日本国内で働く若者の間で、退職理由の上位に挙がるのは「人間関係の悪さ」であることが、アクシス株式会社が行った調査で明らかになりました。
転職・キャリアノウハウメディア「すべらない転職」が、17歳から25歳の若者300名を対象に実施した調査では、社会人経験1年未満の若者のうち約4割が新卒で入社した会社を早期退職していることが分かりました。また、社会人1年未満で現在の仕事に満足していると回答した人は2割弱にとどまりますが、社会人3年以上5年未満では約7割に増加しています。
さらに、給与に対する満足度も社会人経験の長さによって大きく変化しています。社会人1年未満では満足していると回答した人は1割未満ですが、社会人3年以上5年未満では約6割に増加していることが明らかになりました。
一方で、退職理由で上位にランクインしたのは「人間関係の悪さ」であり、社会人歴に関わらず多くの若者がこの理由を挙げています。このことから、若者が働く環境や職場の人間関係に対する求める基準が高まっていることが窺えます。
今回の調査結果は、若者が働く環境や職場の人間関係に対して重要視していることを示しており、企業側にとっても働きやすい環境づくりが求められることを示唆しています。

調査背景
SNSの普及や転職支援サービスの増加により、転職に関する情報がより手軽に入手できるようになり、転職へのハードルが低くなったことで、転職が一般的な選択肢として捉えられるようになっています。また、物価の上昇により企業が給与を増額する動きも見られる一方で、早期退職が増加している状況が社会的な注目を集めています。17歳から25歳までの若者を対象に、仕事や給与に対する満足度や退職理由についての実態を調査しました。

主なトピックス
・今回の調査の回答者は社会人1年〜5年未満が約8割。
・社会人1年未満で新卒で入社した会社を退職した人は約4割。
・社会人1年未満で現在の仕事に「大変満足」「やや満足」と回答した人は2割弱であったが、社会人3年以上5年未満では約7割と増加した。
・社会人1年未満で現在の給与に「大変満足」「やや満足」と回答した人は1割にも満たなかったが、社会人3年以上5年未満では約6割と増加した。
・社会人歴に関わらず、退職理由(退職検討理由)で上位3位にランクインしたのは「人間関係が悪かった」であった。

調査結果詳細

社会人何年目ですか?

社会人経験が1年未満の人は28名で、全体の9.3%を占めます。一方で、1年以上3年未満の経験者は103名で、34.3%を占め、3年以上5年未満の経験者は133名で、44.3%を占めます。5年以上7年未満の経験者は26名で、8.7%、そして7年以上10年未満の経験者は10名で、3.3%です。

新卒で入社した会社を退職しましたか?

新卒で入社した会社を退職した割合は、社会人経験の長さによって異なります。まず、社会人経験が1年未満のグループでは、39.3%が新卒で入社した会社を退職したと回答し、60.7%が退職していないと回答しました。次に、1年以上3年未満の経験者の中では、90.3%が新卒で入社した会社を退職し、9.7%が退職していないと回答しました。さらに、3年以上5年未満および5年以上7年未満の経験者のほぼ全てが、新卒で入社した会社を退職しています。この結果からは、特に初めての職場での経験が、若者の転職意欲や行動に大きく影響していることが示唆されます。

現在の仕事に満足していますか?

社会人経験の長さによって現在の仕事に対する満足度には変化が見られます。まず、社会人経験が1年未満のグループでは、仕事に対する満足度はやや低めで、大変満足またはやや満足と回答した割合が合わせて37.9%で、やや不満または大変不満と回答した割合が63.1%に上ります。
一方で、社会人経験が3年以上5年未満のグループでは、68.2%が大変満足と回答し、24.1%がやや満足と回答するなど、比較的高い満足度を示しています。また、社会人経験が5年以上7年未満のグループでも、58.4%が大変満足またはやや満足と回答し、満足度が高い傾向にあります。
これらの結果から、社会人経験が長くなるほど、現在の仕事に対する満足度が高まる傾向が見られることが分かりました。

給与に満足していますか?

給与に対する満足度も社会人経験の長さによって異なる傾向が見られます。まず、社会人経験が1年未満のグループでは、給与に対する満足度が低い傾向が見られます。大変不満またはやや不満と回答した割合が53.6%に上り、満足していると回答した割合は46.4%にとどまります。
一方で、社会人経験が3年以上5年未満のグループでは、給与に対する満足度が比較的高いことが分かります。大変満足またはやや満足と回答した割合が64.0%に上り、満足していないと回答した割合は36.0%にとどまります。
これらの結果から、社会人経験が長くなるほど、給与に対する満足度が高まる傾向があることが示唆されます。

退職理由(退職検討理由)は何ですか。最も近いものを”複数”選択してください。

退職理由は社会人経験の長さや様々な要因によって異なることが明らかになります。特に人間関係の悪さや労働時間・労働環境の不満、そして給与の低さが、多くの社会人にとって退職の主な要因となっています。
社会人経験が1年未満のグループでは、人間関係の悪さや給与の低さ、労働時間や労働環境の不満が顕著に現れています。一方で、社会人経験が3年以上5年未満のグループでは、労働時間や労働環境の不満が特に目立ち、その次に人間関係の悪さや給与の低さが挙げられています。さらに、経験が長くなるほど、人間関係の悪さが顕著に減少し、給与の不満が減少する傾向が見られます。
これらの結果からは、社会人のキャリア形成や職場環境における課題やニーズが明らかになります。特に、職場環境や人間関係の改善、適切な給与水準の確保が、若手社会人の定着やキャリア形成に重要な要素であることが示唆されました。

アンケート総括

上記アンケートから、社会人経験が増加するにつれて、現在の仕事や給与に対する満足度が大幅に向上する傾向が見られました。特に、社会人3年以上5年未満のグループでは、約7割が現在の仕事に満足しており、約6割が給与に満足していることが判明しました。これは、社会人経験が増えるほど、仕事や給与に対する理解が深まり、満足度が向上することを示唆しています。
また、退職理由に関しては、どの社会人歴でも上位3位が「人間関係が悪かった」「労働時間、労働条件が悪かった」「給与が低かった」でした。これらの要因は、異動や業務内容の変化がなければ改善が難しい不満であるため、転職につながりやすいと考えられます。
このように、社会人経験の長さや職場環境が、仕事や給与に対する満足度に大きな影響を与えることが明らかになりました。今後のキャリア形成や職場環境の改善に向けて、これらの要因を考慮した対策が必要とされます。

調査概要
調査名:日本国内の仕事への満足度に関する意識調査
調査対象:日本国内の就労経験がある17歳~25歳の男女 300名
調査年月:2024年5月24日
調査機関:自社調べ
調査方法:インターネット調査(クラウドワークス)
有効回答数:300名
回答者の性別構成:男性:148名、女性:152名
回答者の年齢構成:17歳:0名、18歳:1名、19歳:1名、20歳:13名、21歳:18名、22歳:81名、23歳:47名、24歳:65名、25歳:70名
回答者の最終学歴の構成:中卒:2名、高卒:142名、専門学校卒、高専卒、短大:53名、大卒:98名

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