子どもの好きなものを、親も好きじゃないとダメですか?
9,591 View子どももいるけどひとりの女 、まっかちんです。今回は子育てをする中で私が知らず知らずのうちに囚われていた価値観と、それから脱却して見えてきたものについてお話したいと思います。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272001812息子は公園が好きだけど、私は…
子どもって公園が好きですよね。
ぶらんこや滑り台を何度も繰り返し楽しんだり、ただただ走りまわったり。
何時間でも公園にいます。
外遊びが好き。
とっても素敵なことだと思います。
でも実は私、公園遊びが好きじゃありません。
なぜ好きじゃないか。
私の住む地域にある公園が、人工的に作られた公園(じゃりを敷いた地面に、人の手によって植えられた植物)であり、緑いっぱいの中で育った私にとって、気持ち良い空間ではないということもあります。
でも何より、公園遊びは私にとって、どきどきはらはらする場面が多すぎるんです。
子どもに危険がないか。
もしほかの子どもと何かトラブルが起こるなら、上手な仲介は何か。
公園の外に飛び出してしまわないか。
(特にうちの息子は、冒険家で母親の私の姿がなくてもどこまでも向かって行ってしまいます。迷子にさせたことも一度ではありません…。)
あげればキリがないほど、いろいろなことに絶えず配慮しなくちゃいけない時間が続く。
一度行くと、もうその日のパワーが残ってないほど、心も身体もどっと疲れてしまいます。
でも、息子は公園遊びが大好きで、毎日のように「公園に行きたい!」と言ってくる。
だから私は今日も無理をして、息子と公園に行き、楽しいふりをするのです。
囚われていたのは、こんな価値観でした。
私はそんな「公園遊びが好きではない」という気持ちを、隠してきました。
認められなかったんですよね、親なのに公園遊びが好きじゃないという自分を。
「親は子どもが好きなものを好きじゃないといけない。楽しまなきゃいけない。」
そんな価値観に囚われていたのです。
そしてこの価値観は、公園遊びの場面に限らず、子育てをするのなかで何度もわたしに、本当の気持ちを隠させてきました。
例えば、テレビ番組。
教育番組はさることながら、テレビの電源をつけてついつい選ぶのは、民放の子ども向けアニメばかり。
(でも本当は土曜の夜くらい、ベッドシーンのあるような、映画が見たい。)
例えば、献立の立て方。
子どもの喜んで食べてくれるマカロニ。つくね。焼きめし。
私が息子と違うものを食べると、息子が食べられないようなものでも、そっちが食べたいと言うし、今は息子の好きなものを、私も同じように食べよう。
(でも本当は、玄米やスンドゥブが食べたい。)
例えば、出かけ先。
子どもは遊ぶのが仕事。いろんなおもちゃがあるような子どもらしい空間で成長していく。
だからお出かけは、子どもにとっていいところに行こう。
(でも本当は、目的もなくスターバックスに行って、SNSのチェックでもしながらぼーっとコーヒーを飲みたい。)
こんな風に、自分の本当の気持ちにそっと蓋をして、良い母親に見えるように自分を偽り、子どもに合わせようとする。
自分と息子を、無理に同一化しようとしてしまっていたのです。
公園、好きじゃない!と認めてみた
公園の件に関していえば、私には人工的に見える公園が、もちろん東京生まれの息子にとって身近な存在であり、楽しく過ごせる空間であることも理解しています。
生き生きと走る姿や、ちょっと難しそうな遊具に果敢にチャレンジする姿を見ると、私自身も子どもの成長に嬉しい気持ちになるのも事実です。
でも、やっぱり私は公園遊びが好きじゃない。
その認められなかった気持ちを、認めてみることにしました。
私は公園遊びをいっぱいして、学校に行って、いつの間にか走ることより車の運転が好きになって、虫を見ているより本を読むほうが好きになった、今は31歳の人間。
4歳の息子と同じ価値観でいるわけがない。
「好きじゃないって、思ってもいいか。」
…認めたら、楽になりました。
息子と私は違う人
私は息子が大好きです。
だから、彼の喜ぶことは協力したい。
彼が公園に行きたいなら、一緒に行ってあげたいとも思います。
でも、彼のために何かすることは好きであっても、彼のために好きじゃないものを好きにはなるのは違う。
私は息子ではないのだから、息子と違う好みがあってもいいんだということに気が付いたのです。
それに気付いてからは、肩肘はらず公園に行けるようになったし、夫に積極的に公園遊びをお願いできるようになりました。
そして思うのです。
もちろん息子も、私のことが大好きなはず。
だけど、私の好きなものやいいと思うもの、やり方を、彼が好きじゃないということだって、きっとあります。
私はそれ(息子の価値観)を、肯定できる自分でいたい。
そのためにもまずは、息子とは違う自分の価値観を肯定してあげたいと思ったのでした。
息子と私は違う人。
いつもそんな視点でいたいのです。
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