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公開 2016年03月24日  

【赤ちゃんの胃のサイズはさくらんぼ?!】…産後のおっぱいと赤ちゃんに隠された秘密とは?

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我が子を母乳で育てたいと考えている女性は、95%ほどだといわれています。しかし、実際に母乳だけで我が子を育てている女性は50%前後、混合栄養で育てている女性も含めると80%程度が実際のようです。では、それはなぜでしょうか?出産前にイメージしている母乳育児と、出産後の現実に大きな差があることが原因なのかもしれませんね。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11015188656

産んですぐには、十分な母乳が出ないことが多い

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赤ちゃんが産まれたらすぐに、母乳がどんどん作られていく…。そんなイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか?


確かに妊婦さんの身体は、妊娠20週頃から母乳を作る準備を始めています。ですから、妊娠中に母乳がにじんで出てくるという方もいらっしゃいます。

しかし実際の多くは、出産を終えて数日経ってからようやく母乳の分泌が増えてくるものです。


出産した当日から翌日にかけて、母乳が出ないからとすぐにミルクを与えてしまうと、母乳産生(母乳をつくること)のスイッチは入りません。
出産したこと自体が母乳産生のスイッチにはなるのですが、赤ちゃんが乳頭に吸いついて初めて、母乳産生にアクセルがかかってくるのです。

赤ちゃんが1回吸っただけではなかなか反応が良くないのも、母乳の特徴。

何度も何度も赤ちゃんが吸いつくことでようやく身体が変化し始め、その結果が見えてくるのがだいたい産後3~4日目です。

赤ちゃんも最初から上手には吸えません

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一方、赤ちゃんはどうでしょうか?
生まれたらすぐ上手におっぱいに吸いつくイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、実はそうではないんです。

もちろん最初から上手におっぱいを吸える赤ちゃんもいますが、実際はなかなか上手に吸いつくことができない赤ちゃんがほとんどです。

赤ちゃんは生まれてくる前、ママのお腹の中で、自分の手を吸ったり、羊水を飲み込んだりしておっぱいをのむ練習をします。
しかし本物のおっぱいを吸うのは、初めての経験。
上手に吸うことが難しいというのは、容易に想像できますよね。

また羊水の中でぷかぷか浮かんでいた時とは違い、まだ抱っこに慣れていないママに抱かれるのはちょっぴり不安定。
これらの要因が重なり、上手に吸えない赤ちゃんが多いのです。


初めて出産するママはもちろん、何人お子さんを産んでいても、目の前にいるこの子との出会いは今が初めて。ですから、最初からうまくおっぱいをあげられないこともあるでしょう。
でも大丈夫。
ママも赤ちゃんも何度も練習をして、徐々に慣れていくのです。

赤ちゃんの胃は、さくらんぼサイズ?!

ここまでのポイントを一旦整理しますね。

1.おっぱいを吸わせることで母乳産生スイッチが入る。出ないからと焦ってもまずはミルクに頼らず、とにかく吸ってもらう。
2.何度も練習して、ようやく赤ちゃんは上手に吸えるようになる。
3.母乳の分泌が良くなるまでには、だいたい3~4日かかる。


こうしてみると、生まれて3~4日は赤ちゃんはお腹が空くのではないか?と疑問に思いますよね。
でもそこにはこんな秘密が隠されているのです。

・生まれてから2~3日はミルクをのまなくても大丈夫
赤ちゃんは、胎児の時にたくさんの栄養と水分をママからもらってきています。それらの栄養分、実は生まれて2~3日は持つと言われているんです。
最初から母乳がたくさん出るわけではない、赤ちゃんは最初からおっぱいをうまく吸えるわけではない…これら身体のシステムをあらかじめ分かっているかのように、うまくできているんですね。

・赤ちゃんの胃のサイズはさくらんぼサイズ
生まれたばかりの赤ちゃんの胃のサイズはとても小さくて、生まれた翌日は5㏄ほどと言われています。
その大きさはちょうど、さくらんぼ大です。


個人差はありますが、赤ちゃんが欲しがるペースに合わせて授乳していると、赤ちゃんの「さくらんぼのような小さい胃」を満たしてあげられるくらいに、うまく母乳が作られていきます。
1回の授乳では飲む量が少なく、おっぱいを頻繁に欲しがることも、生まれてすぐの赤ちゃんの特徴です。…3時間毎の授乳間隔になるのは、まだ先のお話しですね。

母乳は、赤ちゃんの「食べ物」であり「飲み物」でもあるんです!

正直な話、授乳は慣れるまでに一苦労です。

授乳クッションなど必要なものを手元に置いて、赤ちゃんのオムツを替えて、抱っこして胸を出し、ようやく授乳スタート。と思ったら、赤ちゃんがものの2分で眠ってしまったり…。
せっかく準備したんだからもっとしっかり飲んでよ~!また30分後には泣くのかな~?なんて思ってしまいますよね。

でも、よく考えてみてください。

私たち大人も、手元に飲み物を置いてちょこちょこ水分補給をしたくなる時、ありますよね?
それは赤ちゃんも同じ。

ガッツリおなかが空いていて「食べ物として」母乳が欲しい時もあれば、「飲み物として」ちょっと口を潤すことができれば満足な時もあるんです。

赤ちゃんにとって、母乳は食べ物でもあり飲み物でもあります。ちょっと目覚めて口を潤せたらOKということも、あって自然なことなのですね。

大切なのは、授乳タイムを楽しむこと

ママにとって母乳育児は、「ちゃんと出るかな?」「おっぱいは足りているかな?」とちょっとしたことで不安になったり、心配になったり…その繰り返しです。
そんな時は、ぜひ赤ちゃんの様子を見てあげてください。
幸せそうに眠っていたり、こちらに笑顔を向けてくれたり、そんな様子があれば、きっと大丈夫。


授乳タイムは、

・赤ちゃんにとっての食事の時間が楽しいこと
・ママとのふれあいの時間が楽しいこと
・そんな赤ちゃんの様子をママが楽しめること


が大切です!


母乳育児を行っている方は、ママがキツい時には搾乳して与える、ミルクにしてみるという方法もあります。
肩の力を少し抜いて、楽しもう!という気持ちで今しかない授乳タイムと向き合っていただけると嬉しいです。

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