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気候変動の影響で、これから出回るサクランボや桃が不作で価格高騰が避けられそうにないという。

梅やリンゴも同様で、果樹園農家は死活問題に直面している。

まずリンゴは例年、収穫に変動が少なく価格も安定していたが、今年は1個当たりの仕入れ値が約70円も上昇しだ。

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その原因の一つは昨年の猛暑だという。

「猛暑によってリンゴが割れてしまったり、収穫前に落下したり…。リンゴの一大名産地である青森県は去年の収穫量が過去3番目の少なさだよ」(東京・豊洲市場の青果棟仲卸業者)

青森県と並び、リンゴの産地である長野県でも収穫量は一昨年の5割減。リンゴ農家は「就農してこれだけの被害は初めての経験だ」と口々に話しているという。

実際、東京都内のスーパーマーケットを見て回ると、店頭に並ぶ青森県産のリンゴはひと盛600円。サイズによって違うが、例年に比べ2~3割高くなっていた。

「リンゴの価格高騰は、一般家庭だけでなく、リンゴを扱う洋菓子店などにも波及します。価格アップの波は、これからが本番ですね」(フードライター)

梅干しは漬物製造が許可制に

6月6日の「梅の日」を迎えると同時に収穫期が訪れる梅の実も、いつもの年より3割ほど落ち込んでいるという。

「全国一の梅の産地・和歌山県では、主力品種の『南高梅』が暖冬で不作。さらに3月に降ったひょうで実が傷つく被害も続出した」(在阪フリーライター)

収穫量は過去10年で最も少なくなると予想され、梅酒や梅干し作りにも影響が出るのは確実だ。

「梅干しは、6月から施行された改正食品衛生法で漬物製造業に許可が必要になった。5月までに衛生基準を満たす専用の作業場を設けなければ販売できない。大半の業者は高齢化が進んでいることもあって、とても設備投資する資金はない。途方に暮れています」(同)

今夏は、気温と物価が記録的に高くなりそうだ。