アルゼンチンやチリなど、主に南米で歌われているスペイン語の子守唄に「可愛いおてて(Que linda manito/ケ・リンダ・マニート)」という曲があります。
愛をテーマにしたオムニバス映画『パリ、ジュテーム』(2006)で、南米移民の女性が、まだ幼い子を預けて裕福な家庭のベビーシッターに行く、働く母のせつなさが涙を誘う作品に登場し、世界中に知られるようになった曲です。聴いたことがある方もいらっしゃるかもいれません。
赤ちゃんの頃から自己肯定感を育む!ラテン系の国で歌われる「子守唄」の秘密
16,812 View「私のおめめはなんて可愛いのかしら!神様がこんなに黒くて素敵なおめめをくれたのよ」と歌う子守唄。赤ちゃんのすべてが可愛らしく、神様からの贈り物であることを繰り返して伝えるラテン系子育ての良さをご紹介します。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11030003351名作映画にも登場した、南米に伝わる子守唄
子守唄に込められたメッセージとは…
単調な繰り返しのリズムで眠気を誘い、また順々に体の名称をあげていくのは、子守唄や子どもの唄によくありますが、注目すべきは歌詞の内容です。
"私のおてての可愛いこと
神様がくれた白いおてて
私のおめめの可愛いこと
神様がくれた黒いおめめ
私のおくちの可愛いこと
神様がくれた赤いおくち
私のあんよの可愛いこと
神様がくれたむちむちあし"
赤ちゃんの各パーツそれぞれの可愛さを褒め称え、全てが神様のプレゼントだよ、という歌詞なのですが、主語は母ではなく、赤ちゃん自身なのです。
つまり、自分で自分の愛らしさを認め、そしてそれが持って生まれたギフトであることを感じられる唄になっているのです。こんな唄を幼い頃から何度も歌われて、心に刻まれている子どもはどう育つでしょう。
ほめ過ぎは自信過剰の勘違いにならない?
「自意識過剰に育つのでは?」「勘違いした子にならない?」という心配もあるかもしれません。
実際、ラテンアメリカや欧米諸国の人々は、謙虚さを美徳とする日本人から見ると根拠のない自信が鼻に付くこともあるかもしれません。しかし、子守唄が必要なくらい幼い頃に、親が与えてあげられる肯定感にはそれほどのマイナス効果は考えにくいです。
自分が自分であることに疑いを持たず、すべてのパーツに愛を持って、恵まれていることを感じられれば、存在に自信がつき、安心感を得られます。他人と比べて特別に可愛いね、と褒める訳ではなく、あなたがあなたであるだけで可愛いのよ、と伝えていることが大事なのです。
日本で実践するとしたらどうしたらいい?
この子守唄の歌詞やメロディは各国やママによって様々にアレンジされているようです。顔の前で手をひらひらさせながら歌うのも特徴で、YouTubeには真似をするあかちゃんも多数アップされていて、それぞれがとても可愛らしいです。
最初にあげた日本語訳は、映画で歌われている曲のリズムにうまく合うようにしてみたので、ぜひ一緒に歌ってみてくださいね。
ベビーマッサージをしながら、あかちゃんの体のパーツひとつひとつを触って褒めてあげるだけでもいいでしょう。それぞれのやり方で応用できるといいですね!
ラテン系の国は世界幸福度ランキングでも上位に並ぶ国が多いのです。2016年度では1位にコロンビア、6位にパナマとアルゼンチン、7位にメキシコ、9位のエクアドルと半分がラテンアメリカの国です。
肯定感をあかちゃんの頃から感じることも、幸福度を高くするひとつの要因ではないでしょうか。
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