人前で子どものことを「かわいい」って言ってもいいの？

「うちの子は全然ダメなのー」「うちの子も落ち着きがなくて…」

親たちは謙遜のつもりでいっていたのかもしれませんが、私は、「そんなにダメな子なの？」と感じていました。

その後、家でフォローがあったわけでもなく、なんとなく寂しい気持ちになっていました。（幼かったため、多少、記憶の塗り替えがあるかもしれません）

少し大人になって、世の中というものを、自分なりに理解してきた頃、人前で自分の子どもを褒めるのは、あまりよくない事なのかもしれない、と思うようになりました。

褒めている人は周りにいなかった気がするし、褒めたところで、「図々しい！」みたいな空気になっていたと思います。
そして、その考えは変わらないまま、私は結婚し、息子を出産しました。

出産して、夜泣きや寝ぐずり、乳首が切れたり、うんちが背中漏れしたり、腱鞘炎になったり…。

大変な事の方が多かったのですが、微笑み返ししてくれた時や、ぷるんぷるんのほっぺを触った時、赤ちゃん独特の匂いのする頭をクンクンした時など、骨の髄から、かわいい！かわいい！と思うようになりました。

身体の中に溢れんばかりのかわいいの気持ちがあるのに、口に出そうとすると、なかなかうまく言えませんでした。
喉のところに鍵がかかっている感じがしました。

自分の身内や、近所の人が揃って
「うちの孫はかわいいから」「うちの孫も利口そうな顔してるから」と、
あの時の記憶とは全く違うことを言っていました。

中でも義理の母は、離れて暮らす孫に会うたびに「かわいい」と連呼していましたし、
父ちゃんは「息子はかわいいに決まってるから」「宇宙一かわいいから」と恥ずかしげもなく、人前で言っていました。
私は、他所で自分の子どもを褒めたりしてはいけないと思っていましたから、その姿がとても衝撃的でした。


自分の子どもを褒めずに、誰が褒めてくれるんだ。
褒めてもらえなくて、悲しい気持ちになったんじゃないのか。
だったら、思いっきり褒めてあげよう。

かわいいって言ってあげよう！

ようやく、喉の鍵が、カチャリと開いた気がしました。

前編はここまでです。
次回、母ちゃん、かわいいって言えるのか⁉︎お楽しみに！

今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。