前編では、株式会社メルカリで人事をご担当されている石黒さんご自身のキャリアや、育休を取るようになったきっかけについてお伺いいたしました。後編では、株式会社メルカリの社風や人事制度についてお話をお伺いします。
育休中の給与を会社が100%保障!メルカリが目指す「おもいっきり働ける環境」とは<後編>
9,589 Viewフリマアプリ『メルカリ』を運営する株式会社メルカリは、今最も成長しているスタートアップ企業のひとつ。そんなメルカリが2月1日にmerci boxという新しい人事制度を発表しました。業界を超えて大きく話題になっている、その人事制度の内容とは・・・?
「家族の一大事」それより大事な仕事はあるのか
−石黒さんご自身は育休も取り、家庭とのバランスをうまく取っていることがわかりましたが、他の社員の方についてはいかがでしょうか。
メルカリは、創業3年の会社とは思えないくらい、みんな帰りが早くてですね。公私のバランスがいい方が多いですね。21時以降に残っている社員というのは、ほんの数人のことが多いです。
家族と仕事のバランスで悩んでいるようなメンバーに「プライベートも大事にしてほしい」という意味でよくするのが、「家族の一大事にどうするか」という話。
例えがあまりよくないのですが、みんなきっと、「おばあちゃんの生命に係る一大事がおこった」ってなったら、すぐに仕事をやめておばあちゃんのところに行くじゃないですか。
そう考えると、大事な何かを放っておいてまでするべき仕事って何なんだろう?と思いませんか。つまり、「おばあちゃんの命」より大事な仕事って、世の中そんなにないんですよ。
その他にも「子どもの授業参観で」ってなったら、なぜ仕事を休めないのか。「子どもが風邪で」ってなったら、なぜ忘年会を休めないのか。
忘年会に行かなくて崩れる信頼関係があったとしたら、そんな信頼関係、最初から無いも同然です。
子どもが熱を出したとき、急遽休んで飛ぶような商談なら、子どもが熱出さなくても飛んでいた商談だし、それ以前に信頼関係を築けていなかった自分が悪いと思うんですよね。
「公正」と「平等」は違う。適切に評価する仕組みが重要
−石黒さんが人事として「働き方」を考えるとき、意識していることはありますでしょうか?
前職で人事の上司に言われた「人事は平等ではないが公正であれ」という言葉が記憶に残っています。平等、イコールというのは、みんなが同じことを同様にしよう、という考え方。公正、フェアというのは、違うものであってもそれを正しく評価する、ということです。
仕事って実は、全く同じポジションってなかなかないんですよね。だから、「みんなが平等に同じことをやること」ではなく、大切なのは「違う仕事であっても、フェアに評価すること」なのだと思います。
日本の企業では、まだまだこの平等、イコールの概念が強い。ですからみんな同じくらい残業して、同じくらいの時間帯に働かなくちゃいけない。でも、本来必要なのはフェアな評価です。
じゃあどうやったら「公正に・フェアに」評価できるかというと、そのためには成果の明確な軸がないといけないんですね。メルカリは、実力で評価される会社。だからこそ、しっかりとした評価軸が求められますし、評価のための面談も丁寧に行われています。
16時に一回帰宅。子どものご飯とお風呂を終えて、会食へ
−メルカリの人事制度はとても充実していると伺いました。具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
手前味噌ですが、メルカリは創業3年目のスタートアップとは思えないほど、人事制度が充実している会社です。
たとえば入社後すぐに有休が付与されたり(一般的には入社後半年で3日の有休付与が多い)、10時〜16時がコアタイムのフレックスタイム制度(エンジニアやプロデューサーは12時〜17時がコアタイム)だったり、副業を推奨していたり。
先日は男性初の育休取得者も出ました。
−石黒さんも利用している制度はありますか?
フレックスタイム制度ですね。
僕は人事という仕事柄もあり、勉強会や採用関連で会食に行くことが多々あります。例えば16時に仕事切り上げ帰宅、子どもをお風呂に入れてご飯を食べて、19時半にまた家を出て、20時から会食や勉強会に参加というようなこともあります。
2往復するのは馬鹿らしくない?と言われることもあるけど、僕にとっては、子どもとご飯を食べるその時間が大事。これはやっぱり外せない自分の「ものさし」なんですよね。
【編集後記】2月1日リリース、メルカリの新しい人事制度の発表を受けて
〜編集部後記〜
2015年12月に実施したインタビュー後、メルカリは2月1日に新しい人事制度「merci box」について発表しました。
「merci box」とは、社員の一人ひとりが「Go Boldにおもいっきり働ける環境をより充実させてていくため」の仕組みや制度をまとめたもの。
その中で、今回発表された新しい制度は以下の3つです。
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(1)社員の家族を含めた環境の支援
産休・育休支援の拡充
産休・育休期間中の給与を会社が100%*保障する制度です。安心して出産や育児に専念できる環境を整えています。
女性:産前10週+産後約6ヶ月間の給与を100%保障
男性:産後8週の給与を100%保障
育児・介護休暇の有償化
子どもの看護および家族の介護で休暇を取得する場合は、5日間を特別有給休暇とし最大で10日間まで休暇取得が可能です。(1年あたり)
(2)万が一の時のセーフティライン
病気やけがの時のサポート
病気やけがにより仕事ができない期間、経済面も安心して入院や治療に専念できるような支援を整えています。
全社員の死亡保険加入
メルカリで働く全社員に対して死亡保険に加入することで、万が一の時に社員の家族を最大限支援します。(数千万円~)
(3)ライフイベントのサポート
結婚休暇&お祝い金
結婚にあわせて、特別有給休暇(5日間)とお祝い金(5万円)を支給しています。
出産休暇&お祝い金
子どもの出産にあわせて、立会いに十分な特別有給休暇(3日間)とお祝い金(10万円)を支給しています
慶弔時の支援
上記の結婚や出産時はもちろん、万が一の不幸があった場合にも特別有給休暇(3日~7日)や弔慰金(5~10万円)でサポートします。
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育休中、給与を会社が100%保障するのは、「スタートアップだからこそ人に投資する会社でありたい」という経営からのメッセージとのこと。また、子育てだけではなく、疾病時や介護の時にもサポートの仕組みが充実しているところが、社員としてとても嬉しいですね。
石黒さんがおっしゃるように、一人ひとりがより働きやすく、一人ひとりの成果がしっかりと評価される会社にしたい、という想いが反映されている制度だと感じました。
事業が好調で注目を集めているメルカリさんが、先陣を切って新しい取り組みにチャレンジしてくださったことで、一人ひとりの働き方が尊重され、どんなライフスタイルであっても成果でしっかりと評価される会社がどんどん増えていくといいですね。
Conobie編集部はこれからも、多様な働き方を大切にしている人や職場に注目していきたいと思います!
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