育児は「独り」じゃ戦えない。私はこうして救われた
46,889 View近くに親族がいないため、双子の娘たちが生まれた時からずっと夫と2人で子育てをしてきました。日中は私1人で子どもたちを見ていたせいか、「私がしっかりしなくては」「1人でがんばらなければ」との思いが強かったのですが・・・。本当に困ったとき、勇気を出して周りにヘルプを求めたことで救われた出来事がありました。
動きたい盛りの2歳の双子。1人で公園に連れていくこともできなかった
双子の娘たちが2歳になったばかりのころ。
体を動かすことが大好きで、体力がついて走り回りたい盛りの娘たちは、家にあった室内用のジャングルジムやすべり台では物足りず、いつも「公園に行きたい」と言っていました。
当時の娘たちは、まだ1人で安全には遊具で遊べない2歳児。公園に着いた瞬間に1人はブランコへ、もう1人は反対側にあるすべり台へと一直線に走り出し、フラフラとブランコによじ登ろうとしては落下し、すべり台の階段で足を滑らせ、そうかと思うとブランコに飽きた娘が車道に向かって猛ダッシュ!
私は「待って!」「走らないで!」と大声で叫びながら走り回り、とてもじゃありませんが、ゆっくり遊ばせることなんてできませんでした。
それでも、「公園で遊びたい!」と泣く娘たちを見ていると、10分だけでもいいから連れ出してあげなければと思いました。その日、私は本当は乗らない気持ちをどうにか奮い立たせながら、臨戦態勢で出発の準備をしていました。
子どもたちはあと靴下を履くだけ、私は髪を一つに束ねるだけ!というところまでどうにかたどり着き、洗面所に向かった時、娘たちが靴下を持って泣きながら追いかけてきました。
今思うと、私は自分の手を止めてまず娘たちに靴下を履かせてあげれば良かったんです。でも、気が張り詰めていた私は「すぐ終わるから待ってて」と言い、まず自分の準備を優先してしまいました。
すると、娘たちは大声で泣き始め、その声にブチッと何かが切れてしまった私は、
「うるさい!ちょっと待ってって言ってるんだよ!」
と、自分でもびっくりするような大声で怒鳴ってしまいました。
怒られたことにショックを受けた娘たちは手がつけられないほど大泣きし、早く公園に行きたいとわめき始め、私も自分をコントロールできなくなって「誰のせいで出発できないと思ってるんだよ!」と、さらに怒鳴りつけてしまいました。
ようやく我に返った時には、子どもたちは泣き疲れて布団に突っ伏して眠ってしまいました。涙でグチャグチャになったままの寝顔を見ていると、自分が本当に情けなくなってきました。
「子どもたちを公園に連れて行く、たったそれだけのことなのに、どうして上手くいかないんだろう…」
子育て支援センターなら、サポートしてもらえるかもしれない
私は、子どもたちが目覚めたら今度こそ楽しい思いをさせてあげなければと、眠っている間にあれこれ試行錯誤しました。
カレンダーを見てみると、地域の子育て支援センターのプレイスペース開放日。前に一度連れて行ったことがあったのですが、バラバラに動きまわる子どもたちを追いかけることが難しく、とても大変な思いをしたため、その後はすっかり足が遠のいていた場所でした。
子どもたちを安全に満足いくまで遊ばせてあげるには、もう1人、大人の力が必要だ。そう思った私は、プレイスペース内には何人か職員の方がいたことを思い出しました。
今度こそ「もう大丈夫だよ!いっぱい遊べるよ!」と子どもたちに伝えてあげたい。その思いが強かった私は、勇気を振り絞って子育て支援センターに電話をかけました。
電話に出た職員の方に事情をお話しし、2人がバラバラに動き出して危ない場面だけでいいので、手伝ってもらえないかと相談してみました。すると、返ってきたのはあまりにも冷たい言葉でした。
「それはできません。他のお子さまたちもたくさんいらっしゃいますし、みなさんお母さんがご自身でお子さまを見られてますので。どうしても難しければ、お友だちを誘って来てください」
分かりました、と言って電話を切った後、私は声を上げて号泣しました。
その職員の方の対応が「間違っている」とは思いません。職務を考えると当然のことなのでしょう。きっとそれが、その場所でのルールなのでしょう。
でも私は精神的に追い込まれていたのもあり、誰も助けてくれない・・・という気持ちになってしまいました。そしてその日は、家の中に閉じこもって過ごしました。
翌日の2歳児歯科検診。同じ子育て支援センターでかけていただいた言葉に涙
翌日は、子どもたちの2歳児歯科健診。昨日の電話で悲しい思いをした、子育て支援センターに出向かなければなりませんでした。
集団での講義や保健師さんとの面談、健診といった一連の流れを、私1人で双子を連れて回る自信がなかったので、数日前に事前に電話で相談していました。その時に、新人の保健師さんがいるので、一緒に同行してお手伝いできるようにすると言ってくださっていました。
ところが、受付をしてみるとその話は伝わっておらず、1人で回るように言われてしまいました。事情を話すと、後で誰かを行かせるからと言われましたが、どんなに待っても誰も来てくれません。
昨日、勇気を振り絞って求めたヘルプの声が踏みにじられ、心がポキポキに折れてしまっていたこと。
案の定、待たされた娘たちがぐずり始めてしまっていたこと。
今日はもう無理だ、このまま消えてしまおう。そう思って歩き始めたものの、子どもたちの健診だということを考え、最後の最後だと心に決めて受付に立ち寄りました。
「みなさんお忙しそうなので、お手伝いいただくことが難しそうであれば、今日はもう帰ります」
その時、通りかかった保健師さんが私の言葉を聞いていたようで、笑顔ですっと近寄って来てくださいました。そして、泣く娘を1人抱っこしてくださり、こんな言葉をかけてくださったのです。
「お母さん、大変なのによく健診に連れてきてくれたね。先生の準備ができたら、一番最初に診てもらうようにするからね」
私が涙をこらえきれず、震える声でお礼を伝えると、さらにこのようなことを言われました。
「いいのよ、いつも100%以上に頑張って2人育ててるんだもんね。健診の日くらいショートカットしちゃっていいのよ!2年間、よく2人育ててきたね」
近くに頼れる親戚もおらず、夫と2人で、日中は自分1人で子育てをしてきた私は、いつも自分がしっかりしなくてはと気が張り詰めていました。それが当然だとも思っていたのです。
誰かに「がんばってきたね」と言われたことも、「時には甘えていいんだよ」と言ってもらったことも、この時が初めてでした。
助けて欲しいと声を上げることは、簡単ではありませんでした。声を上げても、うまくいくことばかりとは限らない。相手に「何わがまま言ってるの?」と思われるかもしれないし、迷惑もかけてしまうかもしれない。
それでも、声に出して助けを求めることは、やはりとても大切なことだと思うのです。自分で声を上げることで、やさしい手を差し伸べてくださる方もいる。自分の声がきっと届く場所がある。
そして何より、それで子どもたちが救われる。
今後も続いていく子育ての中でも、必要な時には手を挙げてヘルプを出せる母親でいたいと思います。そして、自分もどこかで困っているママを見つけたら、自分から声をかけたり、相手が何か必要なのであれば頼ってもらえるような人になりたいと思います。
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