子どもと毎日過ごしていると、いろんなことが気になってきますよね。
年齢や環境にもよると思いますが、例えばこんなことが気になったり、子どもに注意したことがある方も多いのではないでしょうか。
・テレビを見る時間が長すぎる
・夕食の時間が遅い
・寝る時間が遅い
・好き嫌いをする
・良くないものばかり食べる
・ゲームをやって困る
・鉛筆やお箸の持ち方が違う
・英語は今から習わせたほうがいいの?
・着換えが遅い
・歯磨きを嫌がる
・片づけない
・爪を噛む などなど。
こうしたひとつひとつを、根気よく愛をもって"こうだよ"と伝えていくことは、親の役目ですよね。
私が子どもに伝えたい事は、学力でも礼儀正しさでもなかった
40,127 View日常の中で、テレビを見すぎないとか、ゲームをどうするとか、英語を習わせたほうがいいのではとか、お箸の持ち方とか、言葉遣いとか。子どもに対して気になることや、教えてあげたいことは山のよう。
それらをひとつひとつ根気よく、愛をもって伝えていくことが親の役目だとは思いますが、とはいえ、こういう些細なことって、結構、親のほうが焦ったりイライラしたりしませんか。
毎日の小言や注意って、ほんとに必要?
小さな出来事に対して、「それはOK」「これはだめ」「よくできたね!」と、何度も何度も伝えていくことで、さまざまな部分がじわじわと成長していくのではないかと思います。
そしてそれが1人の大人になってゆく材料になっていくんですよね。
けれども、こうした些細なことって、意外と親も消耗しませんか。
わたしはぜんぜん完璧にできないです。
余裕があれば「教育」かもしれませんが、なにせ日常ですから、親のほうもつい「ぶーぶー」と言ってしまうことも。
何度言っても直らないこともありますし、こちらの疲労や焦りなどの状況によって、注意する範囲が広くなったり狭くなったりしてしまうことだってあります。
たとえばこんな日、ありませんか?
たとえばこんな日、ありませんか?
1日中頑張ったけれど仕事が終わらず、ギリギリまで残業。
それでも終わらなくて宿題にして持ち帰って電車に飛び乗って。
保育園にダッシュで迎えに行くも、5分遅刻で先生にチクっと言われてぐったり。
夕食の買物をしたいのに、子どもが靴を履くのを嫌がって、イライラしてきて叱ってしまう。
保育園の大量の荷物と子どもを抱えてスーパーへ。
もうクタクタだからお惣菜を買っていたら、子どもが「おやつが欲しい」とごねて、また叱って。
叱ったくせに、長びくと遅くなるし、子どももかわいそうになって、結局おやつも買ってしまう。
保育園の荷物に加えて買物の荷物まで抱えたら、もううんざりで思わずタクシーに。
あーあ1000円も…と歩けなかった自分にがっかり。
家に到着するなり洗濯物を整理しながら子どもの手洗いを見ていると、子どもは水だけで適当に手を洗ってたりして、「インフルエンザになるー!」とまた叱る。
ご飯の支度の間だけと子どもにテレビを見せながら、お惣菜をあたためる。
でもこれだけじゃな~と罪悪感があったりしてお味噌汁を作ろうとする。
子どもがお腹がすいたというので、さっきのおやつを少し渡す。
まだ食べたいと言ってまたおやつを取りに来くるからまた渡す。
やっと準備ができて「ごはんだよー」と呼ぶと、今度は子どもがテレビから離れない。
「いつまで見てるの!」と、またバトル。
半べそで食卓についた子どもは、ろくに食べない。
ほらっさっきおやつ食べたから!とまた叱る。
パパがフォローをするも、それさえイラッとくる。
子どもがぐだぐだ食べていると、あーもう8時だ。
9時には寝かせなきゃなのにー!と焦って今度はお風呂の用意。
もちろん、子どもはぐずって入ろうとしない。
9時に寝かせないとまずい、仕事も残してきたんだった!と焦る。
早く早くと言いながらお風呂に入れる。寝かしつける。
なかなか寝ない。
ウトウト…とつい子どもと一緒に眠ってしまう。
明け方「わーーー!仕事があったんだったー」と早朝に目を覚ます。
でも、なぜか子どもも一緒に起きてくる。
仕事にならず。
そして最初に戻って繰り返す。
子どもに伝えたいことって、なんだったんだろう
先の例は働くお母さんですが、幼稚園ママでも同じですよね。
園の行事や習い事。ほかのお母さんから入ってくる"よさそうな"教育情報への焦り。
いろんな要素が重なって、全部やろうとするのにできない。
