日本通信SIM『合理的シンプル290』の新テレビCM「これ以上、引けない。290円」篇が、2024年6月29日(土)より放送されている。
通常CMというと莫大な予算をかけて作られているイメージがあるが、日本通信SIMはテレビCM史上、前代未聞のチャレンジをしたという。今回は、そんなCM撮影の詳細について深掘りしてみることに。
日本通信の合理的シンプルなプランSIMって?
『合理的シンプル290』は日本通信が提供する、基本料290円(1GB付き)、通話は11円/30秒、データ追加は220円/GBのシンプルプランの一つ。「上限設定機能」により、利用者自身でデータ利用量の上限設定(1GB~100GB)ができるようになっている。
一般的な携帯プランでよくあるのが、従量プランと定額プランの2種類。
前者は、使った分によって支払い金額が決まるため納得感のある課金方法ではあるものの、どれだけ請求されるかわからないという不安がある。一方で後者は、例えば実際は2GBでおさまっても、2GBプランでは足りないかもしれないという不安がある。
『合理的シンプル290』の「上限設定機能」では、仮に3GBに上限設定しておいても、2GBにおさまれば、2GBの料金で済むようになっている。従量制の良さと定額制の安心感を兼ね備えている、シンプルで合理的な携帯料金プランと言える。
「えんぴつと紙とガムテープ」だけでCMを作成?!
そんな『合理的シンプル290』の新CM、一体どのように作られたのか早速見てみよう!
▼動画はこちら:
https://youtu.be/4AGcQD2aiZE
※「290円でつくる」とはCMを制作するにあたって使用した資材費の事を指す。その後原状復帰できる備品や人件費は含んでいない。
CM内で使用したのは、なんとえんぴつ、A4用紙、ガムテープの3点のみ。メッセージの書かれた紙を次々とめくっていき、通信料月額290円~というプランをスマートフォンで撮影した動画で伝えている。
CM撮影では、ナレーションやカメラを固定する台の作成、カメラの録画ボタンを押すのもすべて社員が担当。さらに代表取締役社⻑の福田尚久氏も撮影に参加して、紙をめくる大役を担当したそうだ。まさに“チーム一丸”で作り上げたCMとなっている。
このテレビCMを作った理由を社長に聞いてみた!
なぜこのようなチャレンジングなCMに挑戦したのか、その制作にかけた想いと裏側を聞いてみることに。
Q.「290円でCMをつくる」というコンセプトに至った経緯を教えてください。
携帯の通信って、全国民のみなさんが使っているみたいなものなので、極力安く、合理的におさめたいと思い、それをずっと突き詰めた金額が月額290円からなんですよね。CM制作も290円でどこまでいけるかチャレンジしようということになりました。
大手の携帯キャリアは、多くのお金と有名なタレントを使って広告を制作しているので、それに対抗しても絶対負けてしまうんです。だったら逆に行こうと思い、合理的に限界までチャレンジしようと決めました。とにかく日本通信が提供するビジネスは、他社が絶対に真似できないような低コストを表現するということを目指しました。
Q. 実際に撮影しての率直な感想を教えてください。
難しかったですね。どうやって撮影しようかと、みんなで工夫をしながら試みたんですけれど、ちょっと何かしらしようとするとお金がかかってしまうんです。スタッフの予算係が「これ使うとだめですよ」「紙を無駄使いしないでください」とか言われながら290円以内でちゃんと管理してチャレンジしました。
Q. 撮影で一番苦労したところはどこですか?
僕自身は、紙をめくる係だったんですけど、紙を取った時に2枚取ってしまうとか、ズレてしまうとか、何度やってもうまくいかなくて永遠に終わらないんじゃないかなと思いました(笑)。我々はデジタルの世界でビジネスをしているので、普段ならソフトウェアをつかってスライド的なものでめくっていくんですが、紙という普段慣れないアナログなもので行ったのは大変でした。
Q. 撮影中「こんな緊張したのは久しぶり」と話していたようですね。
緊張という点では、大昔ですが、1999年に行われたMac WORLD Tokyoでスティーブ・ジョブズが5万人のオーディエンスの前でプレゼンする時があったんですけれど、僕が責任者だったんです。あの時の初日にお客さんが来てるかなって緊張していたのと似ているかもしれないです。それくらい緊張しました(笑)。人生の中でも何回目かの緊張でしたね。
スティーブ・ジョブズが5万人の前でプレゼンしたプロジェクトに匹敵する緊張感を持った現場であったとは驚きである。こうして制作の背景を知ることで、月額290円でつくられたCMのメッセージがより深く伝わってくるかもしれない。