新卒1年目で夢叶う。話題の日清ヨーク商品「みかん缶シロップ」開発の舞台裏。

人と比べないで、過去の自分と向き合う

——2024年2月に満を持して発売された『あの日飲みたかった みかん缶シロップ』。Xでは自然発生的に「これは気になる」「ネーミングが逸品」とユーザー同士が盛り上がっていました。インプレッション数は、多いもので85万件を超えています。

うれしさもありましたが、これだけ多くの方々に注目されることは想像していなかったので、動揺のほうが大きかったです。上司や同僚は「頑張ったね!」「多くの人に喜んでもらえて良かったね!」と声をかけてくれました。

——商品は2024年3月いっぱいで出荷を終了したそうですが、今はどんなお気持ちですか?

また、同じように話題になる商品をつくれるのだろうか?という不安があります。

ただ、自分の中で「きっとお客さまに喜んでもらえる」と確信を得た企画が、こうして実際にお客さまの記憶にコミットして「こんな思い出あったよね」といったお客さま同士のコミュニケーションのきっかけとなっているのを見て、大きなやりがいを感じています。

私は、中学生のころからコンビニエンスストアに並ぶ期間限定商品に惹かれたり、レジ横にある新商品をつい買ったりしていたのですが、そんな商品を、「自分ならどうやってもっと売れる商品にできるだろう?」と考えるのも好きだったんです。

「私も自分で商品をつくりたい」「その商品で、誰かの日常を明るくしたい」と思い続け、大学でもマーケティングを専攻しました。

現在は『ピルクル』ブランドを手掛けるチームに所属しているのですが、会社を支える主力商品で市場をつくり上げている先輩方を見て、将来は自身もブランドを育成して、お客さまに「この会社の商品だから買いたい」と思ってもらえるような価値創造ができたらいいなと思っています。

——小林さんにとってキャリアとは、どんなものなのでしょう。

“自分の人生を豊かにするもの”だと思います。人生には経験しないと分からないこともたくさんある中で、仕事をすることでしか得られない気付きもあると思うんです。苦労もありますが、そのぶん、人間性に厚みが出るのではないかなと考えています。

——社会人になったばかりでそこまで思える人はとても少ないと思います。今回の企画は“自分軸”を忘れずに進めてこられたそうですが、そのために心がけてきたことはありますか。

現代人あるあるだと思いますが、SNSを見て「キラキラしてるなぁ」と人と自分を比べてしまったり、自信をなくしたりすることがあります。そうした時は、人と比べるのではなく“過去の自分”と向き合うようにしています。

「自分は本当に成長してるのかな?」と不安になっても、一年前の自分と比べてみると、「今もできないことは多いけど、確実に、少しずつ成長しているかも」と思えるんです。そうすることで、意識的に自分を認めてあげるよう心がけています。

(文:原 由希奈 写真提供:日清ヨーク株式会社)