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公開 2016年08月29日  

心がイガイガした時。大切なことを思い出させてくれる「匂いのチカラ」

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書籍「不安なあなたがゆっくりラクになるメッセージ」(LICO)より、全3回にわたってご紹介します。第3回目は「心に落ち着きが 欲しいあなたへ」。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10417002783

目次 心に落ち着きが欲しいあなたへ

心に落ち着きが欲しいあなたへ

子どもたちが生まれてから何度となく抱きしめて嗅いできた匂い。

どんな時も、無垢であったかくて、無防備なまでにまあるい匂い。

子どもの匂いって、
母親にとっては子どもとの記憶をすべて一瞬で呼び起こすような、

嗅ぐだけで喉の奥、胸の奥がグッと詰まるような、

愛しくて愛しくて何度でも嗅ぎたくなるような、

自然に涙が溢れてくるくらいに心を動かすような、


そんなチカラがあるような気がします。

私は昔、なぜだか心がイガイガしていて、娘に優しくなれない日が続いたことがありました。

そんな自分が本当に本当に嫌で、

「嫌だな。嫌だな」
「早くこの状態から抜け出したい」
「早く前みたいに笑いたい」
「明日は優しくなれるかな」

と、苦しんでいたのです。

でも、ある夜にふと思いついて、

「ゆうちゃん。ちょっとママ、ゆうちゃんにぎゅーってしていい?」

と言って、一緒に布団の上に寝転び、ずーっと娘を抱きしめました。

すー。はー。
すー。はー。

娘の匂いを嗅ぎながら深呼吸していると、

(あぁ。前は両腕の中に全身すっぽり収まるくらいだったのに、もう抱きしめても腕の中には収まりきらないくらいに大きくなっちゃったんだなぁ)

と、娘と過ごした日々が走馬灯のように自分の中を駆け巡りました。

そうしたら涙が止まらなくなって、
娘の匂いが私の体の中を全部満たしていくのが自分でもわかりました。


「ゆうちゃん、ありがとう」と伝えると、

私の首にしがみついたまま、「うん、いいよ」と言ってくれた娘を前に、

あぁ、また私は子どもたちに許されてるんだなぁ、

と子どもの無償の愛に触れてまた胸がいっぱいになったのです。

あんなに出口が見えなくて苦しかったのに、

娘を抱きしめて
娘に抱きしめてもらって
娘の匂いに包まれたら、

自分でもびっくりするくらいに心が潤って優しい気持ちが戻ってきました。

子どもの匂いってママを昔のあの瞬間に連れ戻してくれるのかもしれません。

ママに大切なことを思い出させてくれるチカラがあるのかもしれません。

きっとママにとっていちばん効くアロマは、世界でいちばん愛しい子どもの匂いなのではないでしょうか。


子どもを抱きしめながら、何も考えず頭の中をカラッポにして、ゆっくりゆっくり深呼吸。

心の中いっぱいに広がった子どもの匂いは、

普段見落としがちで忘れがちな大切な何かを、

記憶と共にママの心に連れ戻してくれるのかもしれませんね。





出展:「不安なあなたがゆっくりラクになるメッセージ」(主婦の友社 刊)より一部抜粋


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