それでも、"ちゃんとしなくては"と、小さな一つ一つのことを教えてあげようとしたり直そうとする。
でも、そんなにうまくはいかない、イライラする。
小さな小さなことが積み重なって、ガミガミ、ガミガミ。
ママも子どもも、ほかの家族も、こういう日常って"しあわせ"なんでしょうか。
わたしは、ガミガミしている自分って、一番へこみます。
みんなをピリピリさせちゃって、自分が悪者みたいな気持ちにもなってきます。
こんなに大変なのであれば、もういっそ、小さなことを気にするのを、いったん止めちゃったらどうなんだろうと思いました。
イライラして自分のことも子どものことも愛情たっぷりに見られなくなってしまうくらいなら、テレビ時間が多少長くたって、寝るのが22時だって、おふろや歯磨き1日やらなくたっていいような気がしてきたんです。
ちゃんとできる日もありますし、1日のうちで10項目の3つくらいできていれば、1年で結構いろいろ伝えてあげられるはず。
仕事でKPIあげていくのと一緒です。
ちょっとずつちょっとずつ。
もちろん、日常の積み重ねは大切ですし、できる人はやればいいと思うんです。
でも、時間や気持ちやお金のゆとりがない時に、100%やろうとしたってむしろ大惨事になるのが我が家。
妊娠し、お母さんになるとわかった日に思い浮かべた子どもとの暮らしは、日常の小さなことを完璧に教えてガミガミする姿ではなかったはずなのに。
わたしが子どもに本当に伝えたいことって、なんだっけ?とわからなくなってきます。
たとえば、笑ってご飯を食べる。
転んだ子どもを抱きしめる。
家族で散歩をする。
妊娠中は、きっと誰もがそんな日々を思い浮かべていましたよね。
それなのに、実際に子どもが生まれてくると、これが驚くほど難しい。
だけど、「小さなことを完璧にやろうとする」という意識を捨ててみると、不思議なことに妊娠中に思い浮かべていた姿に近づいていったのです。
好き嫌いしても、ご飯の時間が20時になっちゃったとしても、笑ってご飯を食べられたらいいですよね。
だって、わたしはこの子と笑ってご飯が食べたかったって思うんです。
実は見逃している生活の中の「大きなこと」
小さなことは日々気になるものですが、実は意外と「大きなこと」を見逃している気もしてきます。
日常にある小さなことには気が付くのに、「大きなこと」は見えにくいのです。
たとえば、こんなことを考えてみませんか。
・パパもママも、仕事の量や時間は適切ですか?
・そもそも、その仕事や会社は好きですか?楽しいですか?
・子どもと、じっくり向き合う時間やゆとりはありますか?
・夫婦で、仲良くできていますか。信頼関係はありますか?
・お家の時間は楽しいですか?
・今の自分が好きですか?
・明日が楽しみですか?
我ながら正視するのがちょっと怖いリストではありますが、実はこうした「大きなこと」を整理することが、子どもや自分のためだになると誰しもどこかでわかっていて、見ないことにしているような気がします。
テレビを長く見るとか、食べ物の好き嫌いが激しいとか、英語が話せるということよりも、パパやママがどんな風に生きているかの方が、ずっと子どもに大きな影響を与えているのではないでしょうか。
小さなことでイライラしたり消耗したりしてしまうなら、思い切って「大きなこと」から改善しちゃうのもいいのかもしれません。
私が子どもに伝えたいこと
ガミガミするのが嫌で、いろいろ考えてみたのですが、結局のところ、わたしが子どもに伝えていきたいことは、英語力でも、コミュニケーション能力でも、礼儀正しさでも、生活の正しさでも、学力や金銭感覚でもありませんでした。
私が子どもに伝えていきたいことは、
人って楽しそう。
仕事をしてみたい。
結婚っていいな。
そんな風に、"自分の未来に自信を持つ"こと。
先日、マレーシアから遊びに来てくださったご家族が、"大人を羨ましくなるような子育てを"とおっしゃっていて、本当にその通りだと思いました。
未来に希望みたいなものがあったら、なんだかもうそれでいいような気がしますよね。
難しい問題や、苦しいことがあっても、明日が楽しみ、あさってはもっと楽しみ。
そういう大人になれたらいいなと。
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