食育の教室をやっていると、「子どもの好き嫌いを無くすにはどうしたらいいですか?」と良く質問されます。
この質問にはまず「無くさなきゃ、と言う思い込みをやめましょう」とお話しています。
私もそうでしたが、好き嫌いは悪いこと、と言う価値観が根強くありますよね。もちろん好き嫌いなく何でも食べられるに越したことはありません。食べられないより食べられる方が良いに決まっています。しかし、無くさなければいけないものでしょうか?
野菜もお魚も食べてくれない…!こんな子どもの好き嫌い、どうしたら良いの?
4,426 View野菜を食べない、決まったメニューしか食べない、味付けを変えると食べない、食に関する悩みは尽きませんよね。子どもの好き嫌い、どうしたら良いのでしょうか?
好き嫌いを「無くす」をやめてみませんか?
大人はみんな好き嫌いが無いの?
ひるがえって、パパやママはどうでしょう。もちろん好き嫌いが無いと胸を張って言い切れる方もいるかもしれませんが、「じゃあホヤは?」などと、突然普段食べ慣れないものを聞かれたりしたら回答に困ってしまいますよね…。
私もピータンが苦手ですし、夫はキュウリを絶対に食べません。大人でも好き嫌いはあります。(ここでは「大人はいいの!」はナシですよ。)
好き嫌いとは嗜好、好みのことです。辛いものが好きな人と苦手な人がいるように、子ども達が野菜や魚を食べないのは好きじゃないから。でも、たった数年しか生きていないのに、「好きじゃない」と決めつけてしまうのは時期尚早です。
どうして「好きじゃない」の?
教室の生徒さんからも、「アレも食べてくれない、コレも食べない、だからいつもこればっかり…」というようなお話を良く聞きます。
そういう場合は具体的に何が苦手なのか、どういう場合には食べて、どうすると食べないか、などの条件を詳しく教えて頂き、アドバイスしています。そもそも小さな子どもは、食に関する経験が少ないので、なぜこの野菜が苦手なのか、何が嫌で食べようとしないのか、を的確な言葉で表現出来ないのです。
ある生徒様から、「茄子が苦手で食べないんです」というお母様に「茄子の皮をスプーンで除いて果肉部分だけを食べさせてみて下さい」とアドバイスしたところ、パクパク茄子を食べられました。
また別の生徒様は「冷凍のほうれん草を調理すると食べるのですが、生のほうれん草をおみそ汁などに入れると食べないんです」とのご相談に、「ほうれん草のエグみが原因かも知れないので、下茹でしてから調理してみて下さい」とお話したところ、見事解決したそうです。
毎日が試行錯誤
このように、調理方法や切り方、味付けなどをちょっと変えたら食べられるようになった、と言うことは良くあります。ですから、一度食卓に出して食べなかったら「どうせ食べないから…」とその食材を出さなくするのではなく、「お浸しでは食べなかったから胡麻和えにしてみよう」、「シチューが好きだからクリーム煮にしたらどうかな?」と試行錯誤してみて下さい。
ご自身のことを思い出していただければわかると思いますが、味覚は年齢とともに変化しますので、同じお料理でもある日突然食べられるようになることもあるのです。
もちろん、作ったご家族の皆さんが美味しそうに食べているところを子どもに見せて、「美味しいよ」と声をかけながらお手本となることも忘れないで下さいね。好き嫌いを「無くす」のではなく、上手く「付き合える」ようになると良いですね。
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