宮城野親方(元横綱・白鵬) (C)週刊実話Web

新小結大の里の史上最速優勝から4日後、またも大相撲界に衝撃が走った。5月29日、日本相撲協会は理事会を開き、幕下以下の力士12人の引退を発表。その中に旧宮城野勢4人が含まれていたからだ。

元幕内・北青鵬の悪質なイジメに端を発し、指導力を問われた宮城野親方(元横綱白鵬)も師匠権を剥奪され部屋を閉鎖、一門の伊勢ケ浜部屋移籍となったのは、春場所後の3月末のことだった。

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宮城野親方はもちろん、19人いた弟子たちの生活環境は一変し、嵐の中のような日々を過ごしたことは容易に想像できる。

そして、迎えた夏場所。旧宮城野勢の過半数に当たる10人が、初日から休場。このときから「休場した者の大半が引退の意向」とささやかれていたのだ。

旧宮城野勢が大量脱落危機に

「旧宮城野勢はみな、優勝45回の大横綱、憧れの宮城野親方にスカウトされて入門しましたからね。その親方が一介の部屋付き親方に格下げされ、毎朝、まわしを締めて土俵の片隅に突っ立っている姿を見るのは耐え難いことだった。しかも、自分のことで精いっぱいで、相談したくても乗ってくれない。これじゃ相撲をやっている甲斐がないと失望したのが、休場や引退の一番大きな動機でしょう」(スポーツライター)

そう言えば、すでにこうなることを予想していたのか、春場所中ひそかに身辺整理を済ませていた力士もいた。

引退した西幕下51枚目の宝香鵬で、ひざの故障で初日から休場していたが、13日目の最後の1番に出場。勝ち星をあげ、「宮城野部屋の力士として最後の土俵に立ちたいというわがままを聞いてもらった上に、勝ち星まであげられて最高」と目頭を熱くしていた。

ただ気になるのは、今後も旧宮城野勢力士の引退が相次ぎそうなことだ。

「来場所、序ノ口転落が必至な炎鵬をはじめ、旧宮城野勢はケガ人が多い。いずれ伊勢ケ浜部屋のハードな稽古についていけず、脱落するのは目に見えている。1年後か、2年後か。部屋再興を認められたときはホンの数人しか残っていない、なんてことも十分考えられる」(同・ライター)

まさに消滅の危機。宮城野親方の苦難は続く。