雛人形を飾る意味とは?いつから飾るの?由来、飾る時期、ポイントまとめ
20,354 View女の子のいるお家なら毎年飾りたい「雛人形」。しかしどんな由来があるのかは、意外と知らなかったりしますよね。ひな祭りのはじまりや、雛人形を飾る意味、正しい飾り方など、ひな祭りにまつわる正しい知識をご紹介します。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10330000624ひな祭りって、どんな行事?
「ひな祭り」とは、3月3日の桃の節句に、雛人形を飾り菱餅や白酒、桃の花などを供えて女の子の健やかな成長を願う年中行事です。また、「雛人形」とは、子どもの身代わりとされ、病気や事故などの災厄から子どもを守ってくれるものとされています。
当たり前のように飾っている雛人形ですが、古来からの年中行事でもありいろいろな由来や意味がありそうですね。雛人形の正しい飾り方を知り、ひな祭りをより楽しんでみてはいかがでしょうか。
雛人形の意味と由来
ひな祭りのルーツは、「上巳(3月上旬の巳の日の意)の節句」と言われています。季節の節目に邪気をはらう行事として「人形(ひとがた)」に自身の穢れをうつして川に流した「流し雛」の習慣と、平安時代に貴族の子女の間に広まった、紙の人形を使ったままごと「ひいな遊び」が結びつき、「ひな祭り」へと発展したとされています。
「ひいな」とは「ひな」の古語で、大きなものを小さくする、小さくてかわいらしいものという意味です。
やがて江戸幕府によって五節句が制定されると、3月3日は「桃の節句」となり、美しい雛人形を飾って女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」が定着したのです。
雛人形の種類は?
ひとくちに雛人形といっても、たくさんの種類があるのをご存知ですか?雛人形には、大きく分けて「衣裳着人形」と「木目込み人形」の2つがあります。
■衣裳着人形
衣裳着人形とは、仕立てた衣裳を着せ付けた雛人形です。一般的に多くの方がイメージする雛人形は衣裳着人形ではないでしょうか。比較的大きめの人形が多く、華やかに仕立てられた十二単を着ているので豪華な印象になります。
お顔立ちは、細面の大人びたお顔立ちの人形が多いようです。木目込みの人形に較べると形が複雑なので、ほこりを払ったり型崩れをしないように慎重に扱う必要があります。
■木目込人形
木目込(きめこみ)人形とは、木で作った型の溝に沿って布を貼り込んで作る人形です。比較的小さいものが多く、飾り場所や収納スペースを取りません。木のぬくもりを感じる丸くてかわいらしいものが多く、お顔立ちも手書きで優しいお顔立ちです。
勺(しゃく)などの道具が人形に取り付けてあるため、飾るのに手間がかかりません。また、木製の型に衣裳を張り付けてありますので型崩れしにくく、非常に長持ちするのも特徴です。
雛人形の飾り方の種類
雛人形には、その飾り方にもさまざまな種類があります。ここでは代表的なものをご紹介します。
■親王飾り
最上段の男雛と女雛だけを飾り、後ろに屏風を立て、ぼんぼりなどの飾りを配したシンプルな飾り方です。豪華さに欠けるという印象もありますが、人形が2体だけですので、そのぶん豪華な人形を選ぶこともできると言えます。
最近ではアクリルやガラスのケースに入ったまま飾る「ケース飾り」も多く、出し入れが簡単でほこりなどがつかないことから人気となっています。
■三段飾り
最上段に男雛と女雛、2段目に三人官女、3段目に御所車や駕籠(かご)、重箱などの道具類を飾ります。親王飾りに較べてボリューム感が出るので見栄えがしますし、7段飾りほどスペースも取らないということで人気があります。
お人形を飾る台がそのまま収納用の箱になる「収納飾り」も増えてきています。
■七段飾り
古来より、7は縁起の良い数字と言われており、7段の台に15体の人形と装飾品が飾られます。15もまた縁起の良い数字と言われたため、別名「15人飾り」とも呼ばれています。
最上段、2段目は3段飾りと同じですが、3段目に5人囃子、4段目に右大臣・左大臣、5段目には3人の仕丁を、6,7段目には道具類が飾られます。人形や装飾品の数も多く、ぐっと豪華になります。
戦後、7段飾りの飾り方が統一され主流となりましたが、スペースや価格の観点から最近では少なくなってきているようです。
雛人形は何歳まで飾るの?
