株式会社TimeTreeの社内研究所『TimeTree未来総合研究所』が、TimeTreeユーザーの予定動向をまとめた「未来データレポート」の6月版を公開しました。今回のレポートでは、「ジューンブライド」で知られる6月に焦点を当て、結婚式に関する予定データの分析結果が紹介されました。
調査によると、2024年の結婚式予定登録者の割合は2019年比で約70%まで回復しており、これは、コロナ禍による結婚式の延期や中止の影響から徐々に回復していることを示しています。多くの夫婦が再び結婚式を挙げる準備を進めており、結婚式業界も活気を取り戻しつつあります。
コロナ禍を経て、新しい結婚式のスタイルとして定着したのが「フォトウェディング」です。これは、挙式や披露宴を行わずに写真撮影だけを行うスタイルで、コロナ禍中に広まったものの一つです。今後もこのスタイルは一定の人気を保ち続けると見られています。
※分析データの詳細
本調査は、2019年1月から2024年5月までの期間に登録されたユーザーを対象に行われました。この期間中、ユーザー数は2019年の1200万人から2024年の5500万人に増加しています。データはすべて匿名性を保った状態で収集され、個別のデータを扱うことなく統計的に処理されています。
コロナ禍以前の5割まで減少した「結婚式」予定の登録者率は直近3年で復調傾向
まずは「結婚式」の予定を登録する人の数が2019年から2024年にかけてどのように推移してきたのかを調査しました。
厚生労働省が発表する「人口動態推計概数」によると、婚姻数の推移は平成から令和に元号が変わった2019年に増加しました。これは「令和婚」の影響によるものですが、その後はコロナ禍の影響で婚姻数は減少傾向が続きました。
TimeTreeのデータで1年間に「結婚式」の予定を登録する人の割合である「予定登録者率」の推移を見ても、コロナ禍の影響が顕著に現れています。2021年の「結婚式」の予定登録者率は、2019年の約半分にまで落ち込みました。しかし、コロナ禍の影響が和らぐにつれて、2022年以降は予定登録者率が大幅に回復しています。特に2023年は、婚姻数が前年より減少していたにもかかわらず、「結婚式」の予定登録者率は前年より増加しました。これにより、結婚式が再び社会に戻りつつある傾向が見て取れます。
次に、結婚式に関連した予定である「ハネムーン」や「新婚旅行」についても予定登録率の推移を調査しました。
結婚式の予定を登録していた人の中で、「新婚旅行」や「ハネムーン」の予定を登録している人の割合を調べると、結婚式の予定数の推移と同様に、コロナ禍で減少していた数字が2022年から回復傾向にあることが分かりました。
新たな結婚式のスタイル「フォトウェディング」の定着
「ハネムーン」や「結婚式」以外にも、結婚式に関連した予定キーワードについて変化が大きいものを詳しく見ていったところ、挙式や披露宴を実施する代わりに記念写真の撮影を行う「フォトウェディング」の予定数がコロナ禍を機に大きく増え、コロナが明けた今も一定 の予定数を保っていることが分かりました。
「ハネムーン」や「結婚式」以外にも、結婚式に関連する予定キーワードの中で大きな変化が見られたものを詳しく調べたところ、挙式や披露宴の代わりに記念写真を撮影する「フォトウェディング」の予定数が、コロナ禍を機に大幅に増加し、コロナが収束した現在でも一定の水準を保っていることが分かりました。
「結婚式」が最も開催されるのは6月?11月?欧州圏 とアジア圏の違いが明らかに
今回「ジューンブライド」と呼ばれるシーズンということで「結婚式」を 6月のテーマに据えた調査を実施しましたが、実際は何月に結婚式が最も多く開催されるのかを 2019年から2023年の月別の「結婚式」の予定数から分析してみました。
すると、最も「結婚式」の予定数が多かったのは6月ではなく11月という結果に。
さらに、TimeTreeアプリが対応している言語の中で、「結婚式」の予定が一定数以上登録されている言語を対象に、何月に「結婚式」の予定が多いかを言語別に分析しました。
その結果、欧州圏で使用される言語(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語)では6月から9月に「結婚式」の予定が多く、アジア圏で使用される言語(韓国語、繁体中国語、簡体中国語)では10月と11月に予定が多くなる傾向が見られ、地域によって結婚式が多く開催される時期に違いがあることが判明しました。
TimeTree 未来総研所長 深川泰斗コメント
一説によると「ジューンブライド」は、農作業の繁忙期である3月から5月の結婚式が禁じられ、繁忙期が明けた6月に開催する慣習があったヨーロッパで生まれた言葉と言われています。6月は日本では梅雨のシーズンにあたるため天候が不安定なことから結婚式の開催を避けるケースもあるようですが、気温の面ではちょうど良い時期ですし、海外挙式を挙げるような場合にも適した時期と言えます。
今回の調査では、長いコロナ禍が明け、結婚式が以前のように気兼ねなく開催できるようになってきている兆候や、従来はあまり見られなかった「フォトウェディング」という新しい結婚式の形が定着してきている結果が出ました。
環境や様式などにとらわれずに結婚式が開催できるようになってきた昨今、結婚式を開催する時期についても、決まった形にとらわれすぎずに、それぞれが自由に考えて決めてもいいのかもしれません。
この調査リリースの結果を通じて、結婚式にまつわるさまざまなトレンドがわかりました。コロナ禍を経て、「結婚式」や「新婚旅行」といった重要なライフイベントが徐々に回復していること、そして「フォトウェディング」という新たなスタイルが定着したことが確認されました。
また、地域ごとの結婚式の開催時期にも明確な違いが見られ、文化や気候の影響が反映されていることが分かりました。
これらのデータは、結婚式を控える夫婦にとって非常に有益であり、計画を立てる際の参考になるでしょう。
結婚式が再び活気を取り戻し、多くの夫婦がそれぞれのスタイルで人生の重要な節目を迎えられることを願っています。
TimeTree 未来総研について
TimeTree 未来総合研究所は、全世界の登録ユーザー数が5500万人を超えるカレンダーシェアアプリ「TimeTree」に登録された90億超の予定データを統計的に分析する TimeTree の社内研究所です。多様性に溢れ、先の読めない時代においても、みなさまが納得して未来を選べるきっかけをつくるために、予定データから見える世の中の動きや未来の兆しを発信しています。
カレンダーシェアアプリ「TimeTree」について
カレンダーシェアアプリ「TimeTree」は、共有とコミュニケーションを前提にしたカレンダーサービスです。家族、パートナー、サークル、職場など複数人数の予定共有が簡単にでき て、目的に応じたカレンダーを複数つくることができます。2015年3月24日よりサービス の提供を開始、2024年4月には全世界で登録ユーザー数が5500万を突破しました。「スマホの中の壁掛けカレンダー」として、ユーザーのみなさまの毎日の生活の中で幅広くご利 用いただいています。