子どもが小さいうちはどこの家でもお金も時間もないものです。
でもそこを何とか工夫することで、思いがけずいい結果が生まれることがあります。
わが家も3人の子どもが小学生の頃はお金も時間もありませんでした。
当時、子どもたちの洋服はすべておさがり。
「おさがり」といっても今の人はわからないかもしれませんね。体が大きくなって着られなくなった年上の子の服を年下の子へまわすことです。
わが家では古くなった個所をちょっと手直ししたりして着せていましたね。
おやつも買うと高くつきますから、手作りしていました。
知恵を働かせながら手直ししたり手作りしたりする生活です。
なかでも思い出深いのは、お金をかけずに家族で楽しんだ北海道旅行です。
いい環境にあるから、いい子育てができるとは思わない。
41,643 View「だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です ママたちとの対話から生まれた 子育ての知恵ツイート41」(著:陰山英男)より、全10回にわたり「知恵ツイート」の一部をご紹介いたします。
第5回目は「いい環境にあるからいい子育てができるとは思わない。むしろ条件の悪い所をどう克服するかという知恵がいい結果を導く。」をご紹介します。
金がなかったり、時間がなかったり、いい環境で子育てできたわけではないが、何かしらの工夫をしてきた。そもそも子育てでも仕事でもいい環境があるのはむしろ稀で、なおかついい環境にあるからいい子育てや仕事ができるとは思わない。むしろ条件の悪い所をどう克服するかという知恵がいい結果を導く。
— 陰山英男 (@Kageyama_hideo) August 4, 2014
知恵と工夫で乗り切って楽しむ
あるとき、北海道旅行をした近所の人の話を聞いたのがきっかけでした。
とても楽しい体験をしてきたというので、わが家も子どもたちを連れて行こうということになりました。
しかし、気になるのは費用。こっそりと近所の人に聞くと60万円かかったというのでびっくり。
とても出せる金額ではありません。そこで半額の30万円で北海道旅行をしようと決めました。
北海道にはキャンプ場がいくつもあります。ワゴン車にキャンプ用品を積んでキャンプ場を渡り歩いて寝泊まりし、汗をかいたら無料の野天風呂に入ったりもしました。
キャンプ場のない土地では公共の安い宿に泊りました。
食事も節約。
小樽では新鮮な海の幸をコンビニで買ったご飯の上にのせた海鮮丼です。
驚くほど安くて、しかもおいしい。
小樽から入って、札幌、網走、知床の先っぽ、釧路湿原へと回り、結局10日間で家族5人北海道半周し30万円ですみました。
他の人が行かないような所にも行けて本当に楽しい旅行でした。
逆説的にいうと、お金を出してもできないわが家だけの北海道旅行ができたのです。
お金がないことを子どもに謝らなくてもいい
お金がなかったり、子どもにかける時間がなかったりすることを後ろめたく思っているお母さんは少なくありません。
でもそんなことを思わないでください。
「うちはお金がなくてごめんね」などと謝ったりしないで。
お金と時間がなければ、いい子育てができないと自ら認めているようなものです。
子どもにしてみれば、いい環境で勉強するのが標準だと思い込んでしまいます。
長じていい環境で仕事ができるのが当たり前と思うようになるかもしれません。
でも、考えてみてください。
潤沢な予算で仕事をしている会社などありません。
だれもが、ぎりぎりの予算の中で知恵を出し合って仕事をしています。
子育ても同じです。
お金がなくても、時間がなくても、それをどう克服するかに知恵を働かせることで楽しみが生まれたりもします。
お金がないからこそ人間は工夫するようになります。
条件がいいと、考えなくなってしまいます。
だからいい環境で育てられないことに引け目を感じる必要はないのです。
親の収入がいいと子どもの偏差値も高いという統計がありますが、
これを鵜呑みにしてわが家はお金がないからとあきらめてしまうのは悲しいことです。
この統計は都市の一部の話。全国学力テストの結果、上位は県民所得がそれほど高くないはずの秋田や福井であると考えると、親の所得が決定的なはずがありません。
大切なのは、早寝早起き朝ごはん。
家庭が貧しくてもいい結果を出すことはできます。
親の収入と偏差値の高さが比例しているというのは、知恵と工夫を働かせる余地がまだまだあると、私は受けとめています。
陰山英男さんの記事一覧はこちら
また俵万智さんより、「1分書評」でも紹介されています。
1
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とげとげ。
2
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3
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多喜ゆい
4
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