ベビーマッサージ講師として
活動を始めて7年半。
たくさんのママたちから
育児相談を受けてきました。
その中で、
「しんどいときにも、母親は笑顔でがんばらなくてはいけない」
という声をときどき耳にします。
どんなに体調がわるくても、
イライラしていても、
疲れていても、
お母さんはがんばらなくてはいけない。
なぜなら「母親は太陽だから」。
多くのお母さんがそうおっしゃいます。
家族を照らす太陽でいたいから。自分はいつも笑顔でいたいんです、と。
素晴らしいことだと思いますが、果たしてそれでいいのでしょうか。
もしその太陽が無理して笑っていたら?
本当はつらくてしんどくて泣きたいのに、
無理してがんばっているのだとしたら?
わたしはやっぱり休ませてあげたい、そう思うのです。
娘に泣いてほしいから、私は「太陽」のような母親ではいたくない
102,340 View泣きたいときも怒りたいときもたくさんあるのに、いつも家族のことを考えて明るく笑っているお母さん。家族のためと思っているけれど、本当にそれでいいのでしょうか?泣いたり怒ったりする方が、家族に良いこともあるかも知れませんよ。
お母さんは「太陽」ですか?
イライラするときだって、がんばれないときだってある
だって、わたしたちは人間ですもの。
太陽じゃない。
ずっと照らし続けることなんてできません。
人が生きていくにはバランスが大切です。
光があって影があるように、
動があって静がある。
笑顔もあれば、怒りも悲しみもある。
子どもや家族と暮らす喜びもあれば、
つらいときも、泣きたいときも、
イライラするときも、
がんばれないときもあって、当然なんです。
曇りの日や雨の日があるから、晴れの日に笑顔で過ごせるのです。
それでも、あたたかい光で家族を照らし続けている理由
わたしはツイッターをやっているのですが、直接お会いする方に比べて、Web上では「休みたい」と正直におっしゃる方が多い印象があります。
どうしてでしょうね。
現実よりもWebの方が、本音が言いやすいのかも知れません。
そんなツイッターで数年前につぶやいた言葉で、とても大きな反響があったものがあります。
「お母さんは太陽であるべき」と自分で思っているママが多い気がする。生理のときに鎮痛剤飲んで笑顔で夕飯作ったりするから、それで当たり前だと思う男子が育つ。女性は月なんです。満月もあれば新月もある。しんどい姿を見せて、それを大切にしてくれる男子が育つ方が将来の彼女も幸せ。
— ママぞう (@mamazou3) September 15, 2013
2年以上前につぶやいた言葉なのですが、当時あっという間に2,000以上もリツイートされ、今でもときどきリツイートされ広がり続けています。
どうしてこの言葉にそんなに反響が集まったのか。
わたしなりに考えてみたのですが、
「しんどくてもがんばっているけれど、やっぱり本当はそれを察して優しくしてほしいんだよ」
と思うお母さんたちの願いの表れなのではないでしょうか。
母親は確かに強いです。
でも「母親なんだから強くて当たり前」と言われるのは違う。
強いのは当たり前のことなんかじゃなくて、本当は泣きたいときもあるし、イライラするときもあるけれど、それでもがんばっているんです。
愛する家族がいるから強くなるしかないんです!
もしお母さんがいつも笑っているのだとしたら、
それはすごいこと。
強くて当たり前、太陽で当たり前なんて思わないでほしい。
でもだからと言って、心配をかけたい訳ではないから、今日もがんばってしまうのが、お母さんなのです。
どんな天気(感情)も受け入れて、歩いていきたい
天気にも人の心にも、太陽の日もあれば雨の日もあります。
くもりの日もあるし、風が吹く日もある。
そして、お母さんにもいろんな日があり、
子どもにもいろんな日があるのです。
しかしそれを無視して「◯◯でなければいけない」とがんばり続けることは大変なこと。
わたしの大好きな絵本「マドレーヌと犬」の中に、「ふっても てっても」という言葉があります。
文字通り、雨が降っても太陽が照っても、という意味で、主人公のマドレーヌはどんな天気の日でも変わらず毎日散歩に行きます。
この言葉を読むと、人間らしいってこういうことだなあと思うのです。
どんな天気(感情)も受け入れて、歩いていく。
いろんな日があるけれど、それでも毎日歩いていきませんか?
つらいときには泣いていいと伝えたいから、私は泣く
わたしには4月から小学5年生になった娘がいます。思春期の入り口です。
実は娘が3歳くらいの頃からずっと、まさに今くらいのこと、思春期になる頃のことを想像しながら子育てしてきました。
今のところ、身の回りででいじめが起きたという話は聞いていませんが、思春期になるとそろそろ、いついじめが起きてもおかしくないとは思っています。
もしも自分の娘がいじめられて帰ってきたときに、どんな態度をとってほしいか。
それを想像しながら子育てしてきました。
「どうしたの?何かあったの?」と尋ねたときに、本当はいじめられてつらいのに、にっこり笑って「ううん、何もないよ。大丈夫」と言ってほしいのか。
それとも正直に「つらいよ。しんどいよ。」と泣いて打ち明けてほしいのか。
わたしは後者です。
娘がつらいときには、ちゃんと話してほしい。
だからそういう背中を見せてきました。
見せた背中の通りには育たないことは百も承知の上で、娘には素直に感情を出せる子になってほしいから。
自分ががんばりすぎないことで、「がんばりすぎなくていいんだよ」というメッセージを送り続けているつもりです。
外ではきっとがんばるだろうから、
家では安心して弱音を吐いてほしい。
そう。
きっと親ががんばっている姿を見せなくても、
子どもはちゃんとがんばると思うのです。
そこは安心して子どもを信じてよいのではないでしょうか。
放っておいても子どもはがんばる。
だから親にできることは、子どもが安心して泣いたり怒ったりできる環境づくり。
そのときに笑って迎えたり、
一緒に泣いたり怒ったりできるように。
親も子も同じですね。
言われなくてもがんばってる。
だからがんばりすぎずに、泣いたり笑ったりして生きていきましょう。
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