雛人形の飾り方は?飾る向き、場所、左右はどっち?
4,208 View女の子の健やかな成長を祝うひな祭り。古くから伝わる伝統行事ですから、どうせなら正しい方法でお祝いしたいですよね。ひな人形の飾り方には地域差もありますが、まずは一般的な決まりを確認しましょう。
雛人形はいつから飾ればいいの?
■ひな祭りってなに?
ひな祭りは、女の子の健やかな成長を祈る行事です。ひな人形と桃の花を飾り、ひなあられや菱餅を供えます。ひな人形は子どもに降りかかる厄(よくないこと)を代わりに引き受けてくれる身代わりの人形として飾ります。
■ひな人形を飾る時期
ひな人形を飾る時期で最も早いのは節分の後の「立春」からとされています。ひな祭りは春を寿(ことほ)ぐ意味も含む節句だからです。
ただし、地域によってはお正月の松が明けたら(1月8日以降)飾ってもよいとされていたり、大安に飾るの良いとされるところもあるようです。また、月遅れの4月3日がひな祭りという地域もあり、この場合は春休みが始まる頃に飾るのが一般的です。
立春の他には、「雨水」の日も良いとされています。この日にひな人形を飾ると、良縁に恵まれるという言い伝えがあるためです。雨水のは2月19日頃で、冬から本格的な春へと移り変わる節目とされる時期にあたります。
雛人形を飾るポイント①飾る場所
環境が悪いと大切なひな人形が傷んでしまうので、飾る場所には注意する必要があります。直射日光と湿気は、人形と身につけている絹の着物の大敵なので、飾る場所は一日を通して直射日光が当たらず、湿気のこもらない位置を選びましょう。
最近では省スペース化を図った男雛と女雛(お内裏様とおひな様)だけの人形も人気です。広いスペースを取られない分、飾る場所に融通が利くのでひな人形にとって良い環境となる場所を選んで飾りましょう。
雛人形を飾るポイント②人形を飾る順番
もともとのひな人形は男女1対のみで、7段飾り、5段飾りなどはその派生形です。段が多くある人形を飾る際には、上段から先に置いていきましょう。万一、手が滑って落としてしまった時に、下にある人形を傷つけないようにするためです。
雛人形を飾るポイント③人形の向き
どちらを向いていなければいけないという決まりはありませんので、基本的には自宅の飾りやすい場所で大丈夫です。ただ、環境が許せば東向きや南向きが良いとされています。北枕などと混同して、北方向に置いたり向けたりするのはが良くないのではと不安になる人もいるですが、気にしなくても大丈夫。直射日光や湿気のあたらない環境を優先して問題ありません。
雛人形の並び順・並べ方
飾り台の上での並べ方は、地域によって微妙に異なるようです。お内裏様とお雛様の位置は関東と関西で異なっており、関東は男左女右、関西は男右女左になります。官女・仕丁の持ち物の飾り方にも違いがあるようです。
基本形の7段飾りでは左から、以下の順に並べます。
■1段目 親王(お内裏様、お雛様)
お内裏様の冠は、纓(えい)がまっすぐ立つようにかぶせ、笏(しゃく)は右手、太刀(たち)は左の腰の袖の下にいれて、後ろの方はぴんとはね上げるようにします。お雛様の桧扇(ひおうぎ)は、開いて手にもたせて(手が袖にかくれているときは、袖の内側にはさんで)あげましょう。
■2段目 3人官女(銚子、中央座り、長柄銚子)
銚子は右手を握って、左手を開いています。中央座り(または高坏(たかつき))は眉毛をそっている女官長で、お三宝か島台を持ちます。長柄銚子(ながえのちょうし)は両手を握っています。
■3段目 5人囃子(太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡)
■4段目 右大臣・左大臣
木目込み人形で双方が同じ顔をしている場合は、黒っぽい衣裳のほうを右に置きます。一般的には左大臣がおじいさん、右大臣が若者の姿をしています。冠・刀・弓・背の矢・手持ちの矢をつけます。背の矢は、帯に差し込み、紐付きの場合はお腹にまわしてしばります。
■5段目 仕丁(怒・台傘、泣・台傘、笑・沓台)
御所内の清掃係りを表現しています。怒っている仕丁は台傘(だいがさ・日傘)、泣いているのは台傘(たてがさ・雨傘)、笑っているのは沓台(くつだい)を持ちます。京都風では、箒(ほうき)・熊手(くまで)を持ち、ちりとりは前に置きます。
■6段目
■7段目
七段飾りのときは、六段目と七段目の飾りに、厳しい決まりはありません。食器やたんす、お化粧道具などは段の上に、お駕籠(かご)や御所車は下の段に置くと美しく見えます。なお、桜、橘(たちばな)は、桜を向かって右(左近の桜)、橘を左(右近の橘)に置くようにします。
綺麗に飾れたなら、写真を撮っておくと、翌年はそれを見てスムーズに飾れますよ。
まとめ
ひな人形を飾る期間は、ひな祭りが終わってすぐまでとされています。「いつまでも飾っておくと婚期が遅れる」などともいわれていますが、実際は子どもに対して「後片付けはすぐにするもの」と教えるためだという説もあるようです。
女の子の健やかな成長を祝うひな祭り。美しいひな人形とともに、家族みんなでお嬢さんの成長をお祝いしましょう。どうぞ素敵なひな祭りをお過ごしくださいね。
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