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公開 2016年02月19日  

見破った!小学校入学から1年間を振り返って分かった、「小1の壁」の正体はコレだ!

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小学校生活を初めてスタートした我が家が知った、「小1の壁」についてレポートしたいと思います。


小1の壁って、なんのこと!?

数年前から聞くようになった「小1の壁」という言葉。

誰が言い出したのかわかりませんが、私はこういうネガティブな言葉がちょっと苦手です。ネガティブにあおることで、楽しいことが煩わしいことに見えてしまう。小学校入学は成長の節目。ランドセルを背負う姿にじーんとするような、親にとって喜ばしいイベントのはずなのに、「そろそろ壁がくるわ~」とか「事前に対策を打たねば!」と思うなんて、もったいなさすぎる!と感じていました。

そんな我が家なので、昨年のいまごろも小1の壁対策などまるきりせずに、むしろ「ビバ小1!保育園最後をエンジョイしよう!」と言って卒園前の長男とともに、1ヶ月間もヨーロッパを旅したり、住み慣れた都内のマンションを手放して長野県伊那市に移住したり、6歳の彼に対して、今どんなことがしてやれるだろう。小さな子どもを持つ親として、私も夫も最後エンジョイしよう!と、能天気に過ごしていました。

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昨年2月。のんきに旅する我が家の様子。

知り合い0人の入学式も、息子はへっちゃら

そして我が家は、なんの壁対策もせずに小1に。しかも引越し直後で、近所に同級生がいるかすらわからない状態のまま、長男は小学校に入学しました。友達どころか知り合いすら1人もおらず、不慣れな土地で学校までの道順もかなり怪しい状態だったので、私のほうは不安ばかりでした。

それでも、本人はあっという間に友達を作り、毎朝、近所の子に混じって学校へ行き、帰りは一人で帰ってくるようになりました。今も心配は尽きませんが、それでもどんどんできることが増えていく長男の姿を見ていると、月並みなフレーズですが、子どもの成長って本当にすごいなと感激するばかりの1年でした。

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知り合い0人の入学式ですが、誰とでも友達になれるのは長男の特技。

親のほうは、焦りと心配とイライラと…

こんな具合で、子どものほうは、あっという間に小学生になったのですが、親の私はというと、見事にはまりました「小1の壁」。認めたくないですが、でもやっぱり4月はきつかったです。

なにが私や夫を苦しめたのか。

まず、入学直後の学校は午前中に終わってしまい、あっという間に子どもが帰ってきます。すぐに帰ってくるので、まるきり仕事の時間がとれません。学童に預ければよいのでしょうけれども、学童だって初日からいきなり長いこと預かってもらえるわけではありませんし、いきなり初日から夕方まで学童へというのは、子どももかなり疲れると思います。ただでさえ学校にだって慣れないのに、さらに夕方から別のコミュニティに行かねばならないわけですから。

大人に例えると、転職して新しい会社に入った初日から、勤務後に新しい英会話のグループレッスンも始めちゃった、みたいな感じでしょうか。考えただけで疲れる日程ですよね。初日からそんなにハードに過ごしたら、私だったら初日から学校も学童も嫌いになりそうです。

そんなこんなで、いきなり初日から夕方までというのは難しいところ。
結果、入学からしばらくは、子どもが家にいる時間が長く仕事がままならない。これがまず壁というか、仕事を阻む要因になりました。

当時のフェイスブックを見てみると、こんなことを書いていました。

== 2015年4月18日

越してきたばかりということもあり、学童なしで小学校生活をスタートしておりますが、むすこ2の入園も重なっているため
7:20 むすこ1学校へ出発    傘を持たずにいったらパラパラしてきたので追いかけて傘を渡す
8:40 むすこ2幼稚園バスへ
8:50-11:20 仕事タイム
11:30 むすこ2、おむかえ
12:30 むすこ2、おひるごはん
13:00 むすこ1、途中までお迎え
14:00 3人雨でびしょびしょになり、今帰宅。

今日はまだ、2時間半しか仕事していません。。とほほー

さらに、毎日のように、あれを持ってきてくれだの、集金でいくら必要だのと、学校からは山のようなタスクが親にふってきます。

これが全てプリントした紙できます。メールならまだしも紙。なくしたらおしまいで、夫婦で共有するのも困難な紙が大量にきます。紙というツールに不慣れすぎて、いつまでに・なにを・どうするかが、わけの分からない状態に!

当時のこんなつぶやきもありました。

今見ると、小さなことでかなりイライラしていますよね(笑)

ですが、入学式からこの日(4月15日)までの短い期間に、ものすごい量のタスクがあったんです。保育園の時なら1ヶ月くらい前からお知らせしてくれていて、こちらの都合を聞いてくれて、集金だってある程度まとめてしてくれていたけれど、そういう配慮が一切なし。

投稿にあるピアニカの4,900円にしても、たしか前日に、算数セットの2,800円だかを持たせたはず。細かいお金をぴったり用意するのだって、仕事をしていたら結構大変なんです。銀行へ行く時間なんてないんです。買い物の度に気を付けて100円を集めておいて、やっと2,800円持たせてホッとしたのに、またきた!と。いっぺんに言ってくれ!と。

この翌週には家庭訪問がありました。先生が来るのが何日の何時か知らされたのは1週間前です。もう仕事のアポイントが前後びっしり入っていました。結果、初めてのの家庭訪問を私は欠席。夫が先生をお迎えしました。

小1の壁の正体、見破りました!

