々な人がチャレンジするからこそ、よい制度ができる
宮崎議員は今後、他の議員と一緒に勉強会を立ち上げ、国会議員も育休を取れるような衆議院規則の改正を求めていくと伝えられています。
「休んでいる間の仕事はどうするんだ!?」というのは一般企業でも大きな課題ですから、家庭も重要な仕事もないがしろにしないですむ制度を考えることは、国にとっても民間企業にとっても有益です。海外の事例なんかも参考にしながら良い制度ができることを願います。
たとえば、ノルウェーには議員が出産・育児休暇を取る場合は「代理議員」が代わりに職務を果たすという制度があるそうです。
日本では、2014年10月以降、育休中でも月に80時間までなら仕事をしてもよい(正確には、労働時間が月に80時間以下なら育児休業給付金が支給される)ことになりました。
育児か仕事かどっちかしかない!という「ゼロかイチか」の状態ではなく、育休をとりながら平日に4時間までの在宅勤務をするとか、週に1,2回出勤するということが可能になったということです。
宮崎議員も妻の金子議員も、出産・育児休暇中だからといって議員としての仕事に全くノータッチでいるつもりはないことが、上の引用からも伝わりますし、同じ記事の最後に書かれている
”当然ですが毎日、私の事務所とも電話やメールで連絡を取り合いますし、地元の皆様の要望などを承る体制は整えます。”
という文章からも分かります。
夫婦の職業を始め様々な事情により、育休の取りやすさには個人差があるわけですが、こうしていろんな人がチャレンジすることで課題があぶりだされ、必要な制度作りや改善につながる、そんな動きが今後も加速することを願って、私はこの動きを応援したいと思います。
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