子どもが小さいころには毎年飾っては祝っていたひな祭り。でも、飾りつけも面倒だし、成長するにつれてお雛様にも興味がなくなってしまった・・・なんて声も聞こえてきます。実際、雛人形は子どもが何歳になるまで飾るものなのでしょうか?
一番多いのは、「小学生のころまでは飾っていた」という家庭と、「お嫁に行くまでは飾っていた」という家庭。でも、雛人形のそもそもの由来は、「子どもの身代わりとなり、災厄から守ってくれる」というもの。ですから、答えは「お嫁に行っても、何歳まで飾っても良い」のです。せっかくの雛人形ですから、いくつになっても毎年飾ってあげたいものですね。
ただし、雛人形は身代わりとなって災厄を引き受けてくれるものですから、お嫁に行くときに持って行って自分の娘に引き継いだりすることは避け、新しいものを用意してあげた方が良いようです。
雛人形を出す日はいつが良い?
では、雛人形はどのタイミングで飾れば良いのでしょうか?地域や風習によってもさまざまですが、立春(2月4日ごろ)から2月中旬の間に飾るのが一般的です。節分の豆まきで厄を払ってから雛人形を飾るということのようですね。また、ひな祭りの由来が水に関係する行事だったことから、24節季のひとつ「雨水(雪が雨に、氷が水に変わる頃という意味で、だいたい2月19日ごろ)」に飾るのも良いとされています。
子どもの健やかな成長を願う行事であることから大安の日を選んで飾るという人もいますが、難しい場合にはあまりこだわらなくても良いようです。ただし、遅くともひな祭りの1週間前までには飾るようにしましょう。
雛人形を出すときのポイント
いつまでもきれいな雛人形を楽しむために、雛人形を飾る際のいくつかのポイントをご紹介します。
■雛人形を飾る場所は、前もって掃除しておく。
雛人形を飾ってしまうと、しまうまでは掃除をするのが大変です。人形を汚してしまわないためにも、前もって掃除しておきましょう。
■湿気の多い場所・直射日光の当たる場所は避ける
雛人形を飾る場所を選ぶ際には、上記のような場所は避けましょう。湿気が多い場所はカビの原因となりますし、直射日光は退色・変色の原因となってしまいます。
■人形に直接触れないよう、手袋をする
人形の顔などに汚れがついてしまうと、なかなか落とすことができません。人形に触れるときは清潔な手袋をして、人形を汚さないようにしましょう。
■多段飾りの場合は、上の段から飾る
飾る順番を確認しながら、上の段から飾りつけていきましょう。万が一人形や道具類を落としてしまった場合に、下の段の人形などを傷つけないようにするためです。
■飾り終えたら写真を残しておく。
正しく飾り終えたら、その状態で写真を残しておきましょう。次の年に飾りつけをする際に悩まずにすみます。
雛人形はいつまで飾ればいいの?
では、雛人形はいつまで飾るものなのでしょうか?「3月3日を過ぎたらすぐしまわないと、お嫁に行くのが遅くなる」とよく言われますがこれは迷信で、「きちんと片づけができるように」というしつけのために言われていたことのようです。
また、「早く片付く=早くお嫁に行ける」とも考えられており、このような迷信になったと言われています。実際には、雛人形は遅くとも3月中旬ごろまでには片付ければ良いようです。
その際には、湿気がこもってカビが生えるのを防ぐため、天気が良く湿度の低い日を選び、人形や道具類のホコリをはらってから、人形専用の防虫剤を入れてしまいます。人形の顔には和紙などやわらかい紙を巻いてあげましょう。
しまう場所も、湿気が多かったり直射日光の当たる場所は避けるようにします。乾燥剤などを入れすぎてしまうと変色の原因になることもありますので適量を入れるようにしましょう。
まとめ
毎年なんとなく飾っている雛人形ですが、女の子の健やかな成長を願う親の気持ちが託された古来からの行事だと思うと、きれいなお雛様がよりいっそういとおしく感じられますね。長いお付き合いとなる雛人形。これから選ぶという方も、数ある雛人形の中からぜひ自分だけの雛人形を見つけてくださいね。
ひな祭りは年に一度の華やかな女の子のお祭りです。自分の両親や祖父母がしてくれたように、その由来や意味をかみしめつつ雛人形を眺めながら、楽しく大切にお祝いしていきたいですね。
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