危険な暑さが続いておりますが、皆さま体調にはくれぐれもお気をつけください。暑さを吹き飛ばすことはできませんが、暑さに関する雑学を一つお教えいたします。
この危険な暑さの原因といわれているのが『ラニーニャ現象』というものです。これは、南米あたりの海の海面水温が低くなると起こる現象です。海面水温が低いところに東風が吹くと、インドネシアあたりで海面水温が上昇します。そして、太平洋高気圧が強くなりアジア全体が暑くなるというものなんですが、その逆の現象を『エルニーニョ現象』といいます。エルニーニョとはスペイン語で『男の子(神の子)』という意味で、ラニーニャは女の子という意味なんです。
みんなで集まって「今日も暑いなー」なんて言い合ってるところで、ぜひこの雑学を披露してみてください。きっと、
「こんな暑い日に暑苦しい話すんな!」
と、お叱りを受けると思います。というわけで始まりました、ガクテンソク奥田のGossip Timesでございます。
出典: FANY マガジン
暑い日が続きますと家にいる時間が増えるので、結果的にゴシップ収集も捗ります。そんな中こんなニュースが目に入りました。
米下院、TikTokのアメリカでの利用禁止できる法案を可決(BBC NEW JAPAN)
このニュースがこんな感じで進んで、
アメリカ「TikTok禁止法」バイデン大統領署名で成立 世界で“使用制限”される動きに中国CEO猛反発(FNNプライムオンライン)
今はこんな感じになっています。
TikTok、アメリカで成立した禁止法は「違憲」と……争う構え(BBC NEWS JAPAN)
正直、僕はTikTokをほとんど見ていないのですが、若い世代の方は娯楽だけでなく、情報収集のツールとしてもTikTokを活用していると聞いたので、もしも、この流れが日本にまで及んだ場合、結構な大ごとになると思うんです。なので、このタイミングで取り上げさせていただきます。
で、いきなり結論。たぶん日本にも及びます。なんなら、全世界で禁止の流れになると思うので。
今まさにアメリカ大統領選挙の真っ最中なわけです。今回の禁止法はバイデンさんが成立させたわけですが、相手方のトランプさんも、大統領任期中の2020年8月に「TikTok禁止の大統領令」を公布しています。なので、民主党候補と共和党候補のどちらが勝ったとしても、おそらくTikTokは禁止される流れになるんです。
「そもそもなんでTikTokを目の敵にするん?」
ですよね。説明します。
出典: FANY マガジン
まず、この禁止法の正しい名前は
『アメリカ国民を国外の敵対勢力が管理するアプリケーションから保護する法律』
です。詳しく書いているようで、あんまりよくわからない感じですね。アプリケーションとはもちろんTikTokですが、TikTok以外でも『国外の敵対勢力』が管理していたら適用されます。そしてその『国外の敵対勢力』とは、ズバリ中国です。
中国の企業は中国共産党(以下、当局)と深く結びついています。支配されていると言い換えてもいいかもしれません。なので企業側は、集めたデータや個人情報の提出を当局に命じられた場合、断ることができませんし、なんなら企業のデータに当局もアクセスできる状態だったりします。
2020年当時、TikTok運営会社の『バイトダンス』も本国である中国からアクセスできる状態がわかり、トランプさんは「TikTok禁止の大統領令」が発出したわけです。
バイデンさんが大統領になった21年6月に『法的根拠が弱い』という理由で、大統領令は撤回されたのですが、今年1月、アメリカの『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の調査で、TikTokユーザーのメールアドレスやIPアドレスなどの各種データの中国本国との共有が発覚しました。これがきっかけで『TikTok禁止法』が成立することになったのです。
「TikTokは何も悪くないんだから、アメリカの企業が買収すればいいやん!」
確かに、TikTok事業を買収したい企業はたくさんあると思います。絶対に儲かりますもんね。しかし、ここにも障害があります。それは中国の法律です。
どこの国にも軍事や先端技術になど、国家機密に関わる重要なものを、簡単に輸出してはいけない『輸出制限目録』というものがあり、中国にもそれがあるのですが、バイトダンスが開発したアルゴリズム技術そのものが、輸出制限目録に指定されており、中国企業であるバイトダンス以外がそれを運用することはできませんし、中国政府の許可なしではTikTokの売却は行なえないのです。なので、アメリカからTikTokが消える確率が極めて高いという状態で、いずれアメリカと中国の国家間の揉め事になる可能性まであるんです。
さてさて、日本ですよ。
アメリカと中国の間を、絶妙な反復横跳びで外交バランスを取らないといけない日本は、今度はTikTokで綺麗な反復横跳びを求められることになります。できると思います? どうです? 無理っぽくないですか?
ただ、そもそもこの反復横跳びをすることを政府は考えるでしょうか?
アメリカでは多くの若者がTikTok禁止に反対しています。日本でも反対するのは若者だと思いますが、選挙の投票率の低い若者の声を、日本政府は聞いてくれるでしょうか? スパッと切り捨てる気がするのは僕だけですか?
『風が吹けば桶屋が儲かる』
ということわざは、未来では
『若者の投票率が低いとTikTokが無くなる』
になっているかもしれませんね。いえ、なってないでしょうね。これはさすがに言いすぎた。
出典: FANY マガジン
TikTokが無くなることに不安を感じる若い方もいらっしゃるでしょう。しかし、もうすでにTikTokが消滅している国があります。それがインドです。
中国とインドは元々仲が悪いのですが、2020年に国境付近で両国の兵隊同士の揉め事が起きたことを理由に、インド政府はTikTokをはじめとする中国企業が運営する170個以上のアプリを禁止にしました。
もちろんインドでも反対運動はあったのですが、ほとんどのインフルエンサーがTikTokのようなショート動画を投稿できるYouTubeのショートやInstagramのリールに移行し、ファンらもそちらへ移ったので、TikTok消滅による混乱はほとんどなかったそうです。
無くなったら無くなったで、見事に対応する柔軟性も、若者の素晴らしさですね。
※あくまでも本連載は個人の見解です。