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公開 2015年05月29日  

親子で絵本から人生の哲学を学ぶ!?子どもと一緒に読みたいオススメ絵本

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親子で読みたいオススメ絵本をご紹介!絵本を読みながら、子どもと一緒に考える、人生に寄り添う、そんな絵本を紹介します。嘘っていけないの?自分探しって?そんなことを子どもと一緒に学べる絵本があります。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10736001494

親子で絵本から学ぶ、子どもにも大人にも大切なもの

絵本を読んでいると、子ども達はもちろん、大人の心も揺れることがあります。



子どもたちに大切なものを届けたいと作られた絵本ですから、大切なものがいっぱい詰まっています。その大切なものは、大人になっても忘れてはならない大事なものなのです。だからきっと、心にしみるのでしょう。

子育ては哲学?! 「嘘はなんでいけないの?」の質問に答えられますか?

子どもの何気なく質問に、大人が深く考えこまさせられることがありますね。



私の子が小学校にはいったばかりのとき、こう質問してきたことがありました。

「うそはいけないの?」

いけないよ!そりゃ・・・いけないよ。いけないよね・・・と答えながら、「うそは、今もついてるね・・・」と気持ちはうらはらでした。



このように、子どもとのやりとりは、自分の考え方、生き様がその瞬間問われているようなの思いをすることがあります。子育てはまさに哲学!ですね。

はじめてのテツガク絵本『うそ』

親子で絵本から人生の哲学を学ぶ!?子どもと一緒に読みたいオススメ絵本の画像1

さて、「うそはいけないの?」と質問されたとき、ない知恵を絞っていろいろ話しました。人が嫌な思いをするような嘘はだめ。自分を守る嘘なら、ついてほしくない。おかあさんもできるだけ、そんな嘘をつかないようにしている。でも、相手を大事に思う嘘ならつくことがある・・。



話しながら思いはぐるぐるもやもや。・・・そんなときに出会ったのがこの絵本でした。



『うそ』(作:中川ひろたか 絵:ミロコマチコ)



帯には「はじめてのテツガク絵本」とあります。今まさに必要としているぴったりの絵本でした。数日前に、息子と問答をした上で出会った絵本ですので、私たちが考えをめぐらせた「うそ」と、作者が語る「うそ」との、共通点、相違点、そして表現力の違いを、そうそう!なるほど!!と楽しむことができました。



本を開く前に、まずはぜひ、ご自分で「うそ」について考えをめぐらせてみてください。それから、読んでみてください。1ページ1ページ、立ち止まって作者と対話するような何倍もの楽しみ方ができるかもしれません。

『ぼくを探しに』

1977年に出版され、大人のための絵本だと話題になった絵本がありました。それが『ぼくを探しに』(作:シルヴァスタイン 訳:倉橋由美子)です。



人は必ず「自分探し」をするときがあります。そんなときにそっと寄り添ってくれる、やさしいタッチの絵本です。多くの人に知られ、いまでも読まれ続けています。



この絵本を知った頃、私はまだ学生で、絵本に興味はなかったのですが、この絵本のことを知って、読んでみたくなり絵本屋さん行ったのでした。そして、自分に・・・、ではなく、演劇部でがんばっていた友人にプレゼントしたのです。何を思ってこれをプレゼントしたのかは覚えていません。自分探しをしてたのは、私もなのにね・・・今、振り返ると不思議なプレゼントでした。



色味の少ない絵本ですが、子どもは、とてもシンプルな絵の変化と言葉を楽しんでいるようです。子どもに読みながら大人時間を楽しむ醍醐味が味わえるかもしれません。





『あな』

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最後にご紹介したいのは、こちら『あな』(作:谷川俊太郎 絵:和田誠)言葉は、詩人の谷川俊太郎です。絵本もたくさん出しています。



お話はシンプルです。あなをほる。そしてなかにはいる。しばらくして、出る。埋める。ただ、それだけ。



途中、何人かが、短い言葉をかけます。その短い言葉ひとつで穴を掘る人の立場、関係性までが感じられるのです。言葉というものはその人が表れるといいますが、その関係性の中で発しているものなのだと気づかされます。自分の言葉は、母としての言葉であって、その母親と子どもという関係性の上で話しているだけなのかな、などと思わされたりしました。



そして、「穴」とは孤独のことなのかもしれません。いつか誰もが向き合う「孤独」。人にとって孤独とは穴の静寂。そんな空気が、和田誠のシンプルな表現と混ざり合います。絵も言葉も混ざり合ってひとつの作品になる「絵本」というものの良さをこの絵本から感じられると思います。

親子で感じあう時間

たとえば、『あな』のように一心不乱に穴を掘る姿が子どもは、砂場で穴をほる自分の姿と重なりあわせ、主人公へ気持ちを寄り添わせることをする一方で、大人は大人なりに深い人生経験になぞらえ思いをめぐらすことがある。そんな違う感じ方を一冊で共有するというのは、親子で読める絵本の良さの一つだと思います。みなさんもぜひ絵本でテツガクを!



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