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低賃金、物価高にあえぐ日本には「副業」ブームが押し寄せているが、これを逆手に取った詐欺事件が発生した。

警視庁と千葉県警の合同捜査本部は、6月11日までに特殊詐欺グループのメンバーで職業不詳の鈴木一樹容疑者(48=千葉県市川市)ら、実に26人もの男女を逮捕している。

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調べによると鈴木容疑者らは、昨年7~9月の間にグループが運営する副業サイト『サポー』(すでに閉鎖)で、「チャットで人生相談に乗るだけで報酬がもらえる」と閲覧者を勧誘していた。

その上で、東京都在住の40代女性から「サイト登録料」名目で現金計40万7000円を騙し取ったほか、別の被害者の銀行口座からもATMを使って計129万円を引き出した疑いが持たれているのだ。

全国に約8600人の被害者

社会部記者が言う。

「この詐欺グループは、サイトにアクセスしてきた女性に架空の相談を持ちかけ、女性がアドバイスを送ると『悩みを解決してもらったお礼がしたい』『振込先を教えて』などと持ちかけていました」

すっかり仕事がうまくいったと思い込んだ被害女性たちは、口座番号をはじめとする個人情報のやり取りをする有料回線の開設を依頼。その費用として現金を振り込んでいたという。

ちなみに同グループは、偽サイトの「運営役」や相談メッセージを送る「打ち子」、現金を引き出す「出し子」と役割分担をして詐欺を働き、全国の約8600人から総額19億円を騙し取っていたとみられている。

「被害者たちは、いずれもネットで『副業』や『隙間時間』などと検索し、SNSの広告を経由してサイトにアクセスした20~30代の女性が大半でした」(同)

鈴木容疑者らは、こうした副業に関心の高い女性たちを食い物にするため、複数のサイトを運営していたようだ。

やっぱり、うまい話は警戒した方がいい。