「うちの子、本を読まないんです。どうしたら読むようになりますか?」
私のところに寄せられる相談の定番です。
子どもに読書の習慣をつけたいと悩むお母さんは多いですよね。
でも聞いてみると、残念ながらお母さん自身に読書の習慣がないことが多いように思います。
ですから、まずご自身が本を読みましょうとアドバイスします。
しかし、これはおそらく期待はずれの答えでしょうね。
相談を持ちかけるお母さん方が知りたいのは、子どもにかける言葉なんです。
どう言えば、子どもは本を読むようになるかを知りたいのです。
人は基本的に変わらない。子どももそう。もし変えられるとしたらそれは自分。
4,324 View「だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です ママたちとの対話から生まれた 子育ての知恵ツイート41」(著:陰山英男)より、全10回にわたり「知恵ツイート」の一部をご紹介いたします。
第7回目は「 人は基本的に変わらない。子どももそう。もし変えられるとしたらそれは自分。」をご紹介します。
人は基本的に変わらない。子どももそう。もし変えられるとしたらそれは自分。子どもの変化を生むために、自分の何を変えるか、それを考えるといい。すると、意外と子どもの変化はすぐに現れたりする。自分は変わらず、子どもだけ変えようとすると悩みのドロ沼に落ち込みがちだ。
— 陰山英男 (@Kageyama_hideo) December 29, 2014
言葉だけで子どもは変わらない
でも、子どもがみるみる本を読むようになる言葉なんてありません。
言葉だけで子どもを自分の思い通りに動かそうとしても、子どもは動きません。
子どもが変わる魔法の言葉はないと思ってください。
ご自身が変わることが先なんですよね。
人はなかなか変わりません。人を変えるのは難しくても、自分なら変わることができます。
簡単な例でいいますと、挨拶をしない子に「挨拶をしなさい」と強制するよりも、親が朝「おはよう」と子どもに言えば、子どもは自然と「おはよう」と挨拶するようになります。
そうしていくうちに挨拶が習慣になってきます。
自分を変える、環境を変える
子どもを変えるために自分が変わる。
それこそ言葉で言うのは簡単ですが、自分を変えるのが、難しいというときは環境を変えてみるのもひとつの方法です。
環境が変わると行動が変わります。
行動が変わると自分も変わり、そして子どもも変わります。
わが家の例で恐縮ですが、読書の話が出たのでお話します。
子どもたちが小さい頃は、本をふんだんに買ってあげられるほどのお金がなかったので図書館をフル活用しました。
当時は1人5冊まで借りられましたから、車で図書館までいき、子どもに読みたい本5冊を選ぶように言いました。どれでも好きな本を5冊選べるのですから、考えてみれば贅沢ですよね。
図書館で借りてきた本は家の本棚に専用のコーナーを作って、いつでも手にとれるようにしておきました。返却日が来たら、読んでいなくてもいったん返却してまた借りるようにします。3人の子どもたちがそれぞれが5冊借りれば15冊、そこに私と妻が5冊借りれば25冊です。
家庭に常に25冊の本があり、返却日がくるたびに入れ替わる本。ちょっとした移動図書館です。
子どもでも自然と本に手が伸びてよく読むようになりました。
自分は何もしないで、環境を変えることもせずに、
子どもだけに「あれしろ、これしろ」言ったところで説得力がありません。
立場を変えて考えてみるとよくわかると思います。職場の上司や夫(妻)が、自分は動こうとしないのに、指示だけされて気持ちよく動けますか? 反発心が湧いてくると思います。子どもだって同じです。
「本を読みなさい」という親自身が読んでいなければ、「なんで私だけ? お母(父)さんだって読んでないよ」と反発するでしょう。
言葉に出さなくても内心はそう思っているはずです。
言葉だけの応酬だと何も解決せずに、悩みが泥沼化していきます。
子どもに何かをさせたいと思ったら、まずは自分がそれをできているかどうかを振り返ってみるといいですよ。
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また俵万智さんより、「1分書評」でも紹介されています。
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