実はけっこういい加減!?お腹の中にいる赤ちゃんの推定体重って、どうやってはかってるの?
32,538 View妊娠中、「赤ちゃんは○○gくらいですね」とお腹の中の赤ちゃんの体重を教えてもらうことがあると思います。産婦人科の先生は、どうやって赤ちゃんの推定体重を量っているのでしょうか。書籍「妊娠・出産を安心して迎えるために産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと」からお伝えします。
赤ちゃんの推定体重はいつから測定できるの?
皆さんの関心が高い赤ちゃんの大きさ、いわゆる推定体重は妊娠6ヶ月くらいから測定できるようになります。
妊娠後期になると、毎週のように超音波検査を行い、赤ちゃんの体重を教えてくれる病院が多いのですが、体重が増えているのを楽しみに健診に来たら、体重が増えていないばかりか、逆に減ってしまうこともよくあり、不安をかんじてしまう人が結構多いですよね。
推定体重は、いい加減!?
しかし、安心してください!
実は推定体重って、いい加減なんです。
その理由は、体重を算出する計算方法にあります。
推定体重の算出は、赤ちゃんを「球体+円柱」の体積に近似させて、割り出しています。
つまり、皆さんが学校教育で習ったであろう数学の計算式を、赤ちゃんに応用しているだけなんです。
そのため、完全な円形になっていないことがほとんどの妊娠後期のおなかでは、腹囲を正確に測れず、推定体重はブレやすいのです。
ですから、妊娠後期で、推定体重があまり増えていなくても、多少小さくても、お医者さんは「大丈夫ですよ~」とサラッと言ってしまうのです。
各部分の大きさはどうやって判断するの?
ちなみに体重や各部分の大きさというのは、「標準偏差」というもので判断します。
標準偏差とは、100人のクラスでしんちょうそくていした時の平均からの数値のバラつきのこと。
平均身長より2~3cm低くてもそれは別に異常ではないですよね?
「私、平均より1cm小さいから栄養失調かも!?」なんて心配する人は、まずいないと思います。
しかし、赤ちゃんのことになると、平均よりも少し小さかったり大きいだけで不安を感じるお母さんが多いです。
現在の産科健診では100人中95人が入るくらいの誤差は個性の範囲という判断になっています。
自分の子どもの場合は?
ちなみに、私の子の場合ですが、「頭が大きくておなかが小さい」という状況で、結構心配になったものです。
標準偏差でいうと、頭が100人中95人にも入らないくらい大きく、逆におなか回りが100人中65人に入らないくらい小さかったのです。
頭が大きいお子さんは結構いるし、逆に頭は小さいばあいのほうが、染色体異常の可能性が高くよほど注意しないといけない所見なため、ほぼ問題ないのですが、わが子のことになると、やっぱり心配になってしまったのです(親バカですね)。
結局、教授に見てもらったのですが、「大丈夫、大丈夫」と笑われてしまいました。
やっぱり自分に近ければ近い存在の診察ほど、正常な判断はできないものだなぁと実感しました。
きゅー先生の伝えたいことまとめ
・赤ちゃんの推定体重は妊娠6ヶ月頃から測定できる。
・ただし結構いい加減なので、それで一喜一憂しなくてOK
妊娠後期には推定体重がなかなか増えず、ノイローゼ気味になる妊婦さんも。
これまでの体重を表にしてみるなど、大きな視野で見ると不安も減ると思いますよ!
この記事は、書籍「妊娠・出産を安心して迎えるために産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと」より転載させていただきました。
妊娠や出産について、もっと知りたい!という方は、ぜひ読んでみてくださいね!
著者のきゅー先生は、コノビーでも記事を執筆されています。
妊娠や出産について、わかりやすく解説されているので、こちらもぜひ!
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