こうして4月の序盤はイライラ過ごしていたのですが。どうしてこんなことになっているのだ!と、よーく考えたらだんだんわかってきたんです。小1の壁の正体が。わかったというより、やはり壁なんてなかったんです。

壁と思っていたのは親のほうだけで、よく見たら壁なんてどこにもない。保育園との違いに私が戸惑っているだけでした。

子どものほうはどんどん新しい世界に慣れていくのに、親がなかなかリズムがつかめない。子育て6年目にしてやっと仕事と子育ての両立に慣れてきたのに、またこんな大変化か…と。「壁だ!!」と名付けてぶーぶーいわなきゃやっていられないんですよね。

ただ、振り返ってみると保育園というのは、厚生労働省が管轄する「保育にかける子どもを養育」してくれる施設。親が仕事などで養育が難しい時間に、かわって養育をしてくれているということになると思います。養育そのものはもちろん大切だけれど、「親が仕事をしている(その他の理由もありますが)」ことが大前提になってました。だから、園や先生方が、親の仕事を邪魔するわけがないんです。むしろ応援してくれている印象さえありました。

でも、学校はそうではありません。義務教育です。
義務というのは、解釈が間違えやすいんですが「子どもが教育を受けなくてはならない義務」ではなく、親や国が「子供に教育を受けさせなければならない義務」です。親の義務だそうです。

幼稚園や保育園は義務ではありません。親が入れたいとか・入れたい状況といった「親の都合」で決めることができます。ちょっと語弊があるかもしれませんが、決定権は「親」にあります。ですが、小学校になると主が「子ども」にうつります。子どもは教育を受けて然るべきという前提。親の都合で決められることではなくなります。

義務教育については,憲法において,保護者が子どもに普通教育を受けさせる義務を負うことと,義務教育の無償が規定されている。(文部科学省のサイトより)

親としては、学校に入った途端にいきなり自分の都合を無視されて、子どもの都合が主役になるという新ルールについて行けなくなる。これこそが、小1の壁の正体だと思うんです。

小1の壁は、国が悪い、会社が悪い、社会が悪い、といろいろな議論がありますし、実際にそうなのかもしれません。制度や文化が変わったらもうちょっと楽になるのかもしれない。

でも、親のほうも「もはや、わたしの管轄ですむ話ではなくなった。子どもは1人の人間として、社会の中で明確に生き始めたんだな。そして、親はその背中を見守るのが仕事なんだな」と、認識する必要があると感じるのです。

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入学式の日、教室で。シャツが出てるとかいろいろ手を出したいけれど、見守るのみ。

7年前、生まれたばかりの息子はミルクやおっぱいをあげなければ生きてゆけなかったですし、当たり前ですがトイレだって自分でできません。移動ですら抱っこでないとできなかったですし、「眠る」のだって、私たちの手助けが必要だった。

だからつい、私たちと息子はセットのような気がして、親の都合に息子を寄り添わせてしまいがちでしたが、今はもう違います。ご飯は自分で食べられるし、トイレどころか学校にだって一人で歩いていけるようになりました。いつまでも、私たちの都合に沿って生きていていいわけがないんです。彼の都合もありますし、第一、彼の人生ですもんね。

そうはいっても、仕事をするのは、子どもを育てるためでもあるので、小1の壁によって仕事が立ち行かくなるのは困るのですが、でも、仕事が子どもの壁になっては本末転倒。もっといえば、仕事というのは生活のためと言いつつも、私が選んだ自分の人生の一部だなと思うんです。

「生活のため」だけではない「私のため」でもある仕事。だから私自身が、自分と仕事のあいだに折り合いをつけて、仕事をしながら子どもの成長をサポートするような、暮らしや考え方の工夫や練習が必要なのかもしれません。

まずは、5月の連休まで…!

ちなみに、思い悩んだ私が同級生の小学校の先生に相談したところ、こんなアドバイスを受けました。

5月の連休までがんばれ。GWでとりあえずいったん休んで整えられる。で、夏休みが明ける頃には、子どもたちも顔が違ってくるし、家族も慣れるから!」

「うそだ~!?」と疑っておりましたが本当でした。5月の連休はおどろくほどありがたい休暇で仕事の遅れも取り戻せましたし、夏にはかなり生活のリズムが整ってらくちんになりました。

今年、1年生を迎えるママパパもたくさんいらっしゃると思います。たしかにちょっと大変です。でも、保育園の入園当初に熱ばかり出して苦労していたあの頃と同じで、過ぎてしまえば「その時だけ」の苦労だと思います。リズムに乗るまで大変ですが、主役交代、いいデビューになりますように!

私の大好きな本にジブランの『預言者』というのがあります。一部引用します!

あなた達の子はあなた達の子ではない。

(中略)

あなた達を通して生まれてくるが、あなた達から生まれるのではない。
あなた達とともにいるが、あなた達のものではない。

(中略)

あなたは弓です。
その弓から、子は生きた矢となって放たれて行きます。
射手は無窮の道程にある的を見ながら、
力強くあなたを引きしぼるのです 。
かれの矢が遠く遠くに飛んで行くために。

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