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公開 2016年05月24日  

子どもを叱ることに疲れたら読んでほしい絵本「りゆうがあります」

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癇癪に質問責め、強いこだわり……発達障害の特性を持つ子どもの行動は、理解できないことだらけ。どうにか正そうと頑張り過ぎて疲れたときは、「りゆう」を探してみませんか?肩のちからをゆるめるきっかけになりそうな絵本、ご紹介いたします!

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272000631

目次 「りゆうがあります」という絵本を知っていますか?
そのこだわりは、屁理屈ではなく「理由」なんだ!
人それぞれの「理由」は、外から見るだけではわからない。
子どもの行動の「理由」を知ると、イライラが軽減するかも?

「りゆうがあります」という絵本を知っていますか?

遊歩道の縁石に上がって駆け出す6歳のR君と、それを追いかけるうちの6歳息子・ハル。

「あのね、俺が高いところを見つけると必ず上っちゃうのは、木から下りられなくなったネコを見つけたときに、助けてあげるための訓練をしているからだよ!」

こちらを笑顔で振り返り、きっぱりと言うR君。

「ネコを助ける……?」「訓練……?」

と、息子とわたしが首をかしげていると、

「ふふふ、『りゆうがあります』ね」

と微笑むR君のお母さん。

「えっ?R君が考えた理由なの?」

「ううん、そういう面白い絵本があるの。ハル君とのんちゃん(わたし)も、良かったら読んでみて!」

読書家で本選びのセンスがいい彼女のおすすめならばと、わたしは次の休日にその絵本を買いに出かけました。

そのこだわりは、屁理屈ではなく「理由」なんだ!

主人公の男の子は「おぎょうぎがわるい」というクセだらけ。

鼻を鼻をほじったり、爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり。

お母さんに注意をされてもなかなかやめられません。

そこで男の子は考えるのです……。

ぼくは、ハナをほじるクセがある。おかあさんにいつもおこられる。りゆうは、「おぎょうぎがわるいから」だって。ぼくもなにかりゆうがほしい。ちゃんとしたりゆうがあれば、ハナをほじってもいいんじゃないだろうか。

鼻をほじるのは、「ハナのおくにあるスイッチをおして、あたまから“ウキウキビーム”をだすため」

爪を噛むのは「おとなにはきこえないおとをだして、ゴミすてばのカラスをおいはらうため」

お母さんにクセを指摘されるたびに、その場で「りゆう」を考えて伝える男の子。

次々出てくる屁理屈のような「りゆう」に、半分呆れて半分感心したような表情を浮かべるお母さんでしたが…

というストーリーでした。

人それぞれの「理由」は、外から見るだけではわからない。

アスペルガー症候群の当事者である息子とわたしには、それぞれこだわりがあります。

ですが、そこに固執してしまうのには自分たちなりの理由があるのです。

しかし、他の人からしたら、この絵本の主人公である男の子が言う「りゆう」と大差ない屁理屈なのかもしれないなと感じました。

そして、アスペルガー同士だからといって、お互いのこだわりについて理解ができるとは限りません。

つい先日は、本編を見る気のない映画の予告編を、繰り返し再生して喜び息子の姿を「何が面白いの?」と言いながら眺めることがありました。でも、これにだって息子なりに楽しいと思える「りゆう」があるのでしょう。

冒頭に出てきたR君、実は息子やわたしと同じ、アスペルガー症候群なのです。

「子どもに対して『りゆうがあります』のお母さんみたいに、楽しく接しられたらいいよね!」と笑っていたR君のお母さん。

もしかしたら、愛息子のこだわりを絵本の主人公である男の子の「クセ」に置き換え、「“りゆう”があるのかな?」なんて考えていたのでしょうか。

子どもの行動の「理由」を知ると、イライラが軽減するかも?

発達障害がなくても、子どもの行動には「どうしてそんなことをするの?」とため息が出てしまうことがありますよね。

叱るのに疲れてしまったときは、お子さんと一緒にこの絵本を開いて、「りゆう」を考えて話し合ってみてはいかがでしょうか。

その場で言葉になる「りゆう」はデタラメだとしても、行動にそれなりの理由があると実感できたら、ちょっぴり楽になれるかもしれません。

そして、この絵本を読むと、子どもから

「お父さん、お母さんはどうしてそんなことをするの?」

と聞かれる可能性もありますから、どうぞ心のご準備を!
気づかないうちにやってしまっている「クセ」、しっかり見られているものですよ。

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