親にとって「イヤイヤ期」がつらい、本当の理由。
119,895 Viewあれをやってもイヤ、これをやってもイヤ。
子どものイヤイヤ期って、親の方がイヤになっちゃいますよね。
どうしてこんな気分になるのでしょう。
その理由について考えてみました。
「イヤイヤ期」がつらい、本当の理由ってなんだろう?
「〇〇しよっか。」
『イヤ!』
「じゃあ、しなくてもいいよ」
『イヤ!』
イヤ、イヤ、イヤ。
何を言っても『イヤ』の一点張りである
イヤイヤ期。
一日に何回この言葉を聞けばいいの。
どうして言うことを聞いてくれないの。
…もういいかげんにして!と、ママも泣きたくなってきますよね。
イヤイヤ期が親にとってつらいのは、
言うことを聞いてくれないから?
わがままばかり言うから?
理由はそこだけではないと思うのです。
大好きな人に「イヤ」と言われ続けると…
いろんな本で書かれているように、
優しく誘導してみたり、
まずは受け止めてみたり、
こっちもいろいろ考えてやっているのに、
ちっともうまくいかない。
こちらは何より子どものことを考えて動いているはずなのに、子どもには全て否定されてしまう。
…そんな経験がつみ重なっていくと、人間はだんだん、自分の全てを否定されているような気がしてしまいます。
そこに、イヤイヤ期がつらい“本当の理由”が隠されているのではないでしょうか。
だってこんなに人(しかも愛する人)に否定され続ける経験って、今まで味わったことないですもん。
頭で考えればそんなはずないってわかるのに、あれもダメ、これもイヤと否定され続けると、どんどん自分がいけないような気持ちになってしまうのです。
わたし自身もそんな経験があるひとり。
わたしには現在11歳の娘がいます。
娘が3歳のときに離婚をしているのですが、
離婚直前の夫婦関係が最もきつかったときに、
娘のイヤイヤ期とぶつかっていました。
正直に言うと、おそらく娘のイヤイヤ期はたいしたことなかったと思います。
でも当時、夫婦ゲンカで「お前はダメだ」と否定されることが多く、自己肯定感が下がりきっていたわたし。
ほんの少しのことでも娘に「イヤだ」と言われると、娘にまで自分を否定されてしまうのかと絶望して、全てを投げ出したいような気持ちになっていました。
今でもその時の感覚を思いだすと、
胸がぎゅっと苦しくなる。
それくらい「一生懸命にやっていることを否定される」しかも「愛する人に否定される」という体験は、自分に自信を失ってしまうくらい大きなことなのです。
もうこっちの方がイヤだよ!と言いたくなる。
だんだん行き詰まってくると、
「イヤだイヤだって言われても、わたしの方がもうイヤだよ!こっちが泣きたいよ!」
という気持ちになってきますよね。
たとえば靴を履くときに、子どもが「履かせて!」と言うから手伝ったのに、「イヤだ!自分で履く!」と言われる。
これひとつだけなら、
それくらいかわいいもの。
「うん、イヤイヤ期だもんね」と笑っていられるのですが、靴を履いたら今度は玄関先で「行く行かない」の戦いが始まり、やっと出かけたと思ったら今度は、「抱っこするしない」「歩く歩かない」の戦いが始まる。
これが24時間毎日続くのです。
先輩ママたちは「今だけよ」なんて笑うけど、
“今”っていつまで続くの!?
終わりの見えない戦いに、心が萎えてしまうのです。
実は子どもも、がんばっている。
でも忘れてはいけないのは、
子どものイヤイヤは、決して親を否定している訳ではないということです。
何をやっても全部イヤだと言われて、まるで自分の存在を否定されているように感じるかもしれない。
でも子どもも、その内側でがんばっているのです。
「自分で靴を履きたい!でもうまく履けない!
履きたい!履けない!ママ手伝って!
でも本当は自分で履きたい!うわーん!」
「あのおもちゃが欲しい!ママ買って!
今は我慢しなくちゃいけないこともわかる!
でも欲しい!でも欲しい!うわーん!」
と、こういう葛藤を上手に表現できるだけの語彙もまだないので、ここにさらに「うまく言えない!」というもどかしさも加わって、あの強烈なイヤイヤができあがるのです。
だから、決して親のやることが気に入らなくて否定している訳ではないのですよね。
親にできる「最強のコミュニケーション」。
じゃあもうどうすればいいの?という話になりますが、わたしがイヤイヤ期におすすめするたったひとつの最強の方法。
それは「ぎゅっと抱きしめる」ことです。
『あなたがどんなにワガママなことを言ったとしても、ママはあなたの味方だよ。』
言葉ではなく、態度で示してあげるのです。
抱きしめた腕の中でも、子どもは暴れるかもしれません。
でも、発散することも大切なこと。
親の腕の中で思う存分に発散することができれば、それは子どもにとって大きな安心感につながります。
やがて子どもも落ち着いてくるでしょう。
11歳の娘はもう抱っこできないほど大きく育ちました。
しかし今でも自分から「ぎゅっとして」と言ってきます。
つい先日のことですが、
「たまにはママもぎゅっとしてほしい」
と言ってみました。
すると「いいよ」と言って、娘の方からぎゅっと抱きしめてくれたのですが、その幸せなこと!
大好きな人の腕に包まれるって、何ともいえない安心感で満たされますね。
思わず、「いつもこんなに良い思いをしていたの!ずるい!」と言ってしまいました(笑)。
これは言葉でいくら言っても伝わらない、からだ全身で体感するコミュニケーションです。
どんなにイヤだと言っても、
いろんなことがうまくいかなくても、
それでもママが(パパが)
ぎゅっと抱きしめてくれる。
それはきっと、自我の芽生えで不安定な子どもの心に最高の安心をプレゼントできることでしょう。
終わりの見えないイヤイヤ期だからこそ、ぎゅっと抱きしめて、一生残るからだの記憶をお互いに刻んで、しんどい時期を乗り越えていきましょう。
しんどい時期を乗り越えたときこそ、
親子の絆は最強になるのです。
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