1か月前に出産したかおりは、ほぼワンオペで子育てをしていた。夫のいちろうが育児休暇を取得するはずだったのに、なぜ……。自称「イクメン」夫に振り回される妻の様子を描いたマンガに、怒りと共感の声が寄せられて話題になりました。作者のくまおさんにお話を聞きました。



マンガ「夫が育児をなめくさっている件」のカット(くまおさん提供)

【マンガ本編】「俺はイクメン!」育児をなめくさった夫に妻ブチギレ! トンデモな言動にイラリ

ワンオペ育児に妻は限界…夫は?

 自称「イクメン」夫の呆れた姿を描いた創作シリーズマンガ「夫が育児をなめくさっている件」が、多数のいいねを集めて話題になっています。

 1か月前に、初めての出産をした「かおり」。毎日、気の抜けないワンオペ育児に精神的にも肉体的にも限界がきていました。本来であれば、夫の「いちろう」が育児休暇を取得し、一緒に子育てをするはずだったのですが……。読者からは「いちろう、何も考えてない!」「私だったら実家に帰る」「うちの旦那と同じだ」などの声があがっています。

 このマンガを描いたのは、2児の父のくまおさんです。Instagramやブログ「くまおのマンガ堂」で創作マンガやエッセイマンガを発表しています。

ーー作品のエピソードには、実体験も入っているのでしょうか?

 完全創作です。いちろうは実在しません(笑)。ただ、実体験をヒントにしています。長女が生まれたとき、何もかも初めてでどうしていいか分からないことが多く、妻にも子供にも迷惑をかけてしまいました。「これって新米パパあるあるだよな」と思ったので、それをめちゃくちゃ誇張して、「育児なめくさり夫」が生まれました。

ーーいちろうは自らを「イクメン」と称していますが、本来のイクメンはどうあるべきだと思いますか?

 子供の面倒を見るのは当然として、奥さんの様子も気にかけるべきだと思います。奥さんが安心して子供と自分のケアに専念できる環境を作れる人が、イクメンだと思います。

 でも、そもそもイクメンという言葉が、私は好きではありません。パパが自分の子供の面倒を見るのは、普通のことだと思うからです。ママさんは「イクウーメン」なんていわれないですし。

ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?

 いちろうに対するコメントがほとんどです。「絶対に許せん」という方から、「最初は嫌いだったけど、頑張っているので、いまは応援しています」という方まで、いちろうに対してさまざまなご意見をいただきました。

 作者として特にうれしかったコメントは、序盤の育児シーン(いちろうがミルクを作ったり、寝かしつけたり)を描いていたあたりで、「このマンガは育児書として素晴らしいので、全国のパパやママに読んでもらいたいです」といっていただけたことです。

ーーマンガを描き始めたのは、いつ頃からでしょうか?

 本格的に描き始めたのは、20歳頃です。当時は漫画家になって少年マンガを連載するのが夢でした。

ーーマンガを制作するときに、こだわっているポイントを教えて下さい。

 制作する上で、セリフはできるだけ短くするようにしています。基本的にはキャラ同士の会話劇なので、空気感が伝わるように、セリフがない「間」のコマも描くように工夫しています。

ーー作品は現在も連載中ですが、このあとどうなっていくのでしょうか。

 この夫婦が、自分たちの夫婦の形を見つけると思います。また仲良くやっていくかもしれませんし、もしかしたら別れてしまうかも……。

 長期連載ですが、もうすぐ完結する予定です。ぜひこの機会に、一気読みしていただけるとうれしいです。