毎週土曜日の夜10時から放送されているラジオ番組『堂本剛とFashion&Music Book』。
4月6日の放送では、堂本さんが春や桜に関して、一般的なイメージとはかけ離れた感情を明かすとともに、その思いをどのように制作活動に繋げているのかを明かしました。
(画像:公式SNSより)
■桜を見ると幸せ?それとも…堂本剛が見解「悲しみや傷と向き合っている人もいます」
番組では、春にちなんだメッセージを募集したところ、2名のリスナーから大切な家族との別れと桜にまつわるエピソードが寄せられます。
「この皆様からのメッセージにあるように、桜を見る、桜を愛でる。そんな人々が日本中にも世界中にもたくさんいらっしゃいます」と前置きしつつも、「やはり、『春が来たね』という明るいムードの中でも、春を感じながら、桜を感じながら、悲しみや傷と向き合っている人もいます」と話します。
このような思いを踏まえ、堂本さんの制作活動に話は移り、「そのような人たちの孤独に寄り添う桜の曲が作れたらいいなと思って書いた曲が『ソメイヨシノ』そして、『春涙』という曲です」と発言。
リスナーの方々から寄せられたメッセージを自身のエピソードに当てはめ、「自分自身も、愛犬を自分の誕生日の翌日に亡くしましたし、春になると色々切ない気持ちも蘇ります」とも明かしました。
■堂本剛が春になると寂しさ、切なさ、そして怖さを感じる理由…
ここから、堂本さんの楽曲に関する話へ本格的に移行し、「『ソメイヨシノ』という楽曲ができた経緯としましては、母と桜を見た時に『あと何回あんたと桜を見れるんかな』というような一言をいただいて、そこで初めて強烈に別れや命を、強く強く意識すると同時に、体が潰れてしまうくらい苦しくなってしまい、そして『ソメイヨシノ』という楽曲を書きました」と明かします。
「僕自身が桜を見ながら『綺麗だな』と思っていたところから、急に寂しく切なく、そして怖くもなって」と、当時のありのままの気持ちを告白した堂本さん。
「こういう気持ちで桜を見ている人もたくさんいるんだろうなと思ったから、書いたんですよね」と語りました。
■春や桜と聞いて思い浮かべる風景は人それぞれ、堂本剛の主張が深い「自分は周りに色々と言われたとしても…」
春、桜というと一般的には明るいイメージを抱きがちですが、堂本さんも「こういう曲を書くと、暗い歌というイメージになったり、『桜の季節だからもっと明るい歌を書いてほしい』といろんな人が思ったり、言われたりもします」と明かします。
一方で、様々な境遇の人々に寄り添う堂本さんは「それを作る側がずっとしていると、桜を見て苦しかったり悲しんでいる人たちに、本当に奥深く寄り添う曲が生まれないような気がしました」と自身の思いを口にします。
「良い意味で、たくさんの人たちが何も考えずに楽しんで聴けたり、幸せな気持ちになって聴けたりする曲を書いてらっしゃる方はたくさんいらっしゃるので、そういう人たちにそこはお任せして」と述べた後、次のような言葉で、今後も様々な人々に寄り添う姿勢を欠かさないことを宣言しました。
「自分は周りに色々と言われたとしても、僕は『こういう桜の歌を書きたい』、『こういう気持ちに寄り添いたい』とかを思って、その気持ちを優先して書く。そういうアーティストでありたいと思っています。この『ソメイヨシノ』という楽曲も、『春涙』という楽曲も、切ないけど苦しいけど、でもすごく温かい、愛情に溢れた楽曲だと僕は認識しています。歌詞の中にあるような経験をされた方だと、その意味をより深く理解してもらえるのかもしれません」
ネット上では、「桜に寄せる気持ちは人それぞれやなぁ、始まりや別れ」や、「この曲を春に聴くと一面の桜の情景が浮かびます」など、それぞれの風景を思い浮かべているリスナーが多いように感じました。
加えて、「私の母が亡くなったのも春で桜吹雪がとてもとても綺麗だったのでソメイヨシノを聞くと母を思い出すよ」など、堂本さんの楽曲が胸に響く背景を明かすリスナーも見られました。
一般的に「春=桜=明るい」といったイメージが浸透していますが、人それぞれの経験で、春に切なさや悲しさなどの感情を覚える人々もいると主張した堂本さんからは、数々の人々への優しさを欠かさない“らしさ”のようなものが存分に感じられました。
そのような思いを楽曲に活かしているからこそ、堂本さんの楽曲は心に響くものがあるのかもしれません。
【番組情報】
堂本剛とFashion&Music Book
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(文:横浜あゆむ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)