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公開 2015年04月27日  

帝王切開分娩の基礎知識〜手術の流れ

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現在日本では、全妊婦さんの約5人に1人が帝王切開による分娩です。若い女性が最も受ける確率が高い手術である帝王切開。今回記事では、帝王切開分娩について、手術の流れ等も含めて解説します。


帝王切開分娩とは

膣から分娩するのでは無く、お腹を切って、子宮を切って胎児を娩出する方法です。



前のお産で帝王切開術を行った場合や、骨盤位(逆子)、前置胎盤等により、手術予定日を決定して行う予定帝王切開と、突然の出血や分娩が上手く進行しなかった場合に、緊急で行う緊急帝王切開があります。



どちらの帝王切開にしろ、現在日本では全妊婦さんの19.2%、実に約5人に1人が、帝王切開による分娩であるというデータが出ています(2011年)。言い換えると、若い女性において、最も経験する確率が高い手術が帝王切開であるとも表現できますので、帝王切開について十分な知識を持っておく事は大切です。

麻酔

余程緊急性が無い限り、多くの施設では背中から針を刺す麻酔を行います。脊髄腔に薬剤を注入する脊椎麻酔や髄膜の外側に細長い管を留置し、薬剤を持続的に注入する硬膜外麻酔という麻酔が一般的です。



麻酔時の姿勢は、体を横に倒し、エビの様な姿勢を取り背中を医者側に向けます。妊娠中はお腹が大きいためエビの姿勢を取るのが難しいのですが、この姿勢を取る事で、脊椎が開き麻酔の針を的確に刺しやすくなりますので、怖さを感じてもなるべく動かない様にする事が大切です。



また、これらの麻酔が掛かった後に、触られている感覚が残る事に不安を感じる方も多いのですが、この麻酔は痛みと温度を感じる神経に効果がありますので、触られている感覚が残る事はむしろ正常なのです。また麻酔後に吐き気を感じる事が比較的多くあります。我慢しすぎて、顔を上に向けたまま嘔吐してしまうと誤嚥(ごえん)してしまい危険なので、早めにスタッフに伝え適切な処置をする事が大切です。

手術

麻酔が掛かると、いよいよ手術です。赤ちゃんが娩出されるまでの時間は1分〜10分程度です。



皮膚・筋層・腹膜を切開し、その後子宮を切開し赤ちゃんを娩出します。皮膚の切開方向や、以前に手術を行った既往等で、娩出までの時間は変化しますが、想像よりもあっという間かもしれません。先ほど説明したとおり、皮膚を触られたり、引っ張られる感覚は残ります。さらに赤ちゃんを子宮から取り上げる時に、お腹を強く押される事がありますが、ビックリしないようにしてください。



赤ちゃん娩出後は、全身麻酔では無く特に問題が無ければ、赤ちゃんに実際に対面する事も可能です。その後子宮、腹膜、筋膜、皮膚を縫合し手術終了です。娩出後の縫合時間が30分〜1時間程度と、赤ちゃん娩出後の方が時間が必要な手術です。

手術後

脊椎麻酔を行った場合、手術後も数時間は足を動かす事はできません。脊椎麻酔の効果が無くなった後は、徐々にお腹に痛みを感じるかもしれません。その後は、硬膜外麻酔を使用している場合には、この麻酔で皮膚の切開部やお腹の痛みを制御する事になります。



さらに術後で大切な事は、早期離床です。昔は手術後には十分な安静期間を設けていましたが、現在の考え方では、血栓症等予防のためなるべく早く歩き始める事が大切です。お腹の痛みは残るのですが、積極的に歩く様にしましょう。

まとめ

なかなか想像が難しい、帝王切開について解説しました。自分は帝王切開にはならないと考えているかもしれないですが、妊婦さんの5人に1人は帝王切開を経験しますので、ある程度明確なイメージを持っておく事が大切です。麻酔のポイントや帝王切開の流れ、かかる時間等を理解しておくと、緊急時も気持ちが落ち着くかもしれません